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Spatial.Chatは神保町になりうるのか

Spatial.Chatで街を作ってみたら、意外にも面白く、そして盛り上がったのが前回。それはこちら↓のnoteに。

Spatial.Chatは近づいていけば音声が聞こえて相手の顔も見えるようになり(ビデオON前提)、遠ざかると声は小さくなり、また、UPしてあるYoutubeなども近くに行けば音が聞こえて、遠ざかると聞こえなくなると言うように、とてもリアルの空間に近い感じの世界がバーチャル空間に広げられる面白いツール。

この「街をつくってみた」をやった後、「なにかジャンルをひとつ決めて、専門店街的にやってみましょうよ」という話になり、ならば次は「古本屋街でしょう」「じゃあやってみよう!」。

結論から言えばそこは神保町を超える面白い世界

まず最初、主催側としても「古本屋街をやろう、StayHomeでみんな本も読んでいるし、蔵書も増えている。手放したい本もいろいろあるよね。それをSpatial.Chat上で見せながら、来客者に話をしながら売ってもらう、そんな空間を作ろう!」と思ってイベントを立ち上げ、準備を始めた。

ところが....「出店してみません?」と声をかけた人からこんな素晴らしいコメントをもらった。

販売する本=興味がなくなった(いらない)モノになりそうなので、熱量高めにオススメできそうになくて。ただ、販売はしなくても良いので選書はしたいですねー。ひたすら推しまくるという。
自分、一度読んだものを何度も読み返して都度発見していくスタイルなので、気に入ったものは基本的に手放さないんですよね。

なんで気づかなかったんだ自分、と思うほど、ハッとした。
自分のこととして考えてみれば自分もまさにこの通り、蔵書は2度3度と読み返して、ふと手にとってパラパラする。ゆえに「え?売るの?手放すの?」となる。当たり前じゃないか。

いろいろと試してみると言うのは大事なことで、こういった気づきが続々と出てくるから楽しい。出てきた気づきをスルーするのではなく、どんどんそれを面白がって、「お、じゃあそれやってみよう!」につなげていくと、新しい面白いことが生まれるんだろうと信じているので、これはやってみるしかない。

ということで、今回の出店は2パターン。

1. 純粋に自分が読んで、もう手放しても良いよ、となった本を並べて売る。
2. お気に入りな本をイチオシ、来店者は自分でどこかでその本を調達する。

こんなやり方で集まったのは全部で7店舗。
集めた情報は
・店舗名/参加者名(ロゴなどあればそれも)
・書棚の写真(販売する本)
たったのこれだけ。

あとは事務局側で、Spatial.Chatの管理画面から会場準備。
オーナーが待機する場所を作ったり、事前に*店舗の情報・画像などをUPしたり(*管理画面から事前にUPしておくのは、普通に会場に入って各自のUPだと、それぞれのPCやタブレット類がハングアップしたりしたときに画像など各自それぞれがUPしたものが全て消えてパーになってしまうため=管理画面の事前UPは消えない)。

ビジネス本が豊富なところだったり、コミュニティスペースにある書棚だったり、イチオシの本を1冊だけガツッと紹介したり、料理本に特化したり。

なかなかこんな出店の「古本屋」ってリアルの世界にはないわけで、そもそもが新しい光景がバーチャル空間に広がる。

all店

前回の街づくりの実験結果を踏まえて、新規でログインされるとかならず真ん中の焚き火のエリアに入ってくるようにしたこと(真ん中あたり)を改善してみたり。

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それぞれの出店者には自由に空間を作ってもらうようにした。
なかでも面白かったのは、Youtubeも貼り付けられるので関連する動画などを見せたり、Amazonのお気に入りリストにコメントを入れて本を並べ、気に入ったらお客さんはそこから買ってもらうようにしていたり、さらには読んだ年別にわけてある自分の蔵書のInstagramのQRコードを貼り付けていたりしたブース(ちなみにこのSpatial.Chat、スマホだとiPhone/iPadのSafariでもログインできるのだけれど、その場合はQRコードを長押しすると当該サイトに飛べるというのが新しい豆知識発見)。

ただ単に本を見せる/本を紹介するってだけでなく、さらなる情報元として動画やQRで外部につなげるなど、広がっていく可能性がいくらでもあるということがよくわかったし、今回も30人を超える来場、それぞれの滞在時間も比較的長めで、実際に本も売れていた(お金のやり取りはLINE PayやPayPay経由)ので、この実験は成功と言って問題ないと思う。

いま、一般社団法人LivingAnywhereでは「オンラインでできることってなんだろう?」と言うことを前向きに考えて、実験してみている。そのうちの1つのツールがこのSpatial.Chatだけれど、このツール自体は謎めいた存在であることは確か。

オンラインでは定番になったZOOMや各種メッセージツールなどは運営元がはっきりしていて、リアルな「サービス」として運用され、それこそ大掛かりなイベントなどでも使われたりしている。そういう視点からすると、まだまだこのSpatial.Chatは難しいところがある。ただ、だからと言ってスパッと見離したりするのはモッタイナイ話。

「いまはオンラインでないと...」というこの状況下で「何がオンラインで可能で、何がオフライン=リアルじゃないと難しいんだろうか?」「いろいろなツールを分け隔てなく色々試してみたい」という切り口で様々なツールを実験してみている。そうすることで、より濃縮されたリアルが見えてきて、終息したアフターコロナの世界がより充実させたものになり、かつ、今後想定される第二波・第三波であったり、コロナとは違う疾病や災害だったりしても、より前向きに生きていけるための「備えのひとつ」として捉えられれば、LivingAnywhereの世界観により近づけるのではないか?と考えている。

そのためのツールはなんだって良いじゃない?

次回、今回の開催中に同時多発的に「これ、動画を観せながら自由に話をするような企画やったら面白いんじゃない?」なんて声があったので、早速トライしてみようと思う。

※LivingAnywhereの世界観に共鳴していて、もっと自分ごととして考えたい!というかたは是非LivingAnywhere Communityにご参加ください!

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