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アンティークとビンテージの違い


家具に限らず、洋服などにも言えますが、

アンティーク、ビンテージの違いをご存知でしょうか?

今回はアンティークの「アンティークの定義」についてまとめていきます。



アンティークとは


そもそも「アンティーク」とは、フランス語で古美術や骨董品のことを指すそうです。

ラテン語で「古いモノ」を意味する「Antiquus(アンティクウス)」が語源。

アンティクウスと呼ばれた古代ギリシャやローマ時代の遺物が、
英国の上流階級の人たちの間で美術品や宝飾品と一緒に売買されるようになり、
その後、市民の間で家具などの古いモノにも使われるようになっていったそうです。

そういった流れもありますが、

”アンティークとは製作されてから100年経ったもの”

この定義が有名かと思います。

1934年にアメリカが定めた通商関税法で、
「100年以上の古い美術品、工芸品、手工芸品に輸入関税を課さない」と決定されたようです。

GATTやWTOもこの基準を採用したことで、
「アンティークとは100年を経過したもの」と言われるようになったそうです。

アンティークが生活に密着しているヨーロッパの諸国では、
実は「アンティーク」に対する明確な定義は存在していないようです。




ヨーロッパのアンティーク


アンティークの本場、英国のアンティークを取り扱う修復士や美術館では、
造られてから100年経っていないものでも「アンティーク」と呼ばれているものがたくさんあります。

英国の人たちが「アンティーク」に対して重要視しているのは、
デザインの歴史を継承していることみたいです。

また「100年以上」ということより、
第二次世界大戦以前の大量生産で作られていないものということを重要視しており、

そうなると、キレイな状態で残っているものはとても少ないです。

あるとすれば、美術館に展示するレベルで価格も一般の人が手が出るものではありません。

アールデコの終わりから1940年代までのものを「アンティーク」、

それ以降は「モダンアンティーク」や「ヴィンテージ」と呼んだり、アンティークの本場では逆に規定がなく表現は、結構、曖昧なようです。




完成度の高い年代



アメリカの関税基準でだと、アンティークではないのですが、
英国では1920~30年代に造られた家具のデザインが一番美しいとされているようです。

家具としての完成度が高いと言われ、

1920年以前に造られた家具は、まだ機械化が進んでいないため、
ほぼ手作業で造られていたことが大きいようです。

手作業で仕上げるには、デザインにも限界があり、
美しいデザインを作り出すことに限界があったみたいですが、

1920年以降は、手作業で全てを仕上げていた頃と比べると機械化が進んでおり、
デザインのバリエーションを作り出すことも可能になりました。

この頃より、セミオーダーやオーダーメイドも作られるようになったみたいで、

機械化が進んだことで、特長的な美しい部分を作り出すことが出来るようになった事も大きな要因です。




ヴィンテージとアンティークの違い


1950~70年代に造られた「ビンテージ」と呼ばれる家具があります。

ヨーロッパの家具でもそれまでのデザインとは全く異なり、
とてもシンプルでスッキリとしたデザインの家具です。

日本でも人気の「北欧スタイル」とか「インダストリアル」と呼ばれるデザインの家具ですが、
この年代のデザインが違う理由は第二次世界大戦が大きく関わっています。

そもそも「ビンテージ(Vintage)」とは、ラテン語で「ぶどうを収穫する」という意味。

フランス語のvendangeが語源との事。

もともとはワインを作るときのぶどうの収穫から醸造、
瓶詰めされるまでの工程を表す言葉だったのですが、
当たり年のワインのことをヴィンテージと呼ぶようになりました。

「当たり年のワインは希少価値が高くて高価」というところから、
ワイン以外でも古いもので完成度が高く、価値が高いものを「ビンテージ」と呼ぶようになります。

今では家具や車、ジーンズ、ギターなどに幅広く使われていますね。

1950~70年代に造られた家具のデザインはスウェーデンやノルウェー、フィンランドやデンマークなど、「ノルディックスタイル」と呼ばれる北欧デザインの影響を大きく受けています。

日本の古家具と言われる家具も、この年代の物が多いかと思います。

第二次世界大戦での物資不足は家具にも大きく影響しているのかと思います。

物資が少ないのもありますが、

第二次世界大戦で破壊された都市では、失った家屋を建て直さなければいけないので、

装飾が少なく構造もカンタンでコストや手間暇がかからずに、
大量に生産できるデザインの家具に変化していったのでしょうね。




まとめ


アンティーク、ビンテージというと古い物という認識はあったかと思いますが、
由来や定義も全くの別物だということが分かりました。

古い物にしか出せない雰囲気も人気の理由ですが、

このように定義や、時代背景がわかるとより興味が湧いてきますね。

個人的にも古家具には興味があります。

今見ても新鮮な物も沢山あります。

専門ではありませんが、リメイクなどのご要望があればお気軽にご相談ください。

他にも、家具についてもご要望等ありましたら、心よりお待ちしております。

それでは。



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