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【官報】官報の発行に関する内閣府令のパブコメ実施(締切:8/29)

本稿のねらい2024年7月25日、内閣府は「官報の発行に関する内閣府令」(内閣府令)を公表し、パブコメの実施を開始した。締切は2024年8月29日である。 以前、内閣府に設置された「官報電子化検討会議」がとりまとめた「官報電子化の基本的考え方(案)」について紹介したが、その後2023年12月6日に「官報の発行に関する法律」が成立し、同年12月13日に公布された。施行は公布日から起算して1年6月以内の政令で定める日とされている。 本稿は、内閣府令の内容のうち、特に電子官報

    • 【労働】カスタマーハラスメントにかかる法令等整備−使用者に対策義務が!?

      本稿のねらい2024年7月19日付けで開催された厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」(厚労省検討会)の第10回会議において、報告書の素案(報告書素案)が公表・議論され、その中に、いわゆる「カスタマーハラスメント」(*)を含むいくつかのハラスメント(**)への対策が盛り込まれた。 *個人的には、「○○ハラスメント」というふんわりした表現は本質をボヤけさせることから好みではない。カスタマーハラスメントは威力業務妨害又は偽計業務妨害等であり不法行為であるが、

      • 【3年ごと見直し】プライバシー強化技術(PETs)のゆくえ

        本稿のねらいことの発端 以前の記事に書いたとおり、2024年6月27日、個人情報保護委員会(PPC)は、第292回個人情報保護委員会配布資料として、個人情報保護法(APPI)に関し、いわゆる3年ごと見直し(第二次3年ごと見直し)にかかる「中間整理」(本中間整理)を公表し、かつ、パブコメを開始した。締切は7月29日。 本中間整理の内容について整理していたところ、2024年7月22日付けで、Googleが進めてきた "Privacy Sandbox" という、3rd Par

        • 【生成AIと著作権】生成AIを活用した検索サービスによる著作権侵害!?

          本稿のねらい2024年7月17日、一般社団法人日本新聞協会は、「生成AIにおける報道コンテンツの無断利用等に関する声明」(本声明)と題する主張と要求を公開した。 本稿は、本声明の内容を整理し、本声明の主張や要求について是非を述べるというのではなく、本声明を題材にして、特に生成AIを活用した検索と著作権の論点に焦点を当てて筆者なりの考え方を示すことを目的とする。 本声明の整理本声明が問題視しているのは次のとおり大きく2点であり、1つは著作権侵害、もう1つは競争法上の懸念に

        【官報】官報の発行に関する内閣府令のパブコメ実施(締切:8/29)

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          【個人情報】GIGAスクール構想における教育データの帰属・管理主体など

          本稿のねらい筆者が調べたところ読売新聞のみが報じているが、2024年7月14日付けの読売新聞オンラインに次の2つの記事が掲載された(2つに分かれているが同じ題材である)(本事案)。 本事案の概要は次のとおり。 リクルートが学習用端末にインストールされたアプリ(スタディサプリ)を経由して小中学生の氏名や学習履歴等の個人情報を直接取得・管理 取得された個人情報の一部は、海外の事業者に委託されたり、一般向けに販売しているアプリの機能改善に活用されていた スキームとしては、

          【個人情報】GIGAスクール構想における教育データの帰属・管理主体など

          【ストックオプション・プール】産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関する省令案等公表・パブコメ開始

          本稿のねらい2024年7月16日、経済産業省は「新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律」により改正した産業競争力強化法の省令案及び告示や指針、審査基準の案を公表し、パブコメを開始した。 その中で、ストックオプション・プールの大臣確認の対象となる、「省令要件」(産業競争力強化法第21条の19第1項)に関する「産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関する省令(案)」(省令案)と「産競法第21条の19第1項に規定す

          【ストックオプション・プール】産業競争力強化法に基づく募集新株予約権の機動的な発行に関する省令案等公表・パブコメ開始

          【株式報酬】株式報酬の発行環境を改善する会社法・金融商品取引法制の見直し!?

          本稿のねらい2024年6月21日、政府は規制改革実施計画(2024年規制改革実施計画)を定め、その中で「スタートアップの更なる成長」「海外活力の取り込み・内外人材活用」という文脈において、「株式報酬の発行環境を改善する会社法制・金融商品取引法制の見直し」として次の3点の実施を計画した。 従業員等に対する株式報酬の無償交付を可能とする会社法の見直し 株式報酬の発行円滑化に向けた金融商品取引法制の見直し ストックオプションプールの実現に向けた産業競争力強化法の見直し

          【株式報酬】株式報酬の発行環境を改善する会社法・金融商品取引法制の見直し!?

          【銀行法】規制緩和に関する銀行法施行規則等改正(2024年6月28日パブコメ開始)

          本稿のねらい2024年6月28日、金融庁が「銀行法施行規則の一部を改正する内閣府令(案)」(本改正案)を公表し、同年7月29日までのパブコメに付した。 丁度1年前の今頃、趣旨がよくわからない規制緩和のための銀行法施行規則等の改正につきパブコメを実施していたが、毎年恒例なのかもしれない(「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」の回答次第ではあると思うが)。 【参考】上記記事で紹介した規制緩和は2024年5月18日から施行(なんとパブコメ実施から約1年経過してい

          【銀行法】規制緩和に関する銀行法施行規則等改正(2024年6月28日パブコメ開始)

          【3年ごと見直し】2024年6月27日付け「中間整理」のパブコメ開始(前編:APPIのあるべき姿をOECD原則等から考える)

          本稿のねらい2024年6月27日、個人情報保護委員会(PPC)は、第292回個人情報保護委員会配布資料として、個人情報保護法(APPI)に関し、いわゆる3年ごと見直しにかかる「中間整理」(本中間整理)を公表し、かつ、パブコメを開始した。 今回の3年ごと見直しに限らず、PPCの仕事ぶりにはその場しのぎ感やツギハギ感があり、一貫した理念が見出だせない。 そろそろAPPI(*)の目的は「個人データの濫用的処理」による個人の権利利益の侵害を抑止することであると真正面から向き合っ

          【3年ごと見直し】2024年6月27日付け「中間整理」のパブコメ開始(前編:APPIのあるべき姿をOECD原則等から考える)

          【役職員向け株式報酬】上場会社等の機関決定にかかる重要事実の軽微基準に株式報酬としての株式発行等にかかる一定の決定が追加!?

          本稿のねらい2024年6月14日、金融庁は「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」(本改正案)につきパブコメ募集を開始した。 これは、次のとおり、上場会社等(金融商品取引法第163条第1項参照)の業務執行決定機関による株式報酬としての株式発行・自己株式処分・新株予約権発行(株式発行等)にかかる決定のうち(同法第166条第2項第1号イ)、一定の要件を満たすものをインサイダー取引規制における重要情報の軽微基準として追加するものである(有価証券の

          【役職員向け株式報酬】上場会社等の機関決定にかかる重要事実の軽微基準に株式報酬としての株式発行等にかかる一定の決定が追加!?

          【2024年10月1日施行】代表取締役等住所非表示措置(商業登記規則改正)

          本稿のねらい2024年4月16日付けで公布された商業登記規則等の一部を改正する省令(本改正)により、いわゆる代表取締役等住所非表示措置に関する制度が創設されることになり、同年10月1日から施行される。 なお、2023年12月26日に開始されたパブコメの概要資料においては、2024年6月3日の施行が予定されていたが、どういうわけか施行日が遅れ、10月1日施行とされた。 以前パブコメ開始直後に記事を書いているが、本稿では、パブコメの内容を拾いつつ、改めて代表取締役等住所非表

          【2024年10月1日施行】代表取締役等住所非表示措置(商業登記規則改正)

          犯罪対策閣僚会議:本人確認強化が鍵に!?(公的個人認証への一本化など)

          本稿のねらい2024年6月18日、政府の犯罪対策閣僚会議が「国民を詐欺から守るための総合対策」(総合対策)という文書を公表した。 これは、過去数年にわたり対策が検討されてきた詐欺事案に対する「総合対策」であるが、特に与党議員の名を騙るSocial Media上の詐欺により、ようやく本気になったものと思われる。 総合対策は次の4つの項目により構成されているが、筆者の興味はもっぱら本人確認強化の部分である。 「被害に遭わせない」ための対策 「犯行に加担させない」ための対

          犯罪対策閣僚会議:本人確認強化が鍵に!?(公的個人認証への一本化など)

          【2024年11月1日施行】フリーランス新法への対応

          本稿のねらい2024年5月31日、同年4月12日から行われていた「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(案)」等に関するパブコメの結果が公表された(パブコメに関しては以前の記事を参照)。 その中で、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の施行日が2024年11月1日とされることもわかった(政令第199号)。なお、当然のことではあるが、フリーランス新法の各規定はその施行後に行われた業務委託等を対象とする(ただし、施行前に行われた業

          【2024年11月1日施行】フリーランス新法への対応

          【AI】AI事業者ガイドライン

          本稿のねらい経済産業省に設置された「AI事業者ガイドライン検討会」及び総務省に設置された「AIネットワーク社会推進会議」が、2024年4月19日付けで「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」(本ガイドライン)を取りまとめた。 これは、次の各ガイドラインを見直しの上で統合するイメージである。 2017年7月28日付け制定「国際的な議論のための AI開発ガイドライン案」 2019年3月29日付け制定「人間中心のAI 社会原則」 2019年8月9日付け制定「AI利活用ガイ

          【AI】AI事業者ガイドライン

          【AI】EU AI Actが2024年3月13日欧州議会において採択!?

          本稿のねらい2024年3月13日、足掛け3年近い歳月を要し、欧州議会(European Parliament)がArtificial Intelligence Act(AIA)を採択した。 AIAは、その第113条に従い、2024年5月から7月にかけて官報("the official Journal")に掲載され、掲載から20日後に発効し、原則として発効日から2年で施行されるが、禁止AI("Prohibited Artificial Intelligence")や汎用AI

          【AI】EU AI Actが2024年3月13日欧州議会において採択!?

          【電子署名】電子署名法第3条関係Q&Aが改定!?

          本稿のねらい2020年9月4日付けで総務省・法務省・経済産業省が連名で公表した「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A (電子署名法第3条関係)」(電子署名法第3条関係Q&A)は非常に有名であるが、これが2024年1月9日付けで一部改定されていたことを最近認識した。なお、現時点では、電子署名法の所管はデジタル庁に移管されている。 これは、2023年5月8日における規制改革推進会議共通課題対策ワーキング・グループ

          【電子署名】電子署名法第3条関係Q&Aが改定!?