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麻雀は大人の教養なのかも知れない、

十月二八日

フォトグラフ、フォノグラフ、シネマトグラフというように、これらがみな、語尾に「グラフ(graph)」という言葉がついています。グラフというのは「書き取り」という意味で、語源になっているgrapheinはギリシア語でカく「書く・描く・画く・掻く」という意味です。つまりこれらの呼称が示しているのは、これらはみな一種の文字であるということです。

石田英敬/東浩紀『新記号論』(ゲンロン)

午後十二時半起床。いつもより余計にねむい。ぼくらはみんな生きている、生きているから眠いんだ。手のひらを太陽にすかしてみたいが、曇り空のせいでそれができない。ぼくに真っ赤に流れる血潮はあるのだろうか。モーニングアタック一発。紅茶、柿ぴー。おいおい今日から日本選手権シリーズだよ。どう贔屓目に見ても勝つのはオリックスと思うが、せめて二勝はしてほしいね。野球において私はつねにリアリストであり、敗北主義者なのだ。きょうの先発は山本由伸。ベンチワークで一点でも取れれば御の字。二点取れたら奇跡。三点取れたら人類絶滅。
きのうは二時からコハさんと三時間近く閑談。バイト先の会社の自分の部署がそうばん無くなりそうだとか。祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響あり。人を泣かすより人を笑わせるほうが難しいこと、ナンセンス文学、インボイス制度、物言う株主など話柄尽きず。
執筆は三時間。

阿刀田高『食べられた男』(講談社)を読む。
全体的にキレッキレですわ。アイロニー全開放出。
刑務官が脱走した死刑囚をぐうぜん轢き殺すという「時間外労働」は傑作。過失運転致死は「罪」になるのに法律に則った殺人は「罪」にならないのはなぜか。
「笑顔でギャンブルを」にも唸らされた。
「八索の女」「八萬の幽霊」は麻雀に材を取った作品。麻雀とは136個の牌をルールに従いながら組み合わせる室内遊戯。東(トン)南(ナン)西(シャー)北(ペイ)の順に反時計回りで進行する。と説明してはいるけど、俺は麻雀のことはあまり知らない。ゲームの流れは漠然と知っているが、役は七対子(チートイツ)しか知らない。高校時代、無理矢理やらされていたのであまり好きではないのだ(仲間外れにされていなかったとも言えるけど)。「テンパる」「リーチ」「アンパイ」「チョンボ」など麻雀由来の日常語は少なくない。その点で麻雀はやはり「大人の教養」なのかも。「アンパイ」は野球ファンのあいだでもよく使われます。安牌(安全牌)とは捨てても他家にロン上がりされない牌のこと。そこから転じて、危険がすくなく扱いやすいもの、あるいはその相手のことを意味するようになった。「ノイジーは相手からしたらアンパイだから」と今年なんど聞いたことだろう。まあ彼は守備の助っ人だからいいか。

さいきん便がやたら固いんだ。「ストレスフリー」に生きているつもりなのに。もうそろそろ飯食うわ。オッケーグーグル、グアテマラの人口おしえて。

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