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2021年10月の記事一覧

感情がうごくこと 映画“Sin señas particulares”

「あー、あかん、なんでこんなことになるんやろう」 ひさしぶりに観た映画で気持ちの渦に飲みこまれた。 “Sin señas particulares”(邦題:「息子の面影」) メキシコではよく耳にするアメリカへの不法移民に関する映画。 主人公はメキシコ人の母親。 アメリカへ出稼ぎに行くためにバスに乗ったきり連絡がない息子を探している。 警察では一緒に行った息子の友人の遺体写真と、息子の持っていったバッグの写真が見つかるが、息子が死んだという確証はない。 遺体は焼いて遺

行ってみたい本屋へ

去年からずっと行ってみたかった本屋さんへ行ってきた。 電車を乗り継いで、出先から片道1時間、帰りは家まで1時間半かかった。展示代わりするたびに行こうかなと、頭にあったけど遠いしなぁとあきらめてたけど今日なら行ける気がして。 本屋・生活綴方。特急東横線の妙蓮寺駅からすぐの商店街。色んな人が交代で店番していて、手作りの本を作ったり、ラジオをやってる面白い本屋さん。 パン屋さんが2軒、ほかにも八百屋さんや和菓子屋さん、保護猫の里親募集がたくさん貼ってあるお店(本来は何のお店だっ

こたえあわせ

Twitterで偶然みつけた写真展。こどもの頃に住んでいた地球の裏側に、30年経って旅をした記録だという。私はまだ再訪は叶えていないけれど、近いところに住んでいたので、なんとなく親近感が湧いて足を運んでみた。 ただのちひろ写真展 「遠くて近い 遠いむかしのこと、しずかに沈んでいた記憶、答え合わせの旅」 小さいときの写真が見つからなかったそうで、そのかわりに記憶を頼りに描いたスケッチを貼った小部屋があった。 食料品店にぶらさがっていたカエル、幼稚園に持っていったおやつ、足

電車で業

電車に乗るとおかしな人やおかしな場面に出くわすことが多いです。正確に言うと「多かった」ですね。類は友を呼ぶのか、それとも変な人間は変な人間、あるいは変な状況とひかれ合うのか。真相はさだかではありませんが、確かに二十代の頃は電車に乗るたびに変なことが起こっておりました。そのような業を背負っていたのでしょう。宿命と言えるのかもしれません。そう考えると最近は比較的そういったこともなくなってきたので、ようやく僕も普通の人になれたということでしょう。いやはや、ありがたい話です。 頻繁に

【エッセイ】130日の休職で感じたこと〜ある日会社に行けなくなった〜

ーーー適応障害。 診断書に書かれた文字に私は疑問符が浮かんだ。 『しばらくゆっくり休みましょう』 病院でそう診断された。2020年秋のこと。 適応障害とは、生活の中で生じる日常的なストレスにうまく対応することが出来ず、不安感や行動に変化が現れて社会生活に支障をきたす病気とされている。 病名について当時よくわかっていなかったが、ひとつだけわかっていることがあった。 ああ、これでしばらく会社を休める。 となんとも不謹慎だが、そう思った。 先に言っておくが、いわゆる私の職

悲しみの、モンブラン ~アラフィフ青春ストーリー⑪

今日、義母を見送りました。 家族の誰もが想定していなかった、急展開だった日曜日。 日曜日夕方には病院にいて、家族全員で看取りました。 私は、夫の両親の実家で二世帯で暮らしています。生活実態は別ですが、毎日行き来していたし、ほぼほぼ同居と同じ。 隣から賑やかな義母の笑い声が聞こえるのを、仕事で夜遅く帰宅した時はその声を聞いてホッとしていました。 何が何だか解らないまま日曜から今日まで過ぎていった気がします。 そして、アラフィフになっても知らないことがたくさんあり、いろんなこ

キラキラアドレス読み上げの刑に処される私とフォネティックコード

メールアドレス。 の「@」の前のところの話。 @の後ろはドメインと言うが、@の前は「ローカル部」と言うらしい。 わかりやすくユーザー名なんて言う時もあるかもしれない。 会社やオフィシャルで使うものは、自分の名字や名前が入っていたり、企業などの窓口なんかはinfo@〜とか、support@〜とかが入っていたりする。 私用で使うアドレスは、皆それぞれ「自分」を表すような、イニシャルや誕生日、好きなもの、ペットの名前などを入れている人もいるのではないだろうか。最近で言うと各種

私の大好きな街

今日は私の大好きな街について。 Note始めたときからずっと書きたいと思っていたタイトルです。 私にとっていい街とはなにか? 一般的に家賃の高いエリアが人気のエリアと言われていますが、 多くの人にとっての住みやすい=人気。なんだったら自分は”多くの人”と感性は同じなのかなあ。。とふと思います。 私はこれまで3つの街に住んできました。 生まれ育った大阪府岸和田市。 新卒から社会人二年目まで神奈川県川崎市川崎区。 そして現在の愛知県名古屋市千種区です。 結論から! 川崎市が一

「この荷物5cm小さくなりますか」と言った、郵便局員さんとの数分間

「この横幅、もう5cm小さくできますかねえ?」 次に来る言葉は支払う金額だと思っていたため、一瞬理解ができずに反応が遅れた。 「へ?」 「包みのサイズです。このサイズになればね、ワンサイズ小さい料金になるんですよ。あともう少しなんでどうかなあと思いましてね」 郵便局での出来事である。 この日私は愛しの姪っ子ちゃんへ3歳のお誕生日プレゼントを贈ろうと、小包を抱えて郵便局へやってきた。 メインとなるプレンゼントのほかに、最近シールに絶賛ハマっているとの情報をキャッチし

愛され上司が、一年目の私に教えてくれたこと

「みてみてお母さん!バラの花だよ。ピンク色で、かわいいねぇ」 「でもほら、トゲがあるからね、刺さると痛いよ〜」 「きゃー、クモの巣だぁ!雨のしずくがきれいだね」 息子との幼稚園からの帰り道は、 寄り道ばかり。 なかなか家に辿りつかない。 けれど、 なんにも予定がない日は、 そうね、そうねと頷いて、 息子の見たいものを、私も一緒に眺めている。 せっかちな私が、 息子との寄り道をゆったり楽しめるようになったのは、 きっとあの時の上司の言葉があったから。 ✴︎ 社会人一年目

多分、覚えてない。

パフェを食べに行こう

私には「お気に入りの店」がいくつかある。 常連とは言えないまでも、ふと思い立ったときに行きたくなる店が お気に入りの店。それは今住んでいる地域に多く存在する。 お気に入りの店でも、純喫茶「M」(仮名)には、3ヶ月に1回は通っている。 たまに臨時休業のタイミングにあたり、しょんぼりしながら帰ってくることもあるけれど、店が開いているとついつい立ち寄ってしまう。 お店の内装も、あんまり愛想がないものの、長居しても怒らないおじさんも、美味しい食べ物も大好きなお店だ。 でも、そんな

ロイヤルホストで静寂のブリュレパフェを

季節はすっかり秋だ。 というか冬にかかりつつある。 早くしないと秋が終わっちゃう。 何年か前から気になり続けていたロイヤルホストの秋限定パフェを食べに行くことにした。 ・・・ まず夜ごはんに、「アンガスサーロインステーキピラフ〜ガーリック風味〜」を頼む。 お肉がやわらかくてジューシーなのはもちろんのこと、とろとろに炒められた玉ねぎが香ばしくてよかった。 ロイホ史上1番おいしかったかも。 こんな豪華なメニューを注文できたのも「誕生月20%OFFクーポン」があった

「20分」あればカフェに入ることにしました

予定より早く目的地に着いたとき、待ち合わせまでの時間まで余裕があるときなど、ついついスマホを見て時間をつぶしてしまう人が多いのではないでしょうか。私ももれなくその一人でした。 20分あればカフェに入る──ここ3年くらいは、外出先でちょっとした時間が「20分」以上できると、カフェや喫茶店に入ることにしています。主婦の感覚ももちろんあって、はじめは「お茶代」が勿体ない、長居はできないし…という後ろ向きな気持ちがありました。でもいつからでしょう、たぶん子育てには息抜きが必須だと感