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恋に落ちるのなんて一瞬だ

ときめいたり、恋したり、

そんなの頭で考えて出来るもんじゃない。

いつのまにか落ちているものなんだ。


去年の夏、彼と初めて会った時色々な話をした。

その数日後またすぐに会いに来てくれた時の彼は

ちょっと恥ずかしそうに思いの外早く会いたくなってしまった言い訳をしていたような気がする。

それ以来、私が会いたいなと思ったりなんだか人肌恋しいなと思うときはいつも彼に会えた。

彼が私に会いにくる日は言われなくても
すぐにわかった。

この日もそうだった。


そんな風に言葉を尽くさなくても通じてしまう相手なんて他にだっている。

うん、そう、

いるんだ。

だからそんなに珍しい事でもない。


なのに。

10日前に会って以来、私は彼の事ばかり考えている。

咲き始めた桜の写真を送ったら

綺麗だと言ってくれて、彼も桜の写真をたくさん
撮って送ってくれた。

〝桜をみるとaoiさんを思い出すよ
一緒に見たいと思ったんだ“

と夕方の川沿いの桜並木の動画を送ってくれた。

なんだろう、、この胸が締め付けられるような感覚は。



初めて会った時からこの人は

素直で優しくて温かい人なんだろうなと思った。

会うといつも包み込まれるように優しい。

かと思えば子供のように無邪気に

ストレートに思った事を伝えて来る。


あの日、まだ2回しか会っていないのにと言った私に


〝回数じゃないよ。僕の心を持って行ったのは誰かって話でしょ“

とキスをした。


そんな事をサラっと言うクセにセックスをした後

カフェでお茶した時には横を向いて座って

そんな目で見つめられたらドキドキして

恥ずかしくて目を合わせられないと言う。



もう恋なんてしない、出来ない。

そんな風に思っていた私は戸惑う。

そして、この温かさがなくなった時の事を思って

自分のこの気持ちが、

なんでかわからないけど泣きそうになる今の気持ちが

どうか恋ではなく、

勘違いであって欲しいと願ってしまう。




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