Los Laguitos Son Jarocho

メキシコ・ベラクルス州の伝統音楽ソン・ハローチョの息吹を日本に伝える演奏集団。 メキシ…

Los Laguitos Son Jarocho

メキシコ・ベラクルス州の伝統音楽ソン・ハローチョの息吹を日本に伝える演奏集団。 メキシコの食文化「タコス」を守るべく「タコス警察」としても活動中。 Facebook: https://www.facebook.com/loslaguitossonjarocho

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タコス警察海外編 #1 Coyo Taco @マイアミ

タコス警察は世界の平和のため、地の果てまでも駆けていく。そんなタコス警察が今回降り立ったのはマイアミである。 マイアミと言えばラテンアメリカからの移住者が多い街だ。あらゆる標識にはスペイン語と英語が表記され、 "English Available" な店もあると言われる。そんなマイアミに悪いタコスがいるとは俄かには信じがたい。 今回の取り調べ先は、Brickell駅すぐにあるCoyo Taco。Brickell地区はマイアミのビジネスセンターで、流行に敏感な市民が集まるそ

    • 音楽から見る『リメンバー・ミー』:ミゲルの実家はなぜ靴屋だったのか?

      画像引用元:Disney, https://www.disney.co.jp/movie/remember-me/about.html ※本記事はネタバレを含みますのでご注意を。 2017年に公開されたディズニー・ピクサーのアニメ映画、『リメンバー・ミー』(原題『Coco』)。メキシコ文化である死者の日をテーマに、(おそらく)現代のメキシコおよびそこから通じる死者の国を舞台に、少年ミゲルが冒険を繰り広げる物語である。 主題として描かれている家族愛の強さや、ミゲルの足

      • タコス警察#6 タコスバトル@B TOKYO

        2020年12月某日夜、タコス警察は日本橋に降り立った。師走の風に運ばれし、争いの匂いを嗅ぎつけて……。 日本橋兜町。コレド日本橋などの近年の再開発が印象的ないわゆる「日本橋」とは、首都高速によって区切られたエリアだ。長年金融街という意味では〈日本の中心〉として機能してきたが、それ以上の印象はない街であった。しかし最近になって、コレド日本橋などが印象的なように、再開発によってシャレオツな店が増えているらしい。 現場は、旧第一銀行別館をリノベーションしたマイクロ商業施設、K

        • タコス警察 #2 Mexican Dining AVOCADO 新宿三丁目店

          2018年4月後半某日 新宿 通報を受けたので、暑い中スーツを着て参上したタコス警察。 「新宿の悪しきタコス屋を一網打尽にしてやる」と息巻いている。 通報者は都内ベンチャー企業勤務のOさん。実はこの日が誕生日(めでたい)。 彼女のシャツの胸元には、"DETECTIVES(刑事)"の文字。気合い入りすぎである。 今度は電話でしっかり空席を確認する。潜入捜査前に先方に連絡する警察は、多くいないだろう。 ランチ営業中の店内に潜入する。 Barの綴りが間違っている。今

        タコス警察海外編 #1 Coyo Taco @マイアミ

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        • タコス警察
          6本
        • タコス警察メキシコ研修編
          4本

        記事

          タコス警察メキシコ研修編④ オタティトラン エル・アミーゴ・セルヒオのパストール

          メキシコ全土に無数のタコス屋が存在し、その土地その土地の人々の生活を支えている。メキシコシティからバスとタクシーを乗り継いでやって来た、ここベラクルス州のオタティトランにも、もちろんタコス屋がある。 オタティトランは「黒いキリスト」信仰の中心地であり、この地に巡礼する人も少なくない。教会の正面を眺める好立地にあるタコス屋、"エル・アミーゴ・セルヒオ"が本日の我々の研修所だ。きっと、巡礼に来る人たちの心と腹を満たして来たのだろう。きっと。 もちろん他にも色々頼んだが、実際に

          タコス警察メキシコ研修編④ オタティトラン エル・アミーゴ・セルヒオのパストール

          タコス警察メキシコ研修編③ Pujol

          タコスといえば屋台が一番だ。メキシコ人の間で、この一文の支持率は間違いなくPRIよりもAMLOよりも高い。 しかし、この大多数の意見に挑戦している人物がいる。最新の世界レストランランキングで13位に位置するレストラン "Pujol" の創設者エンリケ・オルベラだ。 The challenge that chefs face trying to present Mexican food is that we have these ingrained ideas of wha

          タコス警察メキシコ研修編③ Pujol

          タコス警察メキシコ研修編② カルニータス

          日々、日本の平和を守る我々タコス警察。 本場の感覚を養うため、メキシコシティの外れ、隣町のエカテペクに研修にやってきた。 エカテペクはメキシコシティのベッドタウン。メトロB線が伸び、その両脇には延々と住宅地が続く。 しかし、それでもタコスはある。いや、中心部のチェーン店や安いだけの屋台に比べたら、むしろ比較的低所得な層が居住するエカテペクにおいて真のタコスを見つけることができるのかもしれない。 こちらが今回の研修先だ。名をCarnitas The Bananos and

          タコス警察メキシコ研修編② カルニータス

          タコス警察メキシコ研修編① スアデロ

          日々、日本の平和を守る我々タコス警察。 本場の感覚を養うため、メキシコシティに研修にやってきた。 メキシコシティでは、路上のタコスが最高のタコスだと言われる。もちろん我々も、路上のタコスを食べ尽くす所存だ。 今回は、メキシコシティ南部、メキシコ国立自治大学(UNAM)の最寄駅であるコピルコ(Copilco)にやってきた。ここでは駅出入口に広場があり、多くの屋台が余裕を持って立ち並ぶ。 グツグツと肉汁が煮えたぎっている。これは、スアデロ(suadero)と呼ばれるタコ

          タコス警察メキシコ研修編① スアデロ

          タコス警察 #5 モスバーガー

          2018年8月某日 渋谷 日本を代表するハンバーガーチェーン「モスバーガー」がタコスを発売しているとの通報を受けたタコス警察。前回と同様に渋谷に出動した。 今回の通報者はITコンサル勤務のFさん。 日本のタコスの平和を守る、我々タコス警察の活動に日々感銘を受けていると語る。にわかにタコス警察の承認欲求が満たされる。 モスバーガーに到着したFさんとタコス警察を待ち受けていたのは、驚愕のビジュアル。 これは「タコミート」にレタスとトマトを載せてチェダーチーズソースをかけてい

          タコス警察 #5 モスバーガー

          タコス警察 #4 Taco Bell

          我々タコス警察は、仕事の合間をぬってNetflixを鑑賞するのが日課だ。少しくらい仕事をサボってドラマを鑑賞しなければ、善良なメキシコシティ市民の感覚を養うことはできないのだ。 最近のお気に入りはグルメドキュメンタリーだ。Netflixの映像の美しさと勤勉さが光る。 アグリー・デリシャスというシリーズで、なんとタコス回があった。移民とタコスとの関係を描く、タコスの変容に寛容な内容だった。もちろんUSAで受け入れられるよう変質したタコスなどタコスと呼ぶに相応しくはないのだが

          タコス警察 #4 Taco Bell

          タコス警察 #3 Casa De Sarasa

          2018年5月某日 渋谷 渋谷にて、タコス屋を発見。どうやら、メキシコでタコスに惚れ込んだDJが店長らしい。さてはチャラいな?? 開店1周年記念のようで、タコス1個150円のセールをやっている(普段は1つ250-300円程度)。これはなかなかリーズナブルではないだろうか。 牛肉(bistec)のタコス。サルサベルデがちゃんと辛くて、うまい。このサルサのクオリティはテンションが上がる。肉も普通にうまい。 続いて鶏肉(tinga)。普通にうまい。なにより、トルティ

          タコス警察 #3 Casa De Sarasa

          タコス警察 #1 CHRONIC TACOS

          2018年3月某日 銀座 「勤務先の近くにタコス屋ができたから、調査してほしい」との通報を受けたタコス警察。 ※ BGMはメキシコの伝統音楽ソン・ハローチョの代表曲 El cascabel (エル・カスカベル)でお楽しみください(某サスペンス映画の劇中歌の元ネタ) 通報者は公務員のKさん。メキシコ経験はないものの、ラテンアメリカ文化にはブラジル音楽をはじめとして造詣が深く、胡散臭いこのタコス屋をとっちめる日を、首を長くして待っていたと語る。 通報者とともに、現

          タコス警察 #1 CHRONIC TACOS