1人目の男
こんな想いをするなら始めなければ良かった
異常な暑さが続いたあの夏を想い出す
連日37度の異常気象に
私も参ってしまってたんだと思う
なぜあんな事をしたのか?
ただ興味が湧いて…
軽い気持ちで登録した
既婚者なのになにを求めてるの?
そもそもマッチングアプリってなに?
どんな男性たちがここに集まっているの?
本当に軽い気持ちだった
ここに生息する男の生態を知りたかった
ただそれだのはずだった
だから自分の自己紹介には
飲み友探し
一緒に飲んで楽しめるお相手探しています!
婚外恋愛やドキドキは求めてません!
とハッキリ書いておいた
さぁこれでどんな男から誘いがあるだろう?
全然マッチングしない事も想定内
いい飲み友見つけて
ご馳走してもらえたらラッキー
最初に決めたルールは
5人に会う
それで辞める
今思えば
そんなルールを作ってしまったのがいけなかった
意味を持たせてしまった
その5人に執着してしまうことになるとは
いまの今まで思いもしなかった
むしろルールを決めたことはいいことで
さすがしっかりしてるな自分!
とかついこの間まで自分自身を褒め称えてた
最初の男
会いましょうと最初に言ってきた男は積極的だった
毎日おはようからおやすみまで連絡も頻繁
何日かアプリ内で連絡を取り合いながら
会う日程が決まる
へーこういうもんなんだ
LINEを交換したいと言われ
承諾した
そこから頻繁に連絡を取り合い
私も初めてのことで少し舞い上がっていた
久しぶりの男性とのドキドキした感じ
会ってないので想像するしかない
彼は子どもが3人いて
大学生、高校生の娘さん
中学生の息子さん
子どもの話も良くするし
家庭的な部分も高評価
家庭がちゃんとしてる男性は信用できる
そしてLINEのやり取りも知的で紳士的
満月が好きって言ったら、
夏目漱石の「月がきれいですね」の話。
アイラブユーを翻訳する際に
日本人は「愛してますね」なんて直接的な言葉は言わない。「月がきれいですね」っていう。
そうやって、
勝手に妄想を膨らましていく
そんなある日、
酔った向こうから今から会えないかと言われた
こういうのは乗ってはいけないと思いながら
駆け引きするのも嫌だし
会いたい。と素直に思ってしまった。
池袋の公園で待ち合わせ
初めてのことでドキドキ
どんな人だろう?
会いたいような会いたくないような…
会ってガッカリされたらどうしよう
こんな女イヤって思われたらどうしよう
めっちゃイケメンだったらそれも恥ずかしい
私がガッカリしちゃうかも…
イケメン?おじさん?大丈夫???
ドキドキして待ち合わせ場所へ向かう
どの人だろう?誰???
あ、この人かも…
あ、無理。
第一印象、ガッカリ…
私が妄想を膨らましてただけ
現実はこんなもの
その後のことはあんまり覚えてない
うわの空
手を繋がれたことは覚えてる
帰り道
こういうもんだよね。って
ずっしり重い気持ち
自分を戒める