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だい
2020年2月28日 18:09
レンズこいつは大学生で、一人暮らしをしている。部屋は適度に掃除されていて、適度に散らかっている。自分でこしらえたとみえるカウンターの上には、コーヒーミルとドリップポットが隣同士でなかよく並び、部屋にはコーヒーの匂いが充満している。ベランダに近いところに置いてあるテーブルの上が、俺の居場所になった。とりあえず。こいつにあだ名をつけてやろう。学生証からわかったが、本名は”✕✕✕✕✕”
2020年2月27日 15:40
空気感起きたぜ。さすがに。この持ち歩かれている感じ、久しぶりすぎて酔いそうだ。ちょっぴり乾燥した手が、俺を握りしめている。俺は、買われる、、、?今更よろこぶわけでもないが、環境が変わる。それはいいことだ。店の主人は淡々と、会計をすすめる。人間のくせに、感情を持ち合わせていないかのようだ。たしか、玉ねぎ臭かったあのおばさんを前にしても、こんなだった。「カバーは付けますか。」
2020年2月24日 20:24
俺のいる本屋1年間に出版される本の出版冊数はおよそ7万5千冊。1ヶ月にすると約6千冊、1日にすると約2百冊。そんで、俺はそのうちの1冊。20年くらい前に出版された、全共闘についての本だ。今でこそウィキペディアに書かれていそうなことが、だらだらと綴られている。こんな本、誰も読みやしない。そんなこと、店主だって分かってるだろう。だが、この店の主人は、ずっと俺を本棚の隅に置いて