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独断でつけた2021年1月期ドラマランキング14位〜10位

2021年1月期のドラマがようやく全て最終話を迎え、自分なりにランキングをつけてみた。

全てのドラマを制覇することは出来なかったものの、こうやって並べてみると全部で16本もの作品を観ていたことがわかり、自分史上最多となるシーズンであったことに驚きを隠せないでいる。

どれも個性豊かで楽しめた作品ばかりで、ランキングといってもほとんどあまり差のない微妙なものだ。

あくまでも54歳の今の私が独断でつけたランキング!

まずは14位から10位まで。

●第14位『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』

脚本・田辺茂範
原作・なし
主演・上白石萌音
平均視聴率・11.6%

初回から視聴率11.4%を記録するなど同枠で2作ぶりに二桁スタートを切り、世界トレンド1位になるなど反響が大きかった。

2020年1月期の上白石萌音・主演で放送された『恋はつづくよどこまでも』のスタッフが再集結して制作されたオリジナル脚本。

「人並みの生活と幸せが得られれば十分」と考えるごく普通の女性、上白石萌音演じる主人公が、「普通」に甘んじてばかりではいけないことを痛感し、少しずつ成長を遂げていくストーリー。

田舎から上京し、慣れない土地で恋も仕事も一生懸命していくにつれ、それまでなかった自分の夢が確かなものになっていく。

初めは少し、アメリカ映画『プラダを着た悪魔』を匂わせる部分も感じられたが、東京大手出版社のファッション誌の編集部という、今までそれほどドラマでは利用されなかった舞台がリアルに描かれていて、観ている方も楽しかった。

あと以前実際にジストニアにかかったピアニストの話を書いたこともあり、倉科カナ演じるプロのヴァイオリニストがジストニアで悩むシーンもリアルだった。

●第13位『ドリームチーム』

脚本・吉澤智子
原作・なし
主演・山口紗弥加
平均視聴率・ 不明

「ファーストラヴ」、「初めて恋をした日に読む話」などを手掛けた吉澤智子がオリジナル脚本で描く人生逆転劇。

コメンテーターとしても活躍する大学教授の夫と娘に囲まれ順風満帆な生活を送っていると思われていたが、実際は夫からモラハラとDVを受けており、さらに夫がセクハラとアカハラで週刊誌に報じられたため、ステキ主婦から不憫な妻へ転落した山口紗弥加演じる主人公。

突然の左遷に加え年下彼氏の浮気発覚に沈む財前直見演じる大手広告代理店勤務のバリキャリ。

SNSの中でキラキラした女子を取り繕い称賛を得ることが何よりの楽しみだったが、盛ったことがばれてSNSが大炎上してしまう桜庭ななみ演じる実は実生活は地味な女子。

高校時代のバスケ部の恩師のお別れ会に集まった元キャプテンの3人。
恩師の妻の一声で、恩師の息子と主人公の娘を含め6人の共同生活が始まり、専業主婦だった主人公が周りの人達の協力を得て、再出発を試みるというストーリー。

最終話最後の娘のピアノの発表会のシーンはとても感動。
大人の事情に振り回されながら、大丈夫?と聞かれても大丈夫と答えるしかなかった娘。
課題曲を弾くことは出来ず『365歩のマーチ』を楽しそうに弾くシーンが涙を誘った。

3人は女子バスケットボール部の寮に会社〝 Dream Team Again Inc. 〟を設立する。

昔から恩師がよく言っていた「信じて走れ」という言葉。
「信じて走れって、何を信じて走るんですか?」と恩師に聞く主人公。
「わからん。正解なんてないからなぁ。自分で信じると決めたことがあれば、多少しんどくても走れる」
そう答える恩師のこの台詞が深い。

●第12位『その女、ジルバ』

脚本・吉田紀子
原作・有間しのぶによる漫画
主演・池脇千鶴
平均視聴率・ 不明

原作は第23回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品。

大手百貨店をリストラされた池脇千鶴演じる40歳の主人公が、平均年齢70歳という高齢ホステスのバーで働くことで生きる喜びを謳歌する人生賛歌のストーリー。

正直このドラマは観るつもりではなかったのだが、スマホのニュースで池脇千鶴さんが話題となっているのを見て、2話から観始めた。

池脇千鶴さんの実年齢は39歳。あまりドラマでは見かけない女優さんで、このドラマでは等身大の役を演じている。
2018年の映画『万引き家族』以来見ていなかったような気がするが、このドラマは9年ぶりの連ドラ主演であり、民放連ドラでは事実上の初主演だそうだ。

江口のりこさんの演技も好きだ。
彼女は今一番引っ張りだこな女優さんで、この『その女、ジルバ』では強気で孤独なOL役に、『僕だけがいない街』では子供を虐待する母親役に、『俺の家の話』では長瀬くんの妹役で少しコミカルなキャラをそれぞれ熱演している。

最終話でのくじらママの台詞が印象的。
「命さえあればなんとかなる。だから前を向いていきましょう。振り返らずに前だけを」

ジルバとアララの関係性が全くなかったのが少し残念な点。どうも深読みし過ぎたようだ。

最後に流れたスタッフからのメッセージ『明日からの日々、共に楽しみましょう』も素敵な演出であったように思う。

●第11位『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』

脚本・橋部敦子
原作・なし
主演・小芝風花
平均視聴率・ 不明

関西テレビ制作・フジテレビ系で放送された草彅剛主演の『僕シリーズ』を筆頭に、数々のヒューマンドラマを手掛けてきた橋部敦子が初めてテレビ朝日系で手掛けるドラマ。

一番最後に(これを書いている直前!)見終わったドラマ。
エンディングで流れる GENERATIONS from EXILE TRIBE の「雨のち晴れ」という曲も素敵だ。

小芝風花演じる主人公・萌子美には、感情を持たないとされているモノの気持ちがわかってしまうという繊細な感覚があった。
幼い頃はこの感覚を隠すことが出来ず、モノの気持ちを代弁することで、周囲との間に波風を立てることも少なくなかった。

そんな娘をもった富田靖子演じる母親の気持ちも少しわかる気がする。とにかく心配なのだ。

最終話。
萌子美の相棒トミーが居なくなった時に、助けが必要な木があることを知った萌子美は樹木医を志すことを決め、家を出ると家族に話す。

一人暮らしを反対する母親に萌子美は
「お母さん、結局何も変わっていない。怖いけどやってみようとしてるのに、また不安になるようなことばかり言って。お母さん、今まで何かやったことある?やったことないのにそういうこと言われたくない。教師を諦めたのも全部おじいちゃんのせいなの?本当にやりたかったら、やってたんじゃないの?」
と言い放つ。

最後ギクシャクした母親に対しそっけない態度を取って別れたが、車を止めてもらい引き返す萌子美。

「私、今は生まれてきて良かったって本当に思っているから。毎日美味しいご飯作ってくれてありがとう。22になっても美味しいお弁当作ってくれてありがとう。お母さんの子供でよかった」

「お母さんも萌子美のお母さんでよかった。ありがとう」

ふたりが泣きながら抱き合うシーンがとても感動的であった。

萌子美の成長とともに家族も成長し、それぞれの新たな人生を再スタートさせる。

このドラマで小芝風花は見事に萌子美の成長を演じきったと感じる。

ドキュメンタリードラマ『パラレル東京』で強気のテレビアナウンサーを演じていたが、その時のイメージとは正反対の役であったため、正直彼女の実力に驚かされたドラマであった。

●第10位『書けないッ⁉︎〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜』

脚本・福田靖
原作・なし
主演・生田斗真
平均視聴率・不明

福田靖によるオリジナル脚本作品。
福田靖といえば『HERO』や『ガリレオ』など、数々の作品でヒットを連発している脚本家。

生田斗真演じる主人公・吉丸圭佑は脚本家でありながら仕事の依頼がなく、家族のために家事全般を担っており、一方吉瀬美智子演じる妻・奈美は小説を執筆する売れっ子作家。

ある日ドラマのメインライターが急遽降板したことから、ゴールデンタイムの連続ドラマの脚本のオファーを受ける吉丸圭佑。

ドラマの脚本を書くことがいかに大変かがわかったドラマだった。
小説とは違い、脚本というのは自分の好きなように書けないことを初めて知った。

ドラマの中で登場する大学生で家庭教師役の菊池風磨や、謎の「ツルツルの男」役の浜野謙太、注文の多いイケメン人気俳優役の岡田将生らが、さらに笑いを添えていたように思う。

最終話。
無事ドラマを書き終えプロデューサーに聞く吉丸。

「僕は才能はあるんでしょうか?」

そんなことわからないと言いながらも、
「10年後だな。君が10年後もちゃんと仕事をやっていれば、吉丸圭佑は才能はあったってことになるんじゃないの?」
と答えるプロデューサー。

この言葉が深い…。

※最後まで読んでいただき有難うございます!

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