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子供のためのオルセー美術館(117)ゆれる、赤。ひなげし/モネとドービニーとあと、

季節きせつは6月、なつちかづくフランス


まだちょっとさむいけど、みちばたにひなげしがいています。フランスではコクリコ、といます。

コクリコは、ひとつのかぶから50000ごまんつぶたねができるんだって。だからもう自由自在じゆうじざい
小さなたねかぜにふかれ、どこまでもんでってはなになります。

今日きょうはそんなコクリコのはなにいきましょう。


ここはパリの郊外こうがい、アルジャントイユ。パリの人たちの人気にんきまちです。

かぜだ!
おかをふきおろすかぜは、あおそらくも散り散りちりぢりにして、

コクリコやたかっぱを、やさしくかきまわします。
コクリコのあかはなびらは、あっちいたりこっちいたり。
ひらひらぐるぐる、ひらひらぐるぐる。

そんな赤いのを、いくつもつんでかえろう。



さて、ここはゴッホもいたオワーズのバルモンドラ
どこまでもつづひろはたけたがやす人が何人なんにんもいます。

コクリコのいっぱいなことといったら! どこまで続くんでしょう。
こっちと、

部分


あと、あっちのほうにも。

きらきらのあかそらくもまでとどきそう。
あそこのうましろいのえる? しっぽをふって気持きもさそうでしょ。

部分


まぶしいくらいたくさんのコクリコをいたのは、わかいモネやゴッホよりずっと年上としうえのドービニーでした。
いつもフォンテヌブローのもりいていたドービニーは、こんなまぶしいコクリコのいてみんなをあっとわせました。
そしてとってもおおきいだったのです。


さあ、最後さいごのコクリコ、
だれいたか、わかるかな?

部分

そう!
やっぱりいてた、ゴッホも。

コクリコのあかいの、みんな大好だいすきなんですね。


Claude Monet 
Coquelicots 1873
Première exposition impressioniste, 1874, n° 95
クロード・モネ
コクリコ  1873  
第一回印象派展1874

こののどかな風景は、鉄道が開通して以来パリ市民のレジャーと散歩の人気スポットとなったパリ郊外のアルジャントゥイユで描かれた。モネはここで屋外の主題を多く描いている。この作品では、夏の光が赤橙色と緑色の強いコントラストで表現されている。この画家特有の技法で、純粋な色を直接キャンバスに塗り、筆跡が透けて見えるようにしている。

Charles François Daubigny (1817-1878)
Les Champs au mois de juin  1874
Salon, 1874, n° 522
Herbert F. Johnson Museum of Art
シャルル・フランソワ・ドービニー(1817-1878)
6月半ばの田園   1874
サロン1874

この年のサロンの展覧会でバルビゾン派のドービニーは、オワーズ県のヴァルモンドワ周辺の大きな風景画を出品した。
この田園は色とりどりのひなげしで際立っており、彼の友人であったコローが「なんと光輝くまぶしい絵か」と評したほど鮮やかで、前年に描かれたモネの「コクリコ」と同様美しかった。
1850年代以降、ドービニーは言うなれば「印象派」先駆者としての戸外の美しい絵で成功を収め、バルビゾンの風景画家としての高い技術を支持していた一部の批評家を悔しがらせた。彼は後に印象派の仲間たちを画商に紹介するなど若い画家への支援を惜しまなかった。

①1868年にサロン審査員として、多数の反対意見にもかかわらず、ピサロ、モネ、バジール、ドガ、ルノワール、シスレー、ベルトモリゾの作品を入選させた。
②1870年、モネの作品を入選させることが叶わず、審査員を辞任した。
③セザンヌの才能を評価した。

musée d’orsay 

Van Gogh
Champ de coquelicots   14 JUIN 1890
La Haye Kunstmuseum Den Haag,
ファン・ゴッホ
コクリコ畑 1890年 6月14日   今回は部分 参考

お読みいただきありがとうございました。
季節の花、鮮やかなひなげしの赤はいかがでしたでしょう。
今回初めてご紹介したドービニーのコクリコの絵は、現在開催中の印象派150周年企画展でも最も大きく横幅が220cmある大作です。この絵は当時伝統的なサロンの展覧会に出品されましたが、同じ年に開かれた第一回印象派展に展示されてもおかしくない斬新さでした。
1861年当時のドービニーへの批評が残っていますがそれは、10数年後、1874年に印象派を始めた画家たちが批判された内容と同じでした。
「ドービニー氏は、このような真実で正確で自然な感覚を持つ風景画家でありながら、第一印象に満足し、細部をこれほどまでに軽視しているのは本当に残念だ。彼の絵はスケッチにすぎず、それもそれほど高度なスケッチではない。従って、この緩い画風は、画家の将来にとって危険なものであり一刻も早く捨て去らなければならないと思われる」(テオフィル・ゴーティエ) 
ドービニーは、クールベと同様、印象派の新しい世代の画家に影響を与えた画家のひとりでした。

企画展デモビデオ

参考 ドービニーのバルビゾン派オルセー美術館5分

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