東洋一 君のことを想う男の日記

ある男の2年半の恋の記録

東洋一 君のことを想う男の日記

ある男の2年半の恋の記録

最近の記事

大切な人はいつもそこにいる。

顔を合わせることなく3ヶ月が過ぎ、ひょんなことからデートを することになった。 テレワークが積極的に導入され始めた折、「腰が痛いね」なんて会話をした のがきっかけで、座椅子と少し過ぎた彼女の誕生日プレゼントを買いに行く。 休日に2人で出かけるのはこれが初めてである。 普段と異なる装いでやってきた彼女にとても緊張してしまい、 加えて「今日はリードしなきゃ」という思いもあって 実にギクシャクしていた。 だがその歯車もだんだんと噛み合うようになっていく。 印象深い出来事があ

    • 感謝

      「はい、これ、、お返しにあげる!」 バレンタインデーが5日後に迫る月曜日、お目当てのチョコを 探しに僕達は百貨店へと足を運んでいる。 シーズン真っ只中、催事場は女性客で溢れかえっている。 チョコレート工場と広告代理店の思惑に乗せられているぞ。そんな ありきたりな考えを頭に浮かべる僕を横目に、彼女は早速商品を眺め始める。 彼女はお世話になっている先輩宛のチョコを選びにきていて、1000円程度の 手頃なものを探しているらしい。所狭しと並ぶチョコはみな個性的で中々決められない

      • 本音と'本音'

        PHASE.6 2月の初旬、冬も一段と厳しい季節、 この頃はよく2人で食事をするようになっていた。 僕らの元を離れた彼女に対して素直になれない時期も あったが、どうしてもまた関わりたくなってしまい、 よく誘うようになったのであった。 僕の誘いを彼女はいつも快く受けてくれていた。 この日は、会社の近くを散策し隠れ家的なレストランで ディナーをとることにした。 こざっぱりしたしたお店の外観とは裏腹に、内装はしっかりとしていて 大人のディナーデートを思わせるには充分であった。

        • PHASE.5.2「離れていく距離」

          配属から2ヶ月ほどが経った秋口、再び全体研修があった。 期間にして1週間ほどである。 内定者研修の頃とは打って変わり、彼女は他のグループの 同期達とつるむようになっていた。 僕らと飲んでも1次会までしかおらず、2次会は他の グループへ行くのが頻繁になる。 2次会に出てくれなくなった彼女に対し、 理由もなくイライラしている自分がそこにはいた。 人の交友関係なので口を出す気はないし、そんな権利もない なんなら他の人達とよく遊ぶようになって、彼女を ほったらかしていたのかも

          PHASE.4「1度目の6月」

          梅雨が明けるのと同じくして、200人もの同期で行う全体研修も 終わりを迎えようとしていた。 陰鬱とした6月が終わりを迎え、暑い夏が今年も僕たちを刺激し始めた ところである。 この頃より僕は、入社前から仲良かったグループを離れ研修グループの人達と 接する機会が増えていった。 それこそ終業後にはボルダリングや休日にはドライブへ行ったりしていた。 この話は僕に限ったことではなく、JY やK もそれぞれのグループを 作り仲良くしいたようだ。そしてRI も例外ではなかった。 ー

          PHASE.2.7「私はLです。」

          この時の僕は腐っていた。 クラス変えに恵まれず、今までの様な楽しい日々が そこにはなかったのだ。 特にあの子がいたからだ。仮に彼女をLと呼んでおこう。 Lはどんな女の子だったかと言うと スラッとした出立ちに、長い黒髪、いかにも学級委員長って 雰囲気を想像してもらえると良いだろうか。 非常にお喋りな子でその甲高い声が僕は苦手だった。またちょっと 空気の読めない性格も相まって苦手に感じる人は僕だけではなかった。 例えるならば、何を話すにも「私は〜で」「私は〜だから」ってタイプっ

          PHASE.3「First Contact」

          いよいよ入社して研修が始まった。 研修は貸会議場を使って行われ同期とはこれから毎日顔を合わせて いくことになる。 終業後は当然飲みだ。この頃はまだ仲良いグループで基本的には 集まって飲み交わしていた。 時々、何人か入れ替わるが大体気の合う決まったメンバーの会だった。日々の飲み会だけでなく休日にはBBQ、スポッチャなどもよく企画していたっけな。 研修は各工程ごとにクラスを頻繁に変えていく。そうすると新しい人とも交流が増えていくので、当然自分もそうだが、仲良かったメンツで集ま

          PHASE.2「咲き誇る桜の中で」

          急に同期から電話だ。花見をしようとのこと、40秒で支度して急行だ。 先に集合していたみんなはあの子の母校を訪れていたみたいだ。僕は間に合わなかったがコンビニで乾杯をする場面で合流。 やっぱりこういう時はカゴにガシャガシャ商品を入れて男気じゃんけんだよね。 買わされるのは”パイセン”。 ということでここで登場人物の紹介をしておこう。今日の投稿で出てくる人物は 後々重要な役割を果たしていくことになる。 「僕」。この話の主人公だ。 気になる相手「RI」。この先僕は、この子に一

          PHASE.2「咲き誇る桜の中で」

          PHASE.1「Opening New Door」

          2019年7月。内定式。 明らかに髪の明るい女性を前方の席に発見。 「ちょっと初っ端から攻めすぎじゃない?笑 チャラいのか、単なる勘違い系か。 」 きっとMARCHあたりの大学と予想〜。 その後の飲み会にて初めて会話。お酒が強いタイプみたいだけど、よく人に飲ませてるな〜。面倒くさいタイプだな。笑 「それよりも他の可愛い子とお話しますか!!!」 同期に誘われプライベートで飲み会に。 男女4人で、その子がいる。本格的に話したのはこの時だったな。 意外と普通の女の子。 とりあ