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【あがり症】扁桃体にとっての嫌悪刺激を考える

あがり症の方のための、
人前で話す練習会(あがっていいとも!)を
主催しているロン毛です。


一昨日、
相手に意識を向けて話すことの困難さ
という記事を投稿しました。


その中で、
緊張しないようにすればするほど、
逆に、緊張を高めてしまう
ことを記しました。



あがり症の方にとって、
緊張した様子を人に見られるのは、
絶対に避けたいこと。


だから、緊張しないように色々と画策します。


しかし、自分が良かれと思ってやることが、
脳の危険察知センサー(扁桃体)にとっては
“嫌悪刺激”になることがよくある。


結果的に、
緊張を高めてしまうことがあります。


今回は、私が身をもって知った、
嫌悪刺激につながる考え方を、
2つ紹介したいと思います。


(参考)「扁桃体」とは?

・嫌悪すべき状況を扁桃体が感知すると、自律神経系を含め身体の中のあらゆるシステムにスイッチが入る。(P247)

・恐怖症の対象物と出会うと、扁桃体は刺激を無意識のうちに感知し恐怖を身体的に表現する。(P303)

エモーショナルブレイン
/ジョセフ・ルドゥー


思考1:「うまく話さないといけない」


私の経験上、
「うまく話さないといけない」と考えることは、

「うまく話さないといけない危険な状況」
という嫌悪刺激を、扁桃体に与えてしまいます。
(緊張が高まる)


私は今までに、社内の偉い人への
レクチャー等を数多くやってきました。


社内の偉い人なので、
私の人事評価を握っています(汗)


だから私が、
「うまく話さないといけない」と思うのは必然。


しかし、そう思えばそう思うほど、
緊張が高まり、頭が真っ白になってしまう
経験を幾度となくしました。


つまり、私にとっては、「うまく話す」ことが
嫌悪刺激だったということです。


思考2:「落ち着いて話さないといけない」


これも、前段に書いたことと似ていて、

「落ち着いて話さないといけない危険な状況」
という嫌悪刺激を扁桃体に与え、緊張が高まります。


人は緊張すると、
声の震えといった身体反応が出そうになります。


しかし、そんな自分を
人に見られることは”絶対に”避けたい。


さらに言えば、
落ち着いて話しているように見られたい。


しかし、「緊張」は生理機能の働きであり、
思考の力で落ち着くことなんてできません。
(当然、無くすこともできない)


つまり、落ち着くことを目指しても、
そんなことは叶わないということ。


そして、そのことが嫌悪刺激となり、
逆に緊張が高まってしまうということです。


似たような場面は多くある


前段で紹介したような、
良くない思考はほかにも多くあります。


一例を挙げると、「恥をかきたくない」


これは、
「恥をかいてはならない危険な状況」という
嫌悪刺激になり、緊張を高めます。

(分かってても、やってしまいがち、、、)



こういった、「逆効果」を防ぐためには、

脳の危険察知センサー(扁桃体)にとっての
嫌悪刺激にならないか?


という観点を持っておくことをオススメします。


最後に


今回紹介したように、

「うまく話さないといけない」も、
「落ち着いて話さないといけない」も、
嫌悪刺激になることがあります。


ではどうすればいいのか?


その対応策は、裏返しで、

「うまく話せなくてもいい」
「落ち着かなくてもいい(緊張してもいい)」


になります。


とは言うものの、
これができるようになるのも一筋縄ではない。


なぜなら、緊張したときには、
どうしても、不安を強める
ネガティブな思考が出てくるから。


しかし、あきらめずに取り組めば、
必ずそう思えるようになると思います。

(実際に、自分が
 多少は改善させることができたので)


それに、人間には、
神経可塑性があると言われています。

脳は「使用依存(使用するほど発達する)様式」で形成される。これは神経可塑性の言い換えに等しい。神経可塑性は比較的新しい発見で、「いっしょに発火する」ニューロンは「つながる」というものだ。ある回路が繰り返し発火すると、それがデフォルト設定、すなわち、最も起こりそうな反応になりうる。もしあなたが安全で愛されていると感じれば、あなたの脳は探検や遊び、協力が得意になるが、あなたがおびえていて、望まれていないと感じれば、脳は恐れや遺棄されたという感情を管理するのが専門になる。

身体はトラウマを記録する(P96)
/ベッセル・ヴァン・デア・コーク


つまり、
脳の反応は変えることができるということです。


今回は以上です。


私の体験談が
皆さんのあがり症改善の
お役に立てれば幸いです。

(関連リンク)
なぜ緊張を受け入れるべきなのか?
なぜ「恥」を受け入れるべきなのか?
核心的な話:成功体験はどのように脳に働くのか?

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