桐壺登場 その十 光る君の袴着を妄想とともに語る
その十 光る君の袴着を妄想とともに語る
光る君が三歳になる年、袴着の儀が行われることになりました。帝の御子ですから、公事です。当然、一の御子と同じくらいには、と言う女房もおりましたが、私にはどうでもいいことでした。
我が子の袴着です。感無量です。本当に、よくここまで健やかに育ってくれました。これから人となるための初めの一歩、子どもという可能態の時代が幕開けします。あなたの子ども時代が明るく豊かで普通でありますように。お母さんはあなたをお祝いします。
しかし、と申しまし