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ビジュアル・シンカーだったのだ!~現代社会では生きにくい、絵で考える人~

「言葉にできないのは、考えてないからだ」「言語化下手なやつは無能」
「考えられてないから、言語化できてないんでしょ」

言葉にするのが苦手な私にとって、こうした言葉を実際に投げかけられたり、無言の圧力を感じたり、傷ついたことも無数にあり。自分自身で自分に対して、そんな風に思うこともあって、「何でこんなに言葉にするのが難しいんだろう」とウン十年間苦しみながら、何とか少しずつでも思っていることを言葉にしたいと思ってきました。

思っていることはあるのに、それをうまく言葉にできないもどかしさ。しっかり考えてないと思われてしまう、言われてしまう悔しさ。いや。本当に、しっかり考えられていないだけ、かもしれないし、頭が悪いだけ、なのかもしれません。でも、でも・・・・

そんなことを思ってモヤモヤしていた時に、たまたま拝見した、「ゆる言語学ラジオ」さんのYouTube動画。ビジュアル・シンカーの話。

テンプル・グランディン著「ビジュアル・シンカーの脳『絵』で考える人々の世界」を読んで、「ゆる言語学ラジオ」のお二人が持論を展開されるのを聞いて、そうそう!私が長年苦しんできたのは、そういうところなのよ!と、思わず膝を打ってしまいました(笑)

そして、言語思考マッチョ(言語化がバリバリ得意な人)の思考経路を、この動画でバリバリ言語化してくれているので、言語化が得意な人たちはそうやって言語化してるのか!と目から鱗でした。

私は(多分)バリバリのビジュアル・シンカーなので、絵で物事を考えていますが(お二人の動画を見るまでは、そこまではっきりした自覚なし・・・)、言語思考者は「絵を介さずに」思考を言葉にしている、ということ。展覧会で「作品を見るよりキャプションを見る方が分かりやすい」こと。言語思考者は、言語化できてすごい、と褒められても当たり前すぎて、その価値が分からない、ということ。どれもが自分とは真逆すぎて、「へ~!そうやってるの!?そう思ってるの!?」と新鮮な驚きでした。

そしてまた、お二人は言語思考マッチョなので、ビジュアル・シンカーの思考回路も想像して、言語化してくれているところが素晴らしい!いや、ありがたい!ビジュアル・シンカーは、「アーティストがどういう風に世界を見てるのかログインするために展覧会を見に行く」。アーティスト(その多くはおそらくビジュアル・シンカー)は「コアな部分を作品にしたから見てくれ」と思っている。「絵で考える人は文字にできない人ではなくて、絵のままで考えてる人」。

そうなんだよ、そうだったらいいな。うんうん。
そう思いながら、2回見ました。動画(笑)

そして珠玉なのが(勝手に上から目線??すみません)、以下の考察。
現在の学校教育は言語思考者に有利にできているから、ビジュアル・シンカーはふるいにかけて落とされる。今の社会は言語思考者に有利にできていて、言語思考者が社会の上の階層にいる。言語思考者が設計した社会に生まれ落ちた言語思考者は、社会的にうまくいく。言語化が苦手でビジュアルのまましゃべってる人は、社会の中で何とか勝ち抜いてきている人。

そう。ビジュアル・シンカーのしんどさ、現代の言語思考社会で、ひそかに苦労している私たちの目に見えないもがきを、言語思考者の方たちに、ちょっとでも想像してもらえたらなあ、と思うのです。言語化してくれて、ありがとうです。

別に、同情してもらいたいとか、苦労してることをねぎらって欲しいわけではないんです。ビジュアル・シンカーには、ビジュアル・シンカーなりに考えていること、言いたいことがある(言語化優位の社会ではうまく表現しにくいけれど)、ということは分かってもらえたら嬉しいなあと思います。

そして最後に。この本では、言語化の上手・下手を、優劣で考えてはいけない、と述べているそうです。言葉にするのが下手な私が、自分を正当化しているだけかもなあ、という不安もありつつ、言語化を基準に優劣をつけるのではなく、言語化優位の人と視覚化優位の人が、それぞれの得意な表現を生かしながら認め合い、さらに良い表現・面白い表現につなげていけるような社会になればいいな、と切実に思う衝撃動画でした。

「ビジュアル・シンカーの脳」現在注文中。早く読んでみたいです。

おわり

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