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『エッセイのまち』の仲間で作る共同運営マガジン

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2022年11月の記事一覧

お風呂掃除とハッピーアワー

お掃除動画を見るのが好きだ。断捨離系よりも俄然磨く系。休日の朝に見て、そのまま掃除に取り掛かるのが理想。今日も朝からこちらの動画を見て、今お風呂の床のオキシ漬けをしているところ。 わたしがオキシクリーンとジフとその他もろもろのアイテムを使って、いつ誰に見られても恥ずかしくないお風呂場を維持している件については、魔女の宅急便の余韻が抜けない病にかかっていた頃に自慢したとおりで、その後も定期的にお風呂ぴかぴ化は実践しているため、めちゃくちゃ汚くはならないのだけれども、ちょっと油

振り返ってみると、あの日、わたしはたしかに楽しかった。

「今は特に欲しいものがないから、気持ちだけ受け取っておくねー!」  誕生日に欲しいものを尋ねたら、“ありがと”のスタンプとともにこのメッセージが送られてきて、驚いた。なぜならその相手が、17歳の誕生日を迎える姪っ子だったから。  そんな年頃のわたしにとって世界は欲しいものであふれていたはずだし、姪っ子だって昨年はコードレスヘアアイロンの商品ページを送ってきたから、ラッピングされた商品が直接届くように手配したのにな。 「大人みたいなこと言っちゃって、淋しいなぁ」と返したら、

生産しすぎている9割

以前糸井重里さんが対談で言っていた言葉。 すごく、うーむ、たしかにと思った。 1日の、もしかしたら一生の多くの時間を、既にあるのにせっせ、せっせと生産し過ぎているんじゃないだろうか。 それは、9割の他の人がやっている私じゃなくていいことなのに、そっちに向き、私も必死にやっているということでもあるのだ。 ¨¨¨¨¨ 少し話は飛ぶのだけれど、最近インスタグラムが見れない。 もちろん機能的にはきちんと作動していいて見れる。 けど気持ち的に見るとわーっと圧倒されてしんどく

美味しいは、「生きる」のはじまりだと教えてくれる『川っぺりムコリッタ』。

30歳の誕生日を刑務所で迎えていた山田は、 ムショを出たらいつか川べりに住みたいと思っ ていた。 できうる限り限界を生きているような街がいい。 誰ともかかわらずにひっそりと死ぬまで生きたい。 ギリギリを感じてさえいれば生きる実感が湧く のかもしれないと。 そんな街を山田は選んだ。 そして拾ってくれる人たちがいた。 北陸にある塩辛工場をあっせんしてもらい、 イカを捌く毎日をとりあえず手に入れた。 この気持ちに少し馴染んでいた。 少しじゃないかもしれない、人とのつな

パイナップルケーキをきっちりと半分に切ろう【理科系夫の小ネタ】

お土産で頂いた沖縄のパイナップルケーキ。 広い那覇空港の中でも、搭乗口近くの全日空のショップにしか置いていないとか。 味にうるさい友人イチオシ。 美味しくいただいて、最後の1つとなった。 理科系夫「はんぶんこにしよう」 あつこ「わかりました、切ります」 理科系夫「ちょっと待って、 正確に半分に切れる?」 あつこ「え、だいたい半分ならいいでしょう?」 理科系夫「あつこがやると、どちらかが極端に大きかったり小さかったりするから」 あつこ(本当にそうなので、何も言えな

会いたいと思われる人に、私はなれるか

例のウイルスの影響で、仕事の現場でもリモート面談が浸透してきた。リアルな面談よりあきらかに費用と時間が節約できるし、相手のアポイントに対するハードルも低い。 家にこられるのはNGだけどリモートならいいよ、という方も多くなった。 これは確かにありがたい。 だがアポイントがとりやすい反面、商談の濃さから見ると「短時間で終わってしまう」「反応が薄いので話しづらい」「要件だけで話が広がらない」というデメリットもある。 それに、一度リモートにすると「次もリモートでいいですよ」と

次は負けない

講座が終わり、zoom画面を閉じる。 ぁぁああ!ちくしょう!! 誰もいない部屋で思わず声が漏れた。 現在オンラインで受講しているコピーライター養成講座。今日はとある課題の講評だった。最終的に講師の方が良いと思う10本程度のコピーが選ばれるのだが、残念ながら今回はそこに入らなかった。 受講生から提出された約100本のコピーの中で、講師の方がまず気になるコピーを講評していった。その中には入っていたので「これイケるかも」と期待を持ってしまったのだ。 だが結果として、他の人に

やんわり悲しみに満ちている、『カニカマ人生論』に出会えてよかった。#読書の秋2022

わたしはお笑いについてそれほど 明るくない。 ないのだけれど、時々とても欲している 自分に出会って、そういう時は夜中が 多いけれどいつもひとりで、ぶはっ ぶはっと笑っていたりする。 そして、清水ミチコさんのことを いつの頃からか、みっちゃんと 呼んでいる。 気づけば、みっちゃんって。 見ず知らずの人をちゃんづけで呼ぶ。 それ恥ずかしいよと思いつつもわたしの なかで清水ミチコさんはみっちゃんだ。 ユーミンや、桃井かおり、デビ夫人に なり切っているとき

夫婦喧嘩•みかんの陣

夫婦喧嘩は、ラブストーリーよりも突然始まる。 私は、基本的にはベジータさんの言動については興味を持たないのだけど 鼻で笑うような相手をバカにしたような仕草が、心底嫌い。 自分がやられてるわけじゃないのにイラッとする。 日曜日。 私は夕方から家事をサクサクとこなして、早めに夕飯を食べようとしていた時 夫婦喧嘩は突然訪れた。 午後にベジータさんのいい時間に買い物に行って(もちろん事前予告なし) 箱みかんを「お前好きだから買ってやる」と言ったのに 酒売り場ででっかい角ウイスキ

夜の街

「お疲れさまでした!」 飲み会が終わり、みんなと別れる。代行に電話をすると、ちょうど混み合っていて30分ほど待つという。橘通りという大通りにあるベンチに腰掛けてしばらく待つ。 11月の下旬なのにも関わらず、夜風が気持ち良い。酔いをさますのにはピッタリだ。 通りを眺めていると、客引きの店員やスーツ姿で歩く人がパラパラといる。 街中には人が少しずつ戻ってきている気がする。 最近は「3年ぶりの〜」という言葉が増えてきている。イベントもある程度復活してきている。 コロナは怖いが

なっちゃんの北海道みやげ

なっちゃんが北海道みやげを持ってやってきた。 実は旅行に行ったのはひと月以上前。 なかなか実家に来る機会がなく、日が経ってしまった。 そんななっちゃんのお土産はこれだ。 一時はかなり人気が出て、手に入りにくかった「じゃがポックル」 その姉妹品の「ぽてコタン」 そしてコスパの良いお菓子「ブラックサンダー」 わざわざ札幌から買ってきてもらったのはありがたい。(じゃがポックルは、有楽町に北海道のアンテナショップができてから、手に入りやすくなった) 小分けになっているので、配

未来を託したい

約束の時間になっても一向に入室して来る気配がない。 「どうしたんだろうね、きっと緊急のオペでも入ったのかもね」 ZOOMの中でアポイントの医師の入室を同僚と待っていた。 約束の時間を1時間過ぎてもその気配はない。何か変だね。 僕たちはZOOMから一旦退出してメールを送ってみました。 「1時間お待ちしていましたが、次の約束がありますので退室します」と。 すると、直ぐに返信が来ました。 「秘書にお声かけくださいましたか。私も医局でお待ちしていました」と。 ん?どう言うこと?

のらりくらり京都紀行

吉田篤弘さんの『京都で考えた』という本を、いつだったか読んだ。 手元にないということは、たぶんどこかの図書館で借りたのだろう。 その本の中で、吉田篤弘さんは、京都で考え事をすると語っていた。 京都で吉田さんがどんなことを考えたのか(すなわち、本の内容)はほとんど思い出せないのだけど、考え事をするために京都を訪れるということをいつか私もしてみたいと思っていた。 急遽、夫の出張に同行してもいいということになり、その願いが叶うことに。 とはいえ、久しぶりに訪れる京都には、

ここにいない誰かを想う、もうひとつの時間。#『旅をする木』星野道夫。

たったひとつの風景を思い出す時、 そこに流れているのは、 ゆるぎない風景への信頼だと思う。 風景と共になつかしい人がたち 現われる時も思い出している その最中は、絶対的にそのひとが いまも自分の中でいきいきと生 きているという 確信のもとに、かけがえのない 瞬間を思い出している。 写真家の星野道夫さんのエッセイ 『旅をする木』のページを めくるたびにそんな思いに駆られた。 1978年にアラスカに暮らし始めた 頃のご自分の日記を紐解きなが らつづられている。 その文章はわ