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カラスの亮平と私 ep9


こんにちは、みなさんはカラスにどんなイメージをお持ちでしょうか?
怖い、気持ち悪い、案外可愛いよね!いろいろな感じ方をされると思いますが、圧倒的に「嫌い」と思われている方が多いと思います。

今日は、チーズケーキの事ではなくて、カラスの亮平と私のお話です。



亮平と呼ぶそのカラスは、わたしのストーカーで笑、店のみならずなぜか自宅まで突き止めていたんです。すごくないですか?

そのカラスの話をしている時「亮平ちゃん(鈴木亮平さん)やったらいいのに笑」って言ったら「そのカラスが亮平ちゃんなんちゃう?」って言われて、そんな事から「亮平」と呼ぶようになりました。
すみません。



店を始めた時、営業時間を12時~22時と長く設定したので、お客様がいない時は、店の裏で休んでいました。裏は田んぼで、そこにカラスが草を食べによく来ていて、日々ぼ~っと眺めていました。
(ハシボソガラスはほとんど草を食べているようです)


そんなある日、


誰かが、カラスを追い払おうと空気銃で、狙って撃って脅かしていました。

「そんなんで撃ったらアカンよ」

咄嗟に止めに入ったのが今から思えば切欠で、その時から少しずつカラスが近づいてくるようになりました。

もちろん、餌付けする事はありません。カラスのみならず、野生の生き物に餌は与えません。

本当は、鳥がとても苦手で小さな可愛い鳥でも触れないし、めちゃくちゃ怖いんです。鳩の軍団がいる公園などは、怖くて通れない位なのですが、恐々ながら亮平とコミュニケーションを取るようになりました。

だって、出勤して、裏の戸を開けると、先ず亮平がやって来るのですから「カァ」おはよう!「おはよう」と、私も挨拶するようになりました。

ある日、亮平がけたたましく鳴いています。

物凄い鳴き方です、苦情が出るくらいの煩さです。どうしたのかと裏に出ると、猫を威嚇していました。

その前日にこんな事がありました。
農家さんの持ってきてくださった野菜を、段ボールに入れて裏に置いてたのです。そうすると、見知らぬ猫がオシッコをしていて、全部捨てる事になりました。裏口からキッチンに入ろうともするので、何度か追い払っていたのです。飲食店の不衛生は一番お客様にご迷惑をおかけするし、やっぱり正直困ります。

それを亮平が、見ていたのかもしれません。

店の裏をうろついている猫を威嚇して、追い払っていたのです。
それから、猫が来て悪さをする事もなくなって、亮平には感謝しています。

それから、もしや?亮平は私と友達だと思っているのかな?と、感じるようになりました。


1年ほど経ったある日


朝起きて、自宅の窓を開けたらカラスが「カァ」笑。
家まで突き止めたのね。

洗濯物を干そうとベランダに出たら、キラキラ光る小さな綺麗な石が落ちていたり、木の実が落ちていて「なんだろう?」って、ずっと不思議に思っていたんです。ベランダは2階、近くは低木ばかり。それで、これは亮平やな!と、気づきました。海なし県の奈良県なのに、時には貝殻まで置いてありました。

仕事が休みで、家にずっと居る日は、玄関の前のフェンスに亮平はずっととまっています。何時間もずっと「見張りか」って思います笑。

亮平に子供が生まれた時は、店の裏に家族全員でやって来て、小さな子供がヒョコヒョコ歩く姿を見せてくれました。
珍しいですよね、子育て中のカラスは凶暴と言いますが、無防備に小さな子供をわたしの至近距離で歩かせたり、休んだりしていました。3羽のかわいいホワホワのカラスです。(実際に、ハシボソカラスは歩いてる時間の方が長いらしいですよ)

朝、窓を開けたら「カア!」
店に出勤したら「カァ!」
付いて来てんのかい!笑

そして、亮平はお客様の事もよく見ていました。カラスの知能は7歳児くらいと言いますが、私が大好きなお客様は、亮平も大好きだったみたいです。以心伝心分かるのかなぁ?

そして、そんな毎日が7年か8年、ずっと続きました。

直ぐには気づかなかったのですが・・


ベランダに贈り物が届かなくなっていました。キラキラ光る石も、貝殻も、何も落ちていません。毎日気にしていたわけではないし、亮平も来ないときは来なかったので「どっか行ってるんかな?」位にしか思っていなかったのですが、はたと気づきました。

亮平、もういなくなっちゃったんやな・・・って。

直ぐ調べてみると、野生のカラスの寿命は7~8年と書いてありました。
急に悲しくなって「お別れの挨拶に来てくれたんかな?」とか、思ったら涙が止まらなくなりました。

店を始めて、ひとりぼっちの私を、ずっと守ってくれた亮平。私を虐める者から守ってくれた亮平。キラキラ光る贈り物を、いっぱいベランダに届けてくれて、私を元気づけてくれた亮平。

今まで、本当にありがとう。
もう会えない事、すぐに気づかなくてごめんね。

私は、鳥が苦手だけど、君の事は好きになろうって努力したのよ。朝とか、大きな羽でバサバサって飛んでくるから結構怖かったけど、平気な顔をしてました。

他のカラスは、全く懐いて無いし私の事なんて見てないから、遠くで鳴いてるし、店の裏に来たりもしません。
でも、きっと、亮平の死は知らせてくれたんだろうな・・・

亮平が、どこにも居なくなって寂しいです。
朝、窓を開けても何もないし、店の裏口開けても「シーン・・・・」

さようなら・・・

たくさん楽しい思い出をありがとう。
私と出逢って、君が楽しかったのならそれで私も嬉しいです。

これが、カラスの亮平と私のお話です。



ちいさな店の心のこもったチーズケーキの物語

こんな私が一人で営む小さな店の、私だからこそお焼きすることが出来る、素直で優しい味のチーズケーキ。みなさまに支えていただき、応援していただいて、精一杯日々を生きています。
そして、とびっきりいっぱい愛情を込めたチーズケーキを、大切なお客様や、大切なお客様の大切な方へお届けできるように、精進する毎日です。

このnoteを読んで下さっている皆様にも「akaiitoのチーズケーキ、買ってみたいな」そう思っていただけると幸いです。これからも、応援よろしくお願いします。

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