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死は生を輝かせる|裏の畑Body work部

月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」にて、Body work講座を担当しています。絵の教室についてはこちら↓


2月15日。

立春を終えて春の頂点である春分に向かい始めるこの時期は、冬の気と春の気がせめぎ合う時。冬にため込んだ古いものと新しく生まれてくるものがぶつかり合う。前年をふり返って手放していくことを整理しながらも、冬の間に醸造されたことの中からエッセンスを取り出し、次の年に持ち越していくものを掴んでいくときです。

前回のBody work講座で、新しい一年が始まる時に新しい春分点を探すというお話をしました。そして、占星術の世界においてここは記憶を失いやすいポイントとも言われています。それは、輪廻転生という世界があるならば、人が生まれ変わった時に前の人生の記憶を忘れてしまうことと似ています。春分に新しい太陽が姿を現した時、その光に圧倒されてこれまで一年に紡いだものを忘れてしまうのです。

新しい春分点を迎えた時に前の年に紡いできたことの記憶を失わないためには、きちんと今この時期にふり返って結晶化させておくことが大切です。

今回のボディワーク部ではまず、シュタイナーの説く輪廻転生のお話をしました。春分からはじまった一年が死を迎え、また新たな一年という生をはじめるというプロセスと輪廻転生のお話はとてもリンクすることが多いのです。

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そして、実際のワークでは一年という今ここの時点から昨年の春分点まで時間を遡り、この一年のエッセンスを結晶化させるということを行いました。これは一生をふり返ることとにも繋がっていて、死後の世界で自分の人生であったことを精算してまたここへ帰ってくるプロセスを生きているうちに疑似体験することでもあります。

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いつも大事な節目にワークをするときに使う道具たちを持ってきてみました。
それぞれが豊かな旅になるようにと願いを込めて、お香とキャンドルに火を灯します。

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ワークに入る前には、裏の畑主宰のあきこさんがストーブに火を入れてくださいました。時折パチパチとはぜる音と白檀の香りに誘われながら、1月、12月、11月と2021年の春分までを遡っていく誘導瞑想を行いました。なんともいえない時間でした。

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最後にそれぞれこの一年はどんなことが結晶化されたのかを最後にシェア。一年を遡る旅から帰ってきたみなさんの顔はとても柔らかくて優しくて美しかった。

哲学者の西田幾多郎は、「生きているうちに死んだものは、死んだ時に死なない」と言ったそうです。

生きているうちに死のプロセスを体験するということは決してネガティブなことではない。生きているうちに死を意識するということは、なぜわたしはここに生きているのか、そしてどこへ行こうとしているのかをしっかりと認識するということ。それは、自分の人生のすべてを自分で引き受けようという態度を育て、今生きているという現実に輝きを与えてくれるのだと思う。

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