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VTL(Vaccine Travel Lane)でマレーシア→シンガポールに行ってきました

2022年2月2日~6日、VTL(Vaccine Travel Lane)というプログラムでマレーシアからシンガポールに行ってきました。
ワクチン接種者は隔離無しでマレーシア~シンガポール間を往来できるというものです。
結論から言うと、私のワクチンステータスがやや特殊だったせいでなかなか大変でした。

1. VTLとは

Vaccine Travel Laneの略です。言葉のとおり、VTLの合意をしている国家間において、ワクチン接種完了を証明できる人に対して入国後の隔離を免除するプログラムです。
2020年2月6日現在、シンガポールは24か国とVTLを行っています。
日本は対象外。後述する日本の証明書の特殊性によるものと聞いています。

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(https://mainlymiles.com/2021/12/15/full-list-of-vaccinated-travel-lane-flights-to-singapore/)

2. 求められる主な要件(マレーシア→シンガポール・空路編)

※陸路で入国するコースもあるがここでは割愛

・到着14日前以前にワクチン接種が完了しており、英語の証明書で証明ができること
・VTL対象の便を予約していること(※すべての渡航便がVTL対象ではありません。2/6現在1日最大6便が飛んでいます)
https://mainlymiles.com/2021/12/15/full-list-of-vaccinated-travel-lane-flights-to-singapore/
・出発2日前以降にPCR検査を受け、結果が陰性であること
・着陸後PCRテストの申込、支払いが完了していること(SGD125)
・着陸後PCRテストの結果がでるまでの隔離場所(自宅、ホテル等)を確保していること
・TraceTogetherという追跡アプリをモバイルにダウンロードしていること
・(短期滞在者)SGD30,000以上が保証されているコロナ治療保険に加入していること
・上記の要件を以て、出発3日前までにVTLの申込が完了していること
https://safetravel.ica.gov.sg/vtl/apply-now

ふー。けっこうやることがありますね。
※ルールが随時変わっているようなのと、要件(子供同伴か、シンガポールの長期ビザがあるか等)で必要事項が変わるため↓のチェックリストで詳細確認しましょう
https://safetravel.ica.gov.sg/vtl/travel-checklist

3. 求められる主な要件(シンガポール→マレーシア・空路編)

・到着14日前以前にワクチン接種が完了しており、英語の証明書で証明ができること
・VTL対象の便を予約していること(※2/6現在1日最大6便)
・出発2日前以降にPCR検査を受け、結果が陰性であること
・着陸後PCRテストの申込、支払いが完了していること(RM470)
・(短期滞在者)RM100,000以上が保証されているコロナ治療保険に加入していること
・(空路で入国する短期滞在者)復路の便を予約していること
・My Sejahteraという追跡アプリをモバイルにダウンロードしていること
・上記の要件を以て、出発7日前までにMySafeTravel上でVTLの申込が完了していること
MySafeTravel:
https://mysafetravel.gov.my/
・出発前PCR検査の結果を出発前日までにMySafeTravelに登録していること

to Singaporeとだいたい同じような要件です。2と同様、詳細は政府のサイトを確認しましょう。
https://faq.mysafetravel.gov.my/#faq2

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(https://faq.mysafetravel.gov.my/#faq2)

4. ワクチンステータス問題

色々要求があるとはいえ、基本的には必要な書類を所定のWebサイトにアップロードすれば即・承認が下ります。
…が、私、色々あって1回目と2回目のワクチンを日本の在外邦人向けプログラムで受けているのですね。(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/vaccine.html)このことにより、ワクチン証明を証明するのに手間取り、なかなか承認を得られない事態となりました。

日本でワクチン接種を受けた際の証明書って、これなんです。

ワクチン接種証明書_日本
(https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdf/sample.pdf)

紙。今日に至るまでQRコード等のデジタル要素無し。再発行不可。
これを、海外の方々に正規の証明書として認めてもらうのはなかなかつらいものがあります。この21世紀に。

それでも東南アジア各国はこの証明書を以て各国のデジタル証明書を発行しなおしてくれており、私が住むマレーシアでもこんな感じで証明書を発行してくれました。

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なので、まあ、日本で発行された証明書が紙だろうとなんだろうと、マレーシアのデジタル証明があれば各国行き来できる、はずなのですが…

ここで判明したもう1つの問題。それは…、↑のデジタル証明書からQRコードを生成しようとすると……、

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マレーシア国外で接種したワクチンについてはQRコードが発行されない!
ので、私は3回ワクチン接種済にもかかわらずマレーシアで受けたブースター接種分しかQRコードが無い…
シンガポールもマレーシアもVTLの申込はQRコードの提出を前提としているので、この1個しかないQRコードでは却下されてしまいました。

これは日本のワクチン証明が紙だからというよりマレーシア政府側の問題のようなのですけど。

このような状態のため、QRコードは1回分しか無いけれど実際には3回接種していることを説明し、然るべき判断をしてもらうのが非常~に大変でした(特にto Malaysia)。

5. シンガポール・マレーシア保健省との交渉

まずシンガポールについては、ネットサーフィンの末
https://form.gov.sg/#!/60e693e777fd6b00111885d5
というVTL問合せサイトを発見。
こちらに事情(ワクチンを3回接種しているがQRコードは手元に1つしかないため承認が下りない。解決策を教えてほしい)を問合せ、QRコード、マレーシアのデジタル証明、日本のワクチン証明(紙、のキャプチャ)を添付して送信
→メールで2営業日後に回答あり、↓のサイトから再度状況を説明しアピール(催促と同義?)するようにとのこと。
https://form.gov.sg/#!/618a9ef8f1ff58001356c69e
アピール後3時間で仮承認が下りて所定のコードが発行され、先述のVTL申込サイト上にこのコードを入力するとQRコードが無くても無事に本承認してもらうことができました。

一方マレーシアはここまでシステマチックではなく、問合せを所定のメールアドレス(safetravel@myeg.com.my)に送付。担当者とやり取りし事情を説明したものの却下されてしまい、登場直前までVTLでの渡航はほぼあきらめていました。(VTLで渡航できない場合はホテル隔離。隔離費用は自費)
と、最終的には航空会社の人々がマレーシアのイミグレと直接交渉してくれて(ありがとうMalindo Air…)、土壇場でVTLで戻れることに。
本当に心臓に悪かった。隔離費用、5日で10万円くらいかかりますからね…

6. おわりに

VTLは画期的な仕組みだしどんどん活用していきたいものの、そもそも手間とお金がかかるのを実感。余裕を見てフライトは事前に押さえ、VTL申請は1週間前には完了しておいたほうがよいです。お金はフライト(通常便の1.5倍~2倍の価格)、PCR検査(往復で4万円程度の持ち出し)追加費用がかかります。

また、私のように日本でワクチン接種した在外邦人に優しい仕組みではない。(もしかしたら欧米はもっとスムーズだったりするのかしらん)
今回は最終的に無事シンガポールに行って帰ってこられたのでよかったけれど、同じことをまたやりたいかというと正直厳しい。
マレーシア政府が全ワクチン接種に対してQRコードを発行してくれるか、日本政府がQRコード付き証明書を再発行してくれるか、しばらく待とうと思います。

(とはいえソンクランの頃にVTLが始まってたらタイに行きたいんだよな…)

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