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組織の相転移について考えてみる

こんにちは。long(@kametaro)です。1週間で自分がつぶやいたことを1つピックアップして妄想を膨らませる試み。今週はこちら。

サービスに関して

これって組織ではよくある話ではないでしょうか。要するにみんな自分の目の前のタスクを大事にするあまり、同じ社内の仲間にもかかわらず聞く耳をもたない(もてない)ことあるよね、そういう内容でした。それともう一つ、専門性の高いポジションの人同士が話をするときに、お互いが普段使っている言葉で話すと伝わりにくいということもあると思います。ぼく自身も、正直それでいつも苦労している気がします。

たとえば、エンジニア同士で話していると、いちいち細かいことを説明しなくても情報を互いに補完しあえるので話がスムーズに進みます。ところが、エンジニアじゃない人と話す場合は、いちいち説明しなくていいと思っていることがまあ伝わらなくて、「あー、めんどくさい」「そんなの自分で勉強しやがれ」と思ってしまいます、正直な話。

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データに関して

サービスに関する話と同じようなことが、データのやり取りに関しても起こります。たとえば、先週実施したキャンペーンの結果を分析して経営会議で報告したいマーケターがいたとします。彼女は、SQLとかtableauとかあまり得意ではないので、データエンジニアに「これこれのデータを取得して欲しい」とおずおずと依頼しました。するとデータエンジニア から「キャンペーンIDと期間、それと、集計対象のイベントIDを教えてください」とぶっきらぼうな返事が来て、「こわ。。」と怯えることになるわけです。その後、先輩からその項目を教えてもらってどうにかこうにか、かくかくしかじかと再び伝えてみたものの、またデータエンジニアから「そのイベントIDは現在取得していないのでお渡しできません。イベントIDの取得を開発チームに依頼してください」と、恐ろしい返事をもらい途方に暮れたのでした。かわいそうに。

相転移とは

さて、話は変わりますが、タイトルの相転移というのは、要は、物体の状態が移り変わることです。くわしくはWikipediaをご参照ください。熱力学の用語ですので、組織の相転移というのは単なるアナロジーです。証明つけろとか言わないでくださいね。

ではここで小学校に入学した時のことをおもむろに思い出してみましょう。幼稚園・保育園はありますが、小学校というのは人生で最初に経験する公的な組織と言えるのではないでしょうか?友達100人できるかな?と、期待と不安に胸を膨らませて入学してはみたもののなかなか友達ができない。隣の席の子に勇気を振り絞って「お名前なんていうの?」と声を掛けると、その子も緊張した小さな声で「○○」と返事をする、みたいな。1ヶ月もすれば先生が困り果てるほど、仲良く元気よくはしゃぎ回るんでしょうけど。(※そう考えてみると、最初友達になったのは出席番号が近い子が多かった気がする。)

組織の相転移とは

さきほどの小学校入学の例に倣うと、組織の相転移とはこんな状態変化になるのではないでしょうか。

1. 固体状態 : 入学式で声もかけられずドキドキ。一人でお弁当。

2. 液体状態:少し緊張がほぐれてきて周りの子とお話しできるようになった

3. 気体状態 : クラスメートみんな仲良し。みんなでいっしょに遊ぼう。

4. プラズマ状態 : 先生の言うことなんて聞かないぜ、学級崩壊じゃ。

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学級崩壊も嫌ですけど、職場の組織が崩壊するのも嫌ですね。ただ、会社は利益を生む場所なので、組織が崩壊していようが利益が出ていれば問題なし、というのはあり得そうですが。

組織の熱力学

熱力学第二法則というのがあります。簡単にいうと、熱は熱いものから冷たいものへ移動するがその逆は成立しない。というようなことです。これを組織に当てはめて考えてみると、会社とか組織を立ち上げてすぐというのは、みんな希望に満ち満ちていて、「よーし、この会社をめちゃくちゃでかくしてやっぞ!」と意気込んで熱量が高くプラズマ状態なわけですが、なんか事業もそこそこ軌道に乗って、現実の段階が見えてくると熱量がだんだんと下がってきて平衡状態(状態が変化しない状態)になっていきます。さっきの小学校の話とは逆の相転移が起こると言えるんじゃないでしょうか?(あれ、さっきの小学校の話はそうすると熱力学第二法則に従ってないぞ?まあいっか。)

プラズマ状態 : よっしゃ!この会社で世界変えてやる!

気体状態 : よっしゃ!少数精鋭でもっとデカくしていくぞ!

液体状態 : シェアトップの企業にふさわしい組織にしていかねば。

固体状態 : それ、うちの部署の仕事じゃないですから。

熱いものを冷ますのは改善?

熱力学第二法則によれば、失った熱を取り戻すことはできないので、せっかくベンチャーを立ち上げて成功したのに、会社が長く大きく成長するにつれて、組織自体は固体状態になって生産性を失ってしまうのは悲しいことです。組織に属している人だって、別に固体でいるよりも気体やプラズマ状態で元気に仕事をしていた方が楽しいと思うんですよね。会社が社会から信頼され、社会に対する影響力をもてば、一つのリスク判断が命取りになる。それはわかります。それで部署を縦割りにして責務を最小化、分散化していきたいのもよーくわかる。ただ、なんというか・・ね。それつまんなくね?

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組織を冷まさないためには何をしたらいいのでしょう?そんなのはこういう本を読んで頑張って初期熱量を保持していくしかないんじゃないでしょうかね。ここはあくまで妄想の話なのであしからず。

まとめ

とくに役に立たない妄想を延々と書いてきました。人間の生命が維持できるのも、心臓が動き続けているおかげなわけで、止まれば(つまり平衡状態)ただちに死んでしまうというのは、組織においても同じじゃないかな、そんなことを考えた1週間でした。

自分メモ

熱力学のアナロジーに示唆があるという話で、ついでに「クラウジウスの原理」と「トムソンの原理」を書いておこう。

クラウジウスの原理

クラウジウスの原理とは、「外部から何も変化を与えずに低温から高温へ熱を移すことができない」という原理。例えば、冷めたコーヒーが、外部の熱を吸収してホットコーヒーにはならないということ。つまり、一回冷めたらレンジで温めるとかしないと勝手に温まったりはしないってこと。

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なるほどね、組織に置き換えてみると、いったん固体化した組織は新しい人間を入れないと相転移しないってことかな。さっきの小学校の例だと、潜在的に仲良くなりたいという熱量がそもそもあったのか、あるいは先生から「お友達と仲良くなりましょうね」という外部熱が原因なんだろうか?

トムソンの原理

トムソンの原理とは、「一つの熱源から熱を受け取り,そのすべてを仕事に変換することは不可能である」という原理です。

つまり、「熱の全てを運動として取り出すことはできない」 ということです。例えば、自動車のエンジンで説明しますと、エンジンはガソリンを燃やした 「熱」 から 「ピストン運動」 に変換しますが、100%ピストン運動に変えることはできません。一部が必ず 「排熱」 として排出されます。

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排熱か、これは組織全体の熱量がすべて仕事に注がれるってことはないから、適度に息抜きが必要だってことかな(都合の良い解釈)

半沢直樹

クラウジウスの原理ってこれかー。

マクスウェルの悪魔め、出て行けー!

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