【特性因子理論】職業指導の創始者 パーソンズの理論を学ぶ。【キャリア理論家紹介①】
みなさん、こんにちは。
今回から「キャリア理論の提唱者を紹介するブログ」をシリーズ化していきたいと思います。
このシリーズでは、キャリア理論の発展に大きく貢献した理論家たちを紹介し、彼らの理論が現代のキャリア形成にどのように役立つかを探っていきます。
初回は、職業指導の創始者であるフランク・パーソンズについて紹介していきます。
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⚫︎パーソンズとは
パーソンズ(1854-1908)は、アメリカの社会改革運動家であり、職業指導において優れた知識と技術を持っていた人物です。
職業指導運動に従事している中で、何度も転職を繰り返す人々を見て、その失敗の原因を、知識やスキルの不足ではなく、計画性のない職探しが失敗の原因であることに注目しました。
そして、1909に出版した著書『職業の選択』のなかで、後に有名になる「特性因子理論(マッチング理論)」を提唱しています。
⚫︎特性因子理論について
◻︎特性因子理論とは
特性因子理論とは、「個人や職業にはそれぞれ特徴があり、個人の能力に合った仕事を選べれば、仕事に対する満足度は高くなる」とする考え方で、一言で言うと「人と仕事のマッチング理論」です。
ちなみに、特性因子とは以下のように分解して考えることができます。
例えば、人と会話するのが苦手な人が(特性)、人と交渉して契約をとる営業職になると(因子)、仕事の満足度が低くなるということです。
現代を生きる我々にとっては当たり前の価値観ですが、パーソンズは、その当たり前の価値観を100年以上前から提唱していたのです。
◻︎特性因子理論「3つの要素」
パーソンズは、特性因子理論の基本となる、仕事の満足度を高めるために必要な要素を、3つ挙げています。
より具体的に説明すると以下のようになります。
自分自身の性格・興味・強み・弱み・価値観について理解すること
職業に関する情報(仕事内容、働く環境、求められるスキル、給料、将来性など)を理解すること
自分の特性と職業の特性を照らし合わせ、最適な職業選択を行うこと
つまり、職業選択は合理的に考えてマッチングさせることで、満足度が高くなるということです。
逆にいうと、仕事に対して不満を抱えている方は、自己分析・職業分析のどちらか、もしくは両方が不十分であることが考えられます。
また、「自己分析・職業分析は十分できている!」という方は、業種・業界は自分に合っていると思うので、働く環境(会社や人間関係)を変えると、満足度が高くなるかもしれません。
◻︎特性因子理論「7つの段階」
パーソンズは、先ほど紹介した特性因子理論の「3つの要素」を支援するために、下記の7段階の過程を提唱しています。
パーソンズは、この7段階を得ることによって、人と仕事のマッチングがうまくいき、仕事の満足度が高まると考えています。
⚫︎特性因子理論の活用
パーソンズの特性因子理論を現代の職業適性検査において活用した例に「GATB(一般職業適性検査)」というものがあります。
GATBは制限時間内に問題を解くことで9つの適性能(知的能力、言語能力、数理能力など)を測定し、職業への適性を確認できます。
※ハローワークで無料で受けれます
就職に関連した検査として、SPIがありますが、GATBはSPIほどメジャーなわけではありません。
しかし、検査を受けた人がどういった職業に適正があるかを、数値として自身の適性を調べられることができるので、一部の企業では、新卒採用や中途採用の際に活用しています。
⚫︎まとめ
今回は職業指導の創始者であるフランク・パーソンズについて紹介してきました。
パーソンズと言えば、特性因子理論(マッチング理論)であり、現代を生きる我々にとっては当たり前の価値観を100年以上前から提唱していた人物です。
次回は、この特性因子理論のパーソナリティと環境をより細分化し、パーソンズの理論を実用化したジョン・ホランドについて紹介していきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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