小説家の映画感想文 ディズニー&ピクサーのマイエレメント+マイエレメントのメイキングを観て

すぐ癇癪起こすエンバーってほぼ私じゃね?

Ola, que tal? Loca Hermanaの書斎へようこそ👠
ディズニー+で映画「マイエレメント」と「マイエレメント メイキング」を見たのでそれの感想とネタバレを話します。ネタバレ注意!

ストーリーは、水・土(土ってか見た目はほぼ木)、風(ほぼ綿あめ)、火の四つの元素が擬人化した世界が舞台。この四つのエレメント人間達がエレメントシティというでっかい大都市で暮らしている。

このエレメントシティは、元々、まず最初に到着したのが水のエレメント達だったので、どうしても街の仕組み全般が水優先で出来上がってしまっている。水の後から来た土(ほぼ木)と風は水と相性がいい元素なので、三つの種類のエレメント人間達は、みんなで仲良く暮らしましたとさ。

・・・って思ってたら、何と、前代未聞のエレメント達がエレメントシティに移住してくる。火のエレメント人間達!水と正反対やないかーい!火の人間で最初にエレメントシティに移住したのが、主人公エンバーの両親、父バーニーと母シンダーだった。火のエレメントだけが住んでいた国・ファイアランドを出て移住した二人は、「火だから危険、全部燃やしそう」みたいな感じで偏見を抱かれ、差別を受ける。それでも娘のエンバーを育てるべく、がんばる。実はバーニーは国を出る時、バーニーのパパ(エンバーの祖父)に別れの挨拶みたいな土下座みたいな最敬礼をするが、返してもらえなかった。バーニーのパパは「この、国を出ていく裏切り者め」みたいな態度をバーニーに取り、それでバーニーはずっと傷つく事になる。でも移住先のエレメントシティでも差別を受けるし・・・ふんだりけったりやん。

ともかく、パパお手製のお菓子などを売る雑貨店を開き、ママは占い師として店の中で占いの商売をする。店には故郷から苦労してもってきた青い火を置いてる。次第に他の火のエレメント達もめっちゃ移住してきて、火のエレメントが住むエリア・ファイアタウンができる。(火の民達は故郷と同じファイアランドって呼ぶ)エンバーは店の跡継ぎになるよう言われて育つ。店の手伝いをしつつ、早く後を継ぎたいと願うエンバー。身一つで出てきた両親の苦労を理解するめっちゃいい子。でもよく癇癪を起こして接客対応にはちょっと問題あり。

ある時接客中に癇癪を起こしそうになったエンバーは自分を落ち着かせるために地下へ行き、そこで癇癪大爆発した結果水道管が破裂しさあ大変。そんでもって、何故か水道管から出てきた役所勤めの水の男・ウェイドがいて、こんな水道管破裂とか危ないから君の店を営業停止にするねとかほざくので、またブチギレるエンバー。

ウェイドのせいでパパの店が営業停止になってしまい、怒り狂ったエンバーはウェイドと一緒に役所に行ったり、ウェイドの上司の風のエレメントに掛け合ってどうにかしてと懇願する。大好きなパパに店が営業停止になった事を隠さなきゃいけないのもなかなかの心労。で、ウェイドの上司に「水道管が破裂した原因を突き止めたら営業停止はナシにしてあげるよん」的な事を言われ、エンバーとウェイドは一緒に行動する事になる。

この間、ウェイドがエンバーの事をホットだと言ったり、エンバーのママが、娘が誰か男といい感じじゃね?とかぎつけたり。
調べるうちに、そもそも火のエレメントの街の水道はとっくに止まってるはずなのに破裂すんのはおかしくない?となり、いろいろ調べた結果水のエレメントの富裕層がでかい船に乗って行き来する、その水が火のエレメントの街になだれ込んでるとわかった。火のエレメントであるエンバーはガラスが作れるので、でっかい強化ガラスを自分で作って水をふさぐ事に。ウェイドの上司もこの対策にOKを出し、店は無事に営業停止を免れる。

ここで終わればいいけど、そうはいかない。エンバーとウェイドは一緒に行動するうちにお互い惹かれ合うようになり、デートしたり、ウェイドの家族のいる高級マンションに遊びに行ったりする。ウェイドは涙もろくてすぐ泣く。ウェイドの家族にも歓迎されるエンバー。ウェイドの家族も涙もろい。もう結婚する?!という勢いだが、そもそも相反する火と水が付き合ってはいけない、という火のエレメントの掟を破れないエンバー。触れたらどっちかが死ぬやん、と言うエンバーに、じゃあ試しにやってみようよ、というウェイド。で、試しに手を繋ぐと・・・大丈夫!ウェイドの水があったかくなるだけでどちらも死なない。そのままハグしたりするが、何も問題無く、二人はいい感じに。でもエンバーは家に帰ると言い出し一人去る。

実はエンバーのママの占いでは、二人は真実の愛的なもので結ばれてるらしい。でも火と水だしね・・・それにエンバーパパは水の男であるウェイドを警戒。かつて差別を受けた経験から水のエレメントが全員大っ嫌いなパパは、ウェイドを店の出禁客リストに入れる。エンバーは、ウェイドの家族と会った時に、花瓶を壊してそれを直したのを見られ、ガラス職人の才能があると言われた。それがきっかけで、本当は店を継ぎたくない、ガラス職人とか別の道に進みたいという思いがあるのをわかったけど、でもパパの店を継がなきゃ、ウェイドとも付き合えない・・・と自分を押し殺す。

そうとは知らないエンバーのパパは、「娘に店を継がせる&そのお披露目パーティーするぜ!」と大張り切り。店の看板も「エンバーの店」みたいなやつに作り替えて、エンバーにプレッシャーを与える。おいおいパパ。で、パーティーの最中に、ウェイドがやってきてパーティーぶち壊し。本当は後継ぎになりたくないというのをパパに言えよ、と言うウェイド。パパを想うあまり、「あんたなんか好きじゃない」的なひどい事を言ってウェイドを追い返すエンバー。娘が水の男と会ってた事にブチギレ、お前に後は継がせない、とブチギレるパパ。

えーどうなるの?!って思ったら、その後エンバーが作ったガラスのドアが決壊し、水がファイアタウンにやってきて大洪水。大災害に。エンバーは両親を逃がした後店にある青い火を守ろうとするが、そこにウェイドがやってきて、助けてくれる。でも、青い火を守るためにエンバーが水が入ってこないように空間をふさいだせいで、ウェイドはエンバーの体から出てる火で蒸発してしまう・・・。(逆にこうしなければエンバーは洪水が入ってきて死ぬ。ウェイドかエンバーのどちらか死なないといけない状態で、ウェイドはエンバーを守るために死んだ)

水が引いて、両親が店に戻ってきた時、エンバーは、ウェイドが自分を守るために死んだ事、本当は店を継ぎたくない事など本心も全部話す。和解するエンバーと両親。そしたら死んだはずのウェイドの泣き声が聞こえる。蒸発して水滴になってたウェイドが、和解シーンを見て感動で泣いたのだ。そうだ、こいつを泣かせればめっちゃ涙が出て復活するやん!と思い、エンバー達はウェイドを泣かせるための言葉をたくさん言って、ウェイドは復活する事ができた。

その後。パパの店は、別の火のエレメントの人が継いでくれた。パパとママは悠々自適の隠居生活。エンバーとウェイドはエンバーがガラス職人になるため国外へ船で旅立つ。旅立つ時エンバーは土下座の最敬礼をして、パパもそれに土下座返して、ハッピーエンド。

映画未公開シーンでは二人は結婚して赤ちゃんも生まれるそうな。水と火の子供だからスチームベビーだって。

「マイエレメント メイキング」ではマイエレメントのピーター・ソーン監督が生まれ育ったニューヨークの街を歩きながら自分の過去とか振り返りながら何でこの映画を作ったのかについて語る。この人はピクサーの数々のキャラを生み出したり、時に映画の声優もやったりしたすごい人。

ソーン監督は韓国系アメリカ人で、監督の両親は韓国から移民して、言葉もわからない中苦労して食料品店を開き、監督と監督の弟を育てた。そう、エンバーの両親のモデルだ。両親が移民として苦労してきた経験が物語に組み込まれている。一方、韓国人として生まれ育ち、後からアメリカに移民した両親とは違い、初めからアメリカ人として育った監督や弟さんは、親との価値観の差を感じる。ファイアランドから移住したエンバーの両親と、初めからエレメントシティ生まれ育ちのエンバーで、価値観の差があるように。

親の店を継がず、アニメーターになる道を選んだ事や、韓国系じゃない奥さんを選んだ監督の経験は、店を継がずにガラス職人になる道を選び、火のエレメントと結婚するよう言われていたのに、水のウェイドを選んだエンバーによく似ている。

いろいろあったけど、苦労して自分達を育ててくれた両親の事を愛している監督。監督は、韓国出身の両親は口で愛しているとは言わなかったけど、いつも愛情は伝わってた。そして自分自身も、今は亡き両親に、マイエレメントという映画を通じて親にI love youと伝えてる。

・・・・なんか、監督を見てたら、自分はどうだろう、そうだな、私は自分の小説で親に伝えてるのは・・・I love youじゃなくてf*ck you とか、I hate youとかだな・・・。私は自分の小説で、親に対する反抗の気持ちばっかりだな。監督とは全然違うな・・・。と思った。過保護過干渉な親から自分の心を守るための手段が、小説を書いて自分を表現する事、だったから、うーん、私はソーン監督にはなれないよ・・・・。

エンバーはとにかく親想いなめっちゃいい子で、この時点でもう私とは違う。どうやって親に反撃してやろうかという事しか考えていない私とは全然違う。でもすぐ癇癪起こすところは一緒☆

まあ、何も問題無い親子関係何て、なかなか無いよね。親子関係は難しいから。

まあ難しいけど・・・エンバーとエンバーの両親、監督と監督の両親の関係を見て、まあ親もいろいろ大変だったんだよなとしみじみ思った。

ちなみにカップルで見るのがおススメです。私は自宅で夫と一緒に見ました。おうちデートにどうぞ☆




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