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年老いた公園のコザクラインコ


カルガモのいる親水公園のボート乗場のそばに鳥小屋があります。
中にはセキセイインコ、オカメインコや、コザクラインコが数羽います。
専門家が見る動物園などとは違い、かなり大雑把な飼育で冬でも暖房器具がありません。インコにとって生きていくには相当厳しい環境で、昔はもっとコザクラやボタンインコもいましたが冬を何度か超えるといつの間にかいなくなってしまいました。コザクラインコは今では1羽しかいません。灰色の人懐っこい可愛いインコです。

人が檻に近づくとすぐ羽ばたいてぴったりと金網越しに寄り添います。当然人に長い間飼われていたインコです。もともとこの鳥小屋にいたのではありません。

ある日、鳥小屋の前に鳥かごが置かれており、中にはつがいのコザクラインコがいたそうです。いまいる灰色インコがそのうちの1羽です。随分とひどい話ですが、事情があったのでしょう。飼い主が亡くなってしまい、インコの処遇に困った家族か親戚が置いたのでしょうか。


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つがいのインコはいつもくっついて元気でしたが、そのうち大きいほうのインコはいなくなり一人ぼっちになりました。時々遠くを見つめているのは昔を思い出しているのでしょうか。見た目もだいぶ年老いてきて、たまにいなくなるのは体調不良で病院に連れていかれるからです。今度の冬はさすがに越せないかもしれません。

一度人に愛され可愛がられた鳥が一人ぼっちで死んでいくのは少々せつないですね。長生きしほしい。


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2022年5月


#コザクラインコ #インコ #ペット #エッセイ

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