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大切な人はいつもそこにいる。

顔を合わせることなく3ヶ月が過ぎ、ひょんなことからデートを
することになった。

テレワークが積極的に導入され始めた折、「腰が痛いね」なんて会話をした
のがきっかけで、座椅子と少し過ぎた彼女の誕生日プレゼントを買いに行く。

休日に2人で出かけるのはこれが初めてである。
普段と異なる装いでやってきた彼女にとても緊張してしまい、
加えて「今日はリードしなきゃ」という思いもあって
実にギクシャクしていた。

だがその歯車もだんだんと噛み合うようになっていく。


印象深い出来事がある。

誕プレをあげる流れから何故だか、お互いにプレゼント交換を
しようという会話をした。

お揃いのアクセサリーを購入し、それぞれ梱包してもらう。
お店の店員さんはとても丁寧に包んでくれる。

僕は落ち着いた場所で交換するつもりだったが、彼女はその場で
交換し始めた。

「はい、どうぞ」

マスク越しでも分かる恥ずかしそうに赤らめた笑顔を
忘れたことはない。

この笑顔を大切にしたい。
この笑顔を側で見ていたい。
だから、今度のデートの時に気持ちを伝えよう。


・・・しかし、彼女に気持ちが伝えられることは無かった



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