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生きるということは…どこにむかっているのか


あくまでこれは私個人の考えです


父の葬式の時
檀家の坊さんが
「人は皆生まれた瞬間から死にむかっているのです」
と言っていました

私の父は急死だったので
死を受け止めることも不十分なまま
自分の気持ちの整理もつかないまま
すぐ葬式だったので
何故坊さんがそんな話をするのか
よくわからないままでした


死にむかって生きている

これをきちんと頭で理解して生きている人は
どれくらいいるのでしょうか

毎日楽しいことや喜びを感じていると
今の幸せがずっといつまでも続く
ずっといつまでも続きますように
なんて思うのは
私だけではないと思います


いろいろな人の死の場面をみてきましたが
ご家族が
現実を受け入れられない
という場面がたくさんありました
今もあります

こないだまで元気だったのに。
こないだまで歩いていたのに。
まだ生きていてもらわないと。
まだまだ長生きしてほしいのに。
100歳まで元気でいてもらわないと。

いつごろまでもちそうですか?
あとどれくらいですか?
えー?そんな!急に。困ります、今からすぐ病院に連れて行ってください。
今死なれたら困ります。
今仕事中なのですぐ行けません、
でもなんとかしてください。
終わったらすぐ行きますから。
まだしてやりたいことたくさんあるんです。
もう頑張ってもダメということですね。

これらは
もうすぐ最期の時を迎える方のご家族から言われた事です。
久しぶりに会って
またはしばらく会わない間に、
というシチュエーションですが。




どう感じますか?

命はスマホのバッテリーのように
残量がわかりません

誰かの都合に合わせてとか
どんな医療でもどうにもならない場合もあります


そんな事あたりまえだ、と思うでしょうが
実際大切な人がなくなる時は
みなさん大抵パニックになって
さっき書いたような事をおっしゃいます

もちろんそういう私も
父が亡くなる時同じ事言っていたように思います
「えー、ちょっと待ってください…急であの…」
などと言ったような記憶があります


今わかることは

私達人間はもう既に
死にむかって歩き出しているということ
限りある命は
いつ終わりが来るかわからないこと
その時間は自分の思いどおりにならないこと


だから限りある時間
今この瞬間をどう生きるか

今からでも
いつかわからないけど
死というさよならが来る事を
頭の片隅や心の中に入れておくようにして
行動する

自己満足でも
自分はこれだけやった、してあげた、
とおもう事
それが大切な人との別れの時に
落ち着いて死の現実を受け止められるように思います



してあげたい事は今やりましょう
やりたいことは今やりましょう
残りの時間ははっきりわからないですが
大切な人との時間を一緒に過ごすことが
大事です

大切な人の最期の時には
してあげたかったサプライズ的な事はできなくてもいいと思います

普段恥ずかしくて出来なかった言葉がけをしたり
手を握ってあげたり
さすってあげたり
なでてあげたり

みんなでおしゃべりしたり
ごはんを食べたり
いつもどおりの日常の様子でそばにいてあげる
これが一番いいような気がします

身内がいないお一人の方が
意識がなくなりそうな時
声をかけながらそばにいた事があります
周りがガヤガヤしていたので
うるさいので扉を閉めましょうか?と尋ねると
「みんなの声が聞こえるほうがいい
 安心するわ」
と仰ったことがありました。
薄れる意識の中で一人ではないと
穏やかに目を閉じられたことがあります



命は永遠ではありません
スマホのようにバッテリーを交換する事も
充電することもできません

50年も生きれば体の各器官は傷んできます
治りが遅くなります
20代を過ぎれば体は老化していきます
小さな子供のころのように
頑張ればできるようになる
ということばかりでははないのです
だからみんな
現状維持できるように努力しているのです

素晴らしい薬や栄養、治療を受けても
それを受ける体が受け止められなければ
だめなのです

だから死に直面する人にできる事は
最後の時を穏やかな気持ちで
苦しみや痛みがなく
眠るように楽に過ごせるように

家族や大切な人には
後悔が残らないように少しでも一緒に過ごせる時間を設けること
死を受け入れる時間を作ること
そんな事しか出来ないように思います



死にむかって進んでいる
うまれて生を受けた以上
これはもう変えられない事


未来がないように思いますか?

それとも今の時間を大切に
どう生きるか考えるきっかけになったでしょうか?


人が生まれて死ぬまでに
過ごす時間は今一度だけ
巻き戻しはできませんが
これからもう一度やることはできます
その過程や結果が自分の理想的な形でなくても
やったという事実を自分で認める事はできます

忙しい…
忙しい毎日の中で
死に向かうまでに
いつかじゃなく
わざわざ時間を作って
大切な人と同じ時間を共有しておくこと

今できること
今しかできないこと
ではないかと思います













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