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タコス警察メキシコ研修編① スアデロ

日々、日本の平和を守る我々タコス警察。
本場の感覚を養うため、メキシコシティに研修にやってきた。


メキシコシティでは、路上のタコスが最高のタコスだと言われる。もちろん我々も、路上のタコスを食べ尽くす所存だ。

今回は、メキシコシティ南部、メキシコ国立自治大学(UNAM)の最寄駅であるコピルコ(Copilco)にやってきた。ここでは駅出入口に広場があり、多くの屋台が余裕を持って立ち並ぶ。


グツグツと肉汁が煮えたぎっている。これは、スアデロ(suadero)と呼ばれるタコスを調理するための、特別な鍋だ。円形の鍋の中心部が高くなっており、逆に凹んだ周辺部で肉が煮込まれる。


メキシコシティ屋台ではもっともよく見られる形態である。何を隠そう、このタコスはメキシコシティを発祥の地とするタコスなのだ。我々メキシコシティタコス原理主義者にとっては、最初に食するに相応しい。


この鍋では、様々な種類の具材が調理される。今引っ張り出されたのは牛の腸、トリッパ(tripa)だ。他にもロンガニサ(longaniza)と呼ばれる、いわゆるチョリソの長いものもある。

手前に並んでいるのは小さな玉ねぎ(cebollín)だ。日本だったらねぎの部分を食するだろうが、ここメキシコでは捨てられ、玉ねぎ部分だけが使われる。


鍋の中央で切り出されたトリッパは、丸太のまな板に移される。


叩き切られる。


そして、仕上げに焼かれる。


さあ、注文したスアデロ(奥)とトリッパ(手前)が出てきた。煮込まれたセボジンも付いてくる。

スアデロは、牛の胸肉を肉汁で煮込んだものだ。味付けは基本的には塩のみというシンプルなものだが、トルティーヤとサルサ、そして玉ねぎとパクチー、ライムを伴うことで素晴らしい肉となる。

長時間煮込まれたトリッパは脂が落ち、嚙み切れる硬さになっていながら気持ちの良い弾力を残す。


やはり、さすがは本場メキシコシティのタコス。このこそ、我々の求めている味だ。


恐れ入った。だが任せてくれ。日本のタコスの平和は、我々タコス警察が守る。


今日のタコス屋

Copilco駅前広場の屋台。名前等は不明。


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