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松浦弥太郎さんの新刊『50歳からはこんなふうに』

松浦弥太郎さんの新刊『50歳からはこんなふうに』のターゲットがアラフィフのせいか?文字数もページ数も少ないうえに行間も大きく、配慮して作られているように思った。

そして、内容が冒頭から「まさに、同じことを思っていた!」と思い、驚きました。

松浦さんは私より10歳上ですが、この思いは思春期のように誰もが通過する感情なのかもしれません。

僕のコンセプトは、「面白く、楽しく、好きなように」。
まるで子どもみたいに、わんぱくなコピーだと笑われるかもしれません。でも、そこがいいんじゃないかと気に入っています。そう、子どもでいいんです。
 理想は、10歳のころの自分のように生きること。打算も計算もなく、目の前にあるおもしろいことに夢中になって、日が暮れるまで遊んで、「なんだってできるさ」と自信満々。とにかく今日を楽しむ。嫌なことがあっても明日には忘れる。10歳の男の子って、そんな元気な生き物です。

『50歳からはこんなふうに』(松浦弥太郎/ディスカバー・トゥエンティワン)


この年齢になると、子どものころのようにおもしろいことに夢中になって、遊ぶように楽しく生きたいと思うようになるのですね。

それは人生の折り返し時点ともいえる50歳になり、残された人生をより強く意識するからでしょう。



本書では、「大人のあたらしいがんばり方」として、その方法や気づきを一つひとつ具体的に書かれているのですが、個人的に一番心に残ったのは

“自分の中にたまっている「埋蔵量」を意識する”

の章です。


AIが仕事のほとんどをこなすようになっていく世の中で、「どうしたら、その人にしかできないこと」が見つかるのかと考えた松浦さん。

そこで気づいたことは
「年齢を重ねることがアドバンテージになる時代へどんどんなっていくのかもしれない」
というでした。

それは、年齢を重ねることで経験の数や知識、技術の量が積み重なっているということ。

その「埋蔵量」を意識して、何が自分の中に一番積み重なっているかを見つめ、発見することが「自分にしかできない何か」との出合いになり、この先の人生を支えてくれるものになるという希望になったという。

本当にそうだなぁと、心底同感しました。
AIの進出や年を重ねることによる不安がいろいろあるだけに、確かに希望になりますね。

実際、昔できなかった事や知らなかった事が今は出来るようになったり、辛いときの対処法やセルフケアもできるようになりました。


このほか、本書では、これからの生き方、働き方、楽しみ方、学び方、人や社会との付き合いについても具体的に触れているので、アラフィフのみならず50代の方にもおすすめです。

松浦さんの本の魅力は、何度も繰り返し読みたくなるところ。
いろいろなエッセイをたくさん読んできましたが、再読したいと思えるものって意外と少ないものです。

だからこそ、再読したくなる本を書き続ける松浦さんの凄さを読むたびに感じます。

それでは、また。


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