スロヴェニア・クロアチア旅行記_6/6(2022.9.23)
■お読みいただく前に■
本記事のタイトルは「スロヴェニア・クロアチア旅行記」となっておりますが、内容につきましてはスロヴェニア、クロアチアとはあまり関係のないものとなっております。
ここから先、ご了承いただけるあなたにお読みいただければ、これほど嬉しいことはありません。
スロヴェニア、クロアチアでの用事と観光を終え、今日はイタリアへ帰る。
昨日と全く同じ内容の朝食を済ませ、荷物をまとめると、僕たちは車に乗り込んだ。
ホテルを出発後すぐに助手席で眠ってしまい、クロアチア出国前のパスポートチェックで、横からアンドレア、後ろからカルロに起こされた。
スロヴェニアに入ってすぐ、
「ねぇ、リュブリャナに寄ってケーキ食べていかない?」と言うと、
「「昼までにイタリアに着いて昼飯食いに行くからダメ」」と、コーラスが帰ってきた。
その後、再び助手席で眠ってしまい、午後1時半。ヴェネト州、ヴェネツィアとキオッジャの間にあるレストランの前で、横からアンドレア、後ろからカルロに起こされた。
食事を終え、再び家路を辿り始めた車の中で満足そうな顔をしている二人を見ていると、やっぱりこいつら、イタリアが好きなんだな、と思う。
しかし、地元に着いてから事件は起こった。
「頭痛がする」
「熱が出てきたみたいだ」
「腹痛てぇ」
各自諸症状を訴えたのち、三人で寄ってたかって自分たちの住む町をディスっていると、アンドレアが突然、
「でも、ここにはボローニャ大学のキャンパスがあるから、勉強に集中するにはいい町だと思うんだ」などと言い出した。
「俺もそう思う」と、カルロ。
アンドレアが彼を一瞥したのち、僕に向かって口を開く。
「俺としては、通訳とか翻訳の学部に入るのがいいと思うんだけど、君たちはどう思う?」
どう思う?って...いったい何の話をしてるんだ?
そう言いかけたが、
「それもいいと思うけど」という、カルロの声にかき消された。
彼は続ける。
「この町のキャンパスには犯罪学科があるんだよ。イタリアで犯罪学が学べるのは、この町と、あともう一か所のたった二か所だけらしい。犯罪学だったら、興味が持てると思うんだけど」
「俺もそう思う」
アンドレアがそう答え、二人の視線がこちらに向く。
「...何の話?」
僕が聞くと、アンドレアが言った。
「今回の旅行で思ったんだけど、君はやっぱり大学に行った方がいいと思うんだよ。向こう二年は移住できそうにないからね。laurea magistraleの学科だったら二年でストレート卒業できるだろ。君が日本に帰る前に、ボローニャ大学へ話を聞きに行かない?」