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【中小企業の経営者・学生の方向け】 聴くに聴けない?就業規則の基本① 起業する方にも!

こんにちは。
弁護士+大学院生+会社員のlotterです。
記事をのぞいていただき、ありがとうございます。

今回は、いまさら聴けない第二弾。「就業規則」の基本についてお話します。この記事がベースなので、よろしければこちらも読んでみてください。

1.就業規則って聞いたことありますか?

ツリでもアオリでもなく真面目な話。少なくとも会社を出れば、「就業規則」という言葉を耳にすることはほとんどないのではないでしょうか。
そして、実際に働いていても「読んだことない」「何が書いてあるか知らない」「忘れた」という方、多いのではないでしょうか。

わたしはむしろ、それが普通だと思います。
良くも悪くも存在感が薄く、テレワークや両立支援といった華のある話題に意識を持っていかれがちな「ミスディレクション的」書物。
それなのに、ニュースや法律系の記事では

就業規則を確認しましょう
就業規則によります

って書いてある。なんでや!

2.就業規則のハンパない力

ミスディレクション就業規則には、その存在感の薄さからは想像もつかない力が与えられています。法律という存在感のカタマリによって。
それが・・・

「労働契約の内容を決める力」です

あの、意思だけだとすごく単純だった契約内容が、就業規則によってとんでもなく具体化されるのです。
そして、契約ということは・・・

知らなくても
読んだことなくても
覚えていなくても
「契約の内容だから」守らなければならない

ということになります。
それが「就業規則」なのです。だから、労働契約関係でなにかあったときには、まず就業規則を確認しなければならないのです。
と、ここまでざっくりお伝えして、やっと、就業規則のなんとなくの定義を説明できます。就業規則とは・・・

使用者が作成する、労働条件や働く上でのルールを
定めた文書

という感じです。
なぜ、「なんとなく」とか「感じ」とか変な言い方なのかというと、「就業規則とはなんたるか」ということは法律では定義されていない、からです。
就業規則に記載するべき事項や作成の手続き、作成した際の効力やその効力が発生する条件なんかは法律で決められています。
しかし、「どういうものが就業規則に該当するのか(つまり定義)」は決まっていない。ここでも存在感の薄さが出てしまっています・・・。
力はハンパないのに自らが何者かを知らない、それが就業規則なのです。

3.どんなことが書かれているか

就業規則に書かれている内容は会社ごとに多岐にわたります。
それは、労働基準法という法律では、最低限書かなければならない事項は決められているだけで、それ以外のことは基本的に自由に記載して構わないからです。
なので、実際には自社の就業規則を見てみてもらうこととして、ここでは典型的かつ特徴的な記載を少しだけ挙げてみたいと思います。

・採用や雇用管理区分に関すること
→正社員の定義、採用手段(面接・筆記など)、採用時の提出書類など
・服務規律
→仕事をする上で守らなければならないルール
・人事
→異動、転勤、出向など
・懲戒処分
→問題を起こしてしまった場合の処分について
・賃金テーブルや賞与の支給条件
→記載のない会社もたくさんある(特に賃金テーブル)

これらはほんの一部です。
でも、ここに書いてあることってなんとなく大事な気がしませんか?
実際にこれらに該当する場面がくれば、就業規則にしたがって手続きなどを進めていくことになります。
もっとも、就業規則にはあまり細かなフローまではさすがに書かれていないことが多いです。そういった細かなルールややり方は、就業規則ではなく、各社の「内規」やそれこそ一子相伝的に脈々と受け継がれている「なにか」で決まっていたりするわけです。

4.まとめ

・就業規則は労働契約の内容を具体的に決めている
・なので、なにかあれば必ず確認しなければならない
・記載内容には様々なものがある

ということです。
どうでしょう?少しだけでも就業規則の重要性がイメージできたでしょうか?
これは、雇われる側はもちろん、雇う側も同じです。遥か昔に作ってそのまま、あんまり手をかけずに作った、みたいなものであっても、使用者もそれに従わなければならないわけです。

この機会に、一度、就業規則を見直してみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございました。次回ものぞいていただけるとありがたいです。

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