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【神話 is Forever】デューン 砂の惑星PART2ネタバレあり感想&徹底考察

どうもTJです
今回は3月15日公開の「デューン 砂の惑星 PART2」を今更ながらネタバレありでレビューしていく
現在SF作家としてトップを走るデュニ・ビルヌーブだが、実写化不可能と言われたDUNEの大看板を前にして何を描き、何を成し遂げたのか
早くも2024年の代表作となることが確定している一本を徹底レビューしていきたいと思うので、是非とも最後までお付き合い願いたい

あらすじ・キャスト

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる

映画.comより引用

監督は「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ
主演は前作に引き続き中性的な雰囲気を醸し出すティモシー・シャラメ
その他、レベッカ・ファーガソンやオースティン・バトラー、フローレンス・ピューなどまさしくハリウッドの最前線にいる超豪華キャストが集結した

IMAXだからこその映像的圧力

今作は初めて全国に2つしかない大阪のエキスポシティに鎮座するIMAXフルスクリーンで鑑賞したが、これがとてつもなく凄まじかった
ビル6階建てに相当するスクリーンからは、まるで砂嵐とスパイスがこっちまで溢れ出してしまうような映像的な圧を感じる
またIMAXのフルスクリーンは1.43:1という正方形に近い画角が映し出されるのでより人物アップの部分でも迫力を感じられる
今作でデュニ・ビルヌーブは単純な戦闘シーンだけではなく、人物描写の場面でもIMAXの可能性を拡張することに成功したのだ

もちろんIMAXでなくても今作の映像的な圧力は凄まじい
特筆すべきなのは宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサの残虐シーンで、これをまさかのモノクロで描くという映像センス
「ボーダーライン」時にも暗視ゴーグル越しの映像を見せるなどしてオーディエンスを驚かせてたが、DUNEという大量の原作ファンを抱える超大作でも厭わずに自分の色を巧みに融合させたドゥニ・ビルヌーブの手腕には感服せざるを得ない

映画「ボーダーライン」(2015)より

ポールは英雄か?

映像的な凄さは語りまくったので、今度はようやく内容の方に入っていきたい
今作を読み解く上でのキーワードは支配になると思う  

物語は、前作からのキーパーソンであったチャニとの恋愛を積み上げから幕をあげる
ここの砂漠をバックにした2人の姿はどこを切り取ってもポストカードになりそうなほど美しい
また母親を教母になるためと称して一時退場させたことで観客はよりチャニとの恋愛に集中することもできる

映画.comより引用

その後、ポールは救世主(リサーン・アル・ガイブ)への道を進むかどうかを葛藤しつつも、結局はチャニの頼みもあって救世主になるため南部に向かう
しかしここで思い出してほしいのが、砂漠での修行を終え、フレメンの戦士として認められるシーン
そこでは父親からの指輪を外すという象徴的なシーンがあったが、これは支配からの脱却を意味する
前作から布石として示されていた従来の支配からの脱却をようやく果たしたポールだったが、今度は母親からあなたは救世主になりなさい、という新たな支配を植え付けられる
一度、レールから離れたと思いきや、またしても母親が用意したレールに乗ってしまうことになるのだ
しかもそのレールの帰着する先は、自らが支配の主導を握ることだった
だからこそ、観客はこのままポールが救世主になってもいいのかという不安な気持ちに駆られる
その目線はチャニと同様に…

神話 is forever

それでもレールに乗った列車は止まらない
救世主、リサーン・アル・ガイブになることを決意したポールに、民衆たちは熱狂
ポールを先頭に、皇帝とハルコンネン家との全面戦争の口火は切られることとなる

異性からの誘いにだけは弱い最恐ヴィランフェイド・ラウサとの一騎打ちに勝利したポールは戦争を勝利へと導いた立役者に
ここでポールの神話が誕生し、彼は正真正銘の救世主となる
しかし神話というのは従来からの支配への解放を描く一方で、自らがその支配の対象として利用されるものだ
ポールも同様に、良い意味でも悪い意味でも、自らが皇帝としてアラキスの地の支配権を握ることとなるのだ

PART1、PART2で分かったこと
それはDUNEというのは神話の誕生譚だったということだ
しかし神話は終わらない、ポールは領主連合との戦い、そしてこの神話を認めないチャニとの向き合いに迫られることとなる
PART3、またしてもこの先が気になる所で終わりを迎えることとなった

映画.comより引用

総評

最後に総評を
TJ的評価は⭐︎4.5/5
4.5部分に関してはここまで散々語ってきたのでここでは-0.5部分について
まずポールが救世主となるまでの葛藤が少し冗長に感じた
また命の水を飲んで、母とポールは実はハルコンネン家の子孫だった!という判明するシーンはそこまでの驚きなどは個人的に感じなかった
そもそもDUNEの原作を読んでない自分としては、クウィサッツ・ハデラックの目的がまだ完全にピンと来ていないこともあるのだが…
とは言ってきたが、人類が到達したことのない映像体験を体感できるだけでも見る価値は十二分にあり
できればIMAXのフルスクリーンで見て頂ければ、この映画の面白さを120%搾り取って味わえることができると思う

ということでいかがだっただろうか
今後もこのような感じで新作、旧作問わず映画レビューしていく予定なのでスキ、フォロー、コメントなど是非
今後の投稿のモチベーションにもなります
では!

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