夜光の国ファンタジー #毎週ショートショートnote
純一はソジュンと初詣に出かけた。
「イェー!ダイキチだよ。ヒョンは?」
「大吉!」
その時おみくじはピカッと光を放ち2人は転げるように谷底へと堕ちていった。
「ソ、ソジュン…ケンチャナ?」
「ダ…ダイジョウブ。ヒョンは?」
「大丈夫だよ…あれは?波の音?」
ザーンザーン…
青く眩しい浜辺には、歌いながら貝を切り出す人たちがいた。
「兄ちゃんたち、南風にのって来たのね?」
「ハ…エ…?」
2人は顔を見合わせた。
「これ飲んでごらん。出来立てのヤコウグァイの汁は美味しいよー」
「ウ、ウマイ!」
「でしょう、南風の船の人たちは貝殻だけ持って行くからねー貝の中身を残すって不思議だよネーおかげでいらない貝殻を買ってくれて美味しい貝を食べられるからネー」
「ここは…?」
「イヤクシマのフワガネツの浜よー」
「もしかして1300年前飛鳥時代の奄美の小湊フワガネツに来ちゃったの?!」
古代史を研究している純一は嬉しそうな声を上げた。
島の風が優しく吹いていた。
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