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かをりに耳を澄ます3時間~ひたすらに香木を聞く「聞香会」へ行ってきました

香木ってごぞんじですか?

火をつけて煙が出る「お香」とはべつのものです。

こちらはお香

香木とは、(樹脂化などを経て)
香りがする木のこと。

日本の香道では
香木と呼ばれるのは
「沈香」「白檀」「黄熟香」の3つです。

その香りをたのしむことを「香道」といいます。

香道では
香りを嗅ぐことを「聞く」といいます。


以前から「香道」に興味があったので
「聞香会」に参加させていただきました。


わたしはまったくの初心者です。
初心者目線でお伝えしてゆきますね。



聞香会=テーマに基づいた数種類の香木を
聞き比べる会。
一般的な香道体験は「組香」とよばれる
香木を聞き当てるものが多い印象があります。


麻布香雅堂さんは
200年続く香木屋さん。

香雅堂の会長、山田先生自ら
香を炷(た)き
解説してくださいます。


山田会長のご著書
読んでからの参加が推奨されていたので拝読いたしました。


聞香会は
麻布にある香雅堂の2階、守拙庵でおこなわれます。


守拙庵の入口を
そっと開けたその途端
空間にしみ込んだ香木の香りがふわりと漂ってきました。

お部屋の床は木。
浅く彫りこみが入っています。
心地いい!
寝ころがってみたい!

床のイメージはこんな感じです。
(写真は木のお皿)

参加者は十名強。
正座ではなく
テーブル・椅子席でおこなわれます。


今回のテーマは

「佐曽羅(さそら)」。

7種類の佐曽羅を聞き比べます。
(追加でもう1種聞かせていただいたので
合計8種。)


佐曽羅とは
清涼感のある酸味が特徴の香木。
六国(六つ)に分類される香木のうちの1つ。

六国とは
香木を産地別(国別 / 当時の国名)に6つに分ける概念。
名香百八十種を
足利義政の命により志野宗信が分類し、
六国に分けました。
志野宗信はのちに香道志野流の祖となった方です。

(正確な産地というよりは、志野宗信さんの感性で
香りの系統別にシリーズ化した、
とわたしは理解しています。)


香木そのものを目で見て
質感をたしかめ
炷いて香りを聞く。


組香(香りを当てる遊び)では
炷く前の香木は見られないそうです。

聞香会では
香木をかたまりのまま、
じっくりと眺めることができます。


袋に入っているのは「挽き粉」。
香木を割るときに出るもの。
香木は非常に高価なもの。挽き粉も貴重です。

正方形の木盆に袱紗が敷かれ
香木が載っています。

お盆ごと
参加者に回していきます。

炷く前の香木を嗅いでみたい!

隣の席の方に
「香りを確かめてもいいのでしょうか。」とお聞きしたら
「こうやって、見たり嗅いだりするのよ。」と
教えてくださいました。


香木を袱紗に包んで
(素手で触れないようにして)
裏返して組織を見たり
鼻に近づけたりするそうです。

お優しい。ありがとうございます。


香木は艶があるものが多く
そっと撫でてみたくなります。

鼻を近づけると
炷かずとも香ります。

香りは強弱があり
古いものは薄かったり
樹脂分がおおいものは強かったりと
さまざまです。


大きさもまちまちです。
今回の佐曽羅でいちばん小さいものは
賢章院さんが愛蔵されていたものでした。


小指の先ほどの大きさです。
片仮名の「サ」は佐曽羅のサ、だそうです。
(山田会長談)


賢章院さんは
島津斉彬さん(薩摩藩11代藩主)のお母さま。

賢章院さんの愛蔵品…
江戸時代からある香木…

勅銘香、とあるので天皇が名前を付けた香木です。

そんな宝物、炷くの?


参加者のみなさまは
とくに驚くようすもありません。

歴史ある、名のある香木を
普通に楽しむのが
香道の世界なのでしょうか。
(すごい)


香木を聞くようすは
長くなりましたので次章に記したいと思います。


お読みくださり
ありがとうございます。



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