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子供のためのオルセー美術館(6)モネ・お昼ごはんのあとで

「この絵はアトリエでかいた絵だけど、外にいるみたいでしょう。ぼくはすっかり覚えているんだ あの光」モネ

小さいお子様向け

おにわで ひるごはん


もうおなか いっぱいなんだ。


食べかけのパンと コーヒーカップ

まだくだものはあるよ。
ももは すき?プラムも ほら

あ、わすれもの


あれ?
ぼうしが あったんだけど

どこかなあ。




ぼくは ここで あそぶんだ。


これ見てくれる? 
小さいときのぼく、どこにいるかわかる?
ずっと前に、パパモネがかいたんだよ。どう?ぼく、大きくなったでしょう。

Städel Museum Le Déjeuner 1868


Claude Monet
Paris 1840 - Giverny 1926
Le Déjeuner:panneau décoratif 1876
Huile sur toile
クロード・モネ
昼食
 1876  
昼食 1868

アルジャントゥイユのモネの庭での家族の風景を、魅力的でのびのびとした印象で描いた作品
モネはこの時期、一部の装飾画を除き、大判の絵を描くことをやめた。この作品は、親密な家族の情景を思わせるが、人物画というよりは静物画である。この作品の主眼は、花の鮮やかな色彩と、キャンバスを覆う光と影の微妙な色彩の相互作用によって表現されたこの瞬間の柔らかで楽しい雰囲気にあることが感じられる。遊びに夢中になっている画家の息子と、女性たちのシルエットは、かすかながらに確認することができる。
ここでのモネは、数年後に同じテーマを扱うことになるヴュイヤールやボナールの手法、籐のサイドボードを半分に切って描く「クローズアップ」は、右の背景の女性像と対照的で、ナビ派が好んだ手法を彷彿とさせるものでもある。

musée d’orsay 

この絵のテーマは、タイトルとは裏腹に、モネの庭の花の素晴らしさにあり、赤と緑を中心とした圧倒的なコントラストと明るいトーンで描かれている。モネは、フクシア、ゼラニウム、バラの背の高い茂みを、昼下がりの庭を照らす陽の光と戯れさせて、小さなタッチで表現している。木漏れ日の中で、光は散歩する人々のドレス、道、コーヒーポット、テーブルクロス、木製のガーデンベンチの棒の一部、木の帽子、ジャンの服に点々と降り注いでいる。
この絵は、一見ランダムに見える線や筆致から、ほとんど完璧に調和した全体を作り出しモネの卓越した技術を示す完璧な例である。

この作品は、モネが1870年以降に描いた数少ない大作だが、モネが野外で描いたものではなく、アトリエで、おそらく木炭のスケッチをもとに描いたものであることも例外的なことである。アトリエで描いたにもかかわらず、「屋外」の効果を見事に表現している。

le déjeuner wikipedia 


お読みいただきありがとうございました。
ジャンが愛らしく描かれています。
このジャンがかぶっている赤い縁の麦わら帽子、モネの作品「傘をさす女」でも、これで登場します。
お子様と、絵の中に何があるかな、と色々さがしてみてください。
若き日のモネの作品(1868年作の昼食)には美味しそうなものがテーブルにのっていますね。

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