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怒りと呼吸と涙と笑顔

次男から
「欲しいものがあるから買い物に連れて行って」と
要求があった

次男は
お金の使い方を制限できない
欲求のままお金を使い果たし
挙句の果てに
他の人のお金を当てにしてしまう


お正月にもらったお年玉
いったん親に預けたが
使いたい

でも
「お年玉は1年間で上手に使う」が
我が家のルール

例えば
家族旅行のお土産代
夏祭りに自由に使えるお小遣い
毎月のお小遣いでは間に合わず
どうしても欲しいものがあったときのお金
といった感じで使うようになっている

だが
次男はあればあるだけ使ってしまい
後で後悔してばかり

それを
本人以外の家族はみんな知っている


じゃあ
お金の計画を立てよう
そして
使うだけではなく
貯められるように計画してみよう

次男と一緒にノートに書きだした

もらったお年玉の金額
家族旅行のために残しておく金額
夏祭りのために残しておく金額

今欲しいと思っているものの予算額
毎月のお小遣いの額
実際に毎月いくら使えるか
毎月いくら残せるか

具体的に相談して書き出し
「これならやっていける」と次男

そのためには
無駄遣いはできない事
ほしいものがあっても
よく考えて計画を立て直すことが
大事だということを話し合った

話し合いで決めた
ほしい物の予算の金額を財布に入れて
いざ買い物へ

しかし
次男が欲しかったものは売っていなかった

手元にお金はある
なのに
何も買えない!!
というのが次男の心境

「また今度探しに行こう」と提案しても
全く耳に入っていない


次男の視線は
ゲームセンターに向いていた

「クレーンゲームしてくる」

「え?」
「ちょっと待って。
今お財布に入っているお金は欲しいものを買うためのお金だよね?」

「いいの!ゲームしてくるの!」と
次男はゲームセンターに向かった

その後ろを
そっと長男がついていった

私はがっかりと怒りで
ゲームセンターに向かう気になれず
エスカレーター近くの壁際で
距離を置いて待つことにした

10分・・・20分・・・30分
まだ戻ってこない

時々見える子どもたちの様子を見て
時計を見て
沸々と怒りが沸き上がるのがわかった

でも
自分のお金をどう使うかは自分の責任
親が干渉することではない
助言はしたけれど
決定するのは本人


私は
その場で大きく深呼吸をした
何度も何度も深呼吸をして
「過干渉はいけない」と
言い聞かせた


ようやく
2人が戻ってきた

次男の表情が暗い

「これは全部使い果たして成果なしだな」と
思っていたら
長男が
「お金使わないでこれたよ」と
やさしい口調で教えてくれた

そのとたん
次男の目から涙・・・涙・・・

「我慢できたんだ、かんばったね」
「これで今度、欲しいもの買いに行けるね」と
頭を撫でて褒めたけど
次男の中には
「お金を持っているのに使えなかった」という気持ちが
強かった様子

車で帰宅中
次男は一人で深呼吸を始めた
私は
それに気づかないふりをして何も言わずにいた

ようやく次男が落ち着いてきて
「お金使わなくてよかった」と一言

冷静になればわかるんだよね・・・
欲求が強いと後先考えられずに
いつも損をしている
後悔する前に気づけるようになってほしいな
と思う


帰り道
本屋に立ち寄った

誕生日プレゼントでもらっていた
図書カードで
大好きな「ゴッホ」の絵画集を買った
これは
衝動買いではなく
何度も何度も吟味して購入していた

そして
満足そうに笑顔を見せ
ページを開いて眺めていた


買い物の数時間の間で
次男の心の中の葛藤
そして決断
大変だったけど
自分で気持ちの整理ができるようになっていたことに感動した

私自身も
沸き上がった怒りを深呼吸で抑え
笑顔で話ができた


2人で少しずつ成長しているかな?
深呼吸ってすごいと再度実感した数時間でした

最後になったけど
長男の冷静な優しさ
弟思い
親思いのとってもいい男に成長していた
それも
涙物の感動でした 「ありがとう」

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