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子供のためのルーブル美術館(28)絶滅したドードー/ポケモンドードーの先祖を世界で最初に描いた人・オランダ絵画

ポケモンドードーの 先祖せんぞ  不思議ふしぎくにのアリスからドラえもんまで


いまから400 年前ねんまえ、オランダは 黄金時代おうごんじだいとよばれてオランダ絵画もゆたかな 時代じだいをむかえました。

『なんでも 一番いちばんのり!』
ルーラント•サーフェリーは、17 世紀せいきオランダ 絵画の世界かいがのせかい
色々なことをだれよりも早く 最初さいしょになしとげた 画家がかでした。

オランダ 絵画かいがはこんな 花の絵はなのえ 有名ゆうめいですが、これもオランダで 一番最初いちばんさいしょ 描き始かきはじめたのがサーフェリー。

Mauritshuis, The Hague

それから、それまで 画家がか 部屋へやの中の絵ばかり描いていたけれどまちに出て、 普通ふつう 生活せいかつをしている 人達ひとたちいたのも、サーフェリーが 一番いちばんはじめでした。
そして、 絶滅ぜつめつした 伝説でんせつのドードーを 世界せかいではじめていたのも、サーフェリーだったのです。

そんなサーフェリーのって どんなでしょう。
さっそくのぞいてみましょう。
ギリシア 神話しんわに出てくるオルフェウスの 竪琴たてごとのおはなしのです。


オルフェウスは 竪琴たてごとくのがとてもじょうず。
ポロンポロン…タリラララ……
細い指ほそいゆびげんをかきらすと、それはそれは 透明とうめいな、 空気くうきまでもが 共鳴きょうめいしてふるえるようないいおとがします。

こうのもりでは 動物どうぶつどうしがエサの 取り合いとりあいで、つめをたてきばをむきながらけんかをしていました。
ところが、どうしたことでしょう。
その 音色ねいろいた 動物どうぶつたちは、あらそいをやめてみんなしずかにオルフェウスのいるとうへと向かっていくのです。

ある時は、もりの中で

ポロンポロン…タリラララ……
動物どうぶつたちは 鳴き声なきごえも立てずひっそりと、こちらにやってくる 落ち葉おちば 足音あしおとだけがこえました。

いったいどんな 動物どうぶつあつまってきたのでしょう。

ライオン、チーター、ゾウ、サイ、ラクダ、シカ、イノシシにダチョウ…
馬や牛もいます。

かぞえきれないくらいのいろんな鳥、あ、ヘビもいる。

そして、サーフェリーはここにドードーもきました。
この 時代じだいはまだ生きていたのです。

サーフェリーのいたドードーはこんなとりです↓
上の絵の中でも見つかるかな?

こたえ 

こうして 世界せかいではじめてのドードーの絵は、のちの私たちの 時代じだいにもつたえられていったのです。

ドードーは、 不思議ふしぎくにのアリスやムーミン、ドラえもんにもアンパンマンにも 出演しゅつえんしているんですね。
そして、かおはふたつもついてるけど!ポケモンの 仲間なかまにもなりました。(⚠️ポケモンドードー進化系 しんかけいのドードリオは空をびますが、本物のドードーはべません)


今日は長くなってしまいました。
そんなドードーのお話は、いえ、サーフェリーのお話はこれでおしまい!

不思議の国のアリス 手があるドードー


Roelant SAVERY
Le héros Orphée charmant les animaux
Huile sur bois, 1626 
ルーラント・サーフェリー
音楽で動物たちを魅了するオルフェウス 1626

Roelant Savery,
Orphée charmant les animaux  1627
Mauritshuis, The Hague
ルーラント・サーフェリー
音楽で動物たちを魅了するオルフェウス 1627
ハーグ、マウリッツハイス美術館

Roelant Savery
Edwards' Dodo
Natural History Museum, London late 1620
ルーラント・サーフェリー 
エドワーズ ドードー 1620後半

1620年代後半にルーラント・サーフェリーが描いたドードーの標本の絵で、最も有名でよく模写されるもののひとつ。この絵は鳥類学者ジョージ・エドワーズが所有し、後にエドワーズが大英博物館に寄贈したため、この名前がついた。右下のカエルを飲み込んでいる鳥は、同じく絶滅したレッドレールかもしれない。また、2羽のオウムは絶滅したレッサー・アンティル・コンゴウインコ(左)とマルティニーク・コンゴウインコ(右)ではないかと言われている。

Wikimedia Commons

1603年以降、ルーラントはハプスブルク家の皇帝ルドルフ2世のもとで働くため、プラハへと旅立ちそこで驚くほど多才な芸術家に成長する。彼は周囲の広大な世界からインスピレーションを得て、森や山の風景、動物の習作、花の静物画を得意とした。世界中からヨーロッパに持ち込まれた新種を含め、動植物を細部まで緻密に描いた。
ルーラント・サフェリーのような芸術的多才な人物にとって、ルドルフ2世の宮廷は楽園だった。皇帝は美術品や科学機器だけでなく、動植物も収集した。プラハにあるルドルフの宮殿の庭園で、サヴェリーは自ら自然の驚異を研究することができた。暖かい季節には、皇帝は彼をチロル地方に遠征させ、息をのむような風景をスケッチさせた。彼は訪れたボヘミアの村々を含め、その光景に驚嘆した。

Mauritshuis, The Hague

お読みいただきありがとうございました。
ルーブルで、サーフェリーの同僚の作家のことを調べていましたら、思いがけずドードーにたどり着き急遽ルーラント・サーフェリーをお届けしました。
すると偶然にも、マウリッツハイス美術館(あのフェルメールの真珠の耳飾りの絵がある)で先週から「ルーラント・サーフェリーの不思議な世界」の企画展が始まったばかりでした。
オランダ絵画は肖像画や庶民の生活が多いですが、こんなファンタジーを描いた絵はお子様にも楽しいかと思いました。


ミュージアムショップ デルフト焼きのドードー↓


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