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【随想】小説『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

2021年本屋大賞受賞作品。
本屋で大々的に売り出されている。
杉咲花主演で、映画化も控えている。
装丁が美しい。
読み返していて、ふと文庫カバーの裏面に、
ショートストーリーが書かれていることに気付く。
危うく見逃してしまうところだった。
なんだこの粋な計らい。
ちょっと得した気分になりますね。
漫画でもあんまり見たことがない。
小説では初めてな気がする。
以下自分への備忘録として、目次ごとのあらすじを記述する。
ネタバレ全開のため、未読の方は閲覧しないことをオススメします。

1 最果ての街に雨
大分の田舎町に越してきた訳ありの女性三島貴瑚(あだ名:キナコ)。
家の修繕業者、村中と出会う。
過去にアンさんという恩人を失ったことが分かる。
雨の中、虐待されているムシと呼ばれる少年と出会う。

2 夜空に溶ける声
品城という老人会会長と出会う。
ムシが琴美という女性の子供だと分かる。
そして品城が琴美の父、ムシの御祖父さんであることが分かる。
ムシは口を利くことができない。
貴瑚が母に愛されなかった過去が明かされる。
ムシが動画サイトでクジラの歌声を聴く。
めし処よし屋で貴瑚と村中は琴美と出会う。
村中の中学の同級生琴美が最近大分へ子連れで戻ってきたことを知る。
アンさんが貴瑚の命の恩人であることが分かる。
52ヘルツのクジラの話をムシに聞かせる。
貴瑚、ムシを52と呼ぶことにする。

3 ドアの向こうの世界
(回想)
貴瑚の5年前。
義父の介護に明け暮れる。
高校の同級生美晴と偶然の再会を果たす。
岡田安吾さん(あだ名:アンさん)登場。
二人は学習塾で働いている。
アンさんが貴瑚を実家から救い出すまでが描かれる。

4 再会と懺悔
52のことを聞きに琴美のもとへ。
52から父方のお祖母さん真紀子と妹千穂の情報を得る。
美晴が貴瑚の家までやってくる。
52の親族を探しに3人で北九州へ。
新名という人を貴瑚が過去に包丁で刺そうとしたことが語られる。
近所に住む藤江さんに2人(真紀子と千穂)が亡くなったことを聞く。
52の本名が「愛(イトシ)」であることを知る。
美晴はアンさんが亡くなったことを伝える。
貴瑚は美晴にアンさんは自分のせいで亡くなったと告白する。

5 償えない過ち
(回想)
実家を出て1年後、貴瑚とアンさんは友達の関係を続ける。
2年後、貴瑚は新名主税という男性と出会う。
主税は貴瑚が勤める会社の専務である。
主税は貴瑚を見初め、男女の関係になる。
主税は貴瑚の友人に会いたいという。
貴瑚はアンさんと美晴と匠(美晴の彼氏)を紹介する。
アンさんと主税がぎくしゃくする。
主税はアンさんに不快感を抱く。
貴瑚はアンさんと疎遠になってしまう。
ある日、アンさんは貴瑚に電話で忠告する。
主税は貴瑚(キナコ)を泣かせるかもしれないと。
後日、主税は麻巳子という女性と婚約しており、貴瑚は浮気相手であることが発覚する。
貴瑚は主税に説得され、そのままの関係性を続ける。
アンさんが主税の父親に息子が浮気をしていることをたれこむ。
主税は貴瑚を軟禁し始める。

6 届かぬ声の行方
チャチャタウンで観覧車に乗る貴瑚、美晴、52の3人。
(回想)
アンさんの告発に主税の怒りがエスカレートしていく。
主税は興信所でアンさんの素性を調べる。
アンさんがトランスジェンダーであることが分かる。
主税はアンさんの母親に息子がストーカーをしていると連絡する。
主税は麻巳子から婚約破棄され、仕事も現場に回される。
主税はアンさんに憎しみを抱き、苦しみを味わわせるという。
そして外出したいという貴瑚を殴る。
後日、貴瑚は主税に隠れてアンさんの家に向かう。
アンさんのお母さんと貴瑚は、自宅で亡くなっているアンさんを発見する。
アンさんの書いた母宛てと主税宛ての2通の遺書。
アンさんもまた52ヘルツのクジラだったことが分かる 。
主税はアンさんの遺書を読まずに燃やす。
暴言を吐いた主税に貴瑚は刃物を振るう。

7 最果てでの出会い
品城が孫が誘拐されたと騒いでいるらしい。
村中にこれまでの経緯(52のこと)を説明する。
村中のお祖母さんサチゑに話を聞きに行く。
52の母方のお祖母さん昌子の情報を得る。
品城が琴美を駄目にしたことを知る。
昌子は別府で暮らしているらしい。
品城がサチゑの家に乗り込んでくる。
貴瑚、夜寝ているとクジラの夢を見る。
目を覚ますと、52がいなくなっている。
たらいまわしにされると感じた52は、自ら命を絶とうとしていた。
貴瑚は52に一緒に暮らそうという。
52にアンさんから聞いた「魂の番」の話を聞かせる。
52ははじめて声を発する。「キナコ」と。
本物のクジラを目撃する。

8 52ヘルツのクジラたち
別府で食堂を運営している昌子の家へ。
昌子から未成年後見人という制度について説明される。
52と貴瑚がすぐに一緒に暮らすことは難しいことが分かる。
昌子の旦那、秀治から 2年後に一緒に暮らすのはどうかと提案される。
それまでは昌子の家で預かり、会いたい時に会えるようにするというのだ。
貴瑚、52、美晴は残された夏を過ごす。
貴瑚のお祖母さんが大分に移り住んだ理由をサチゑから聞く。
ある日、村中家でバーベキューしているところに品城が乗り込んでくる。
52(愛)が貴瑚を助ける。

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