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想像を絶するドアホ、HYMMN、

八月九日

かれらは、他人に害を与えないで自分の欲情を満たす方法を、ほかに見つけることができなかったのだ。

パスカル『パンセ』(田辺保・訳 角川書店)

午後十二時五五分。調整豆乳、紅茶。長崎原爆の日。昔の友人と車輪の歪んだ自転車で高速道路を走っている夢をみているうち寝坊した。明日は正午前には必ず離床する。この時期の昼夜逆転は洒落にならない。昨晩ひさしぶりにアオキに行ってウィルキンソンのウォッカ等を買った(肉は買わなんだ)。安ウォッカはアルコール臭が半端ないのでグレープフルーツジュースなんかで割って飲む。こんどから割ったものを一日グラス一杯までとする。これならたぶん悪酔いしない。これを最後の酒にしたいけども難しいだろな。アディクションの一つや二つ誰にでもあるものだし、あるべきよ。堕落要素皆無な人間ほど詰まらないものはない。そんなのは工事現場の旗振り人形以下。生きよ、堕ちよ。堕ちてこそ人間。もっとも堕落要素の無いこと自体が最大の堕落なんだけど。きわめて野暮な。いやだから「まじめな人」叩きをするなって。俺は俺以外の人間を受容するのに日々膨大なエネルギーを消費している。人間ってのはもともとどうしようもなくダメなもので、このどうしようもないダメさは隠すより隠さないほうが「男らしい」し、そのほうが世のため人のためになる。さいきんフワちゃんとかいうタレントの暴言ニュースがマイクロソフトスタートにやたら表示されるんだけど、そもそも誰なんだよお前って話。世の中はどうでもいいことだけで成り立っている、といったのは誰だったか。イギリスの「極右デモ」騒ぎはもう収まったのかな。あまり関係ないけど自分のことを「極右」とか「極左」とか言いたがる人間ってだいたい知能も教養も低そうだよね。

『選択』(七月号)を読む。
とちゅう食中毒があったりしたので読了に一週間以上かかった。米映画界がCIA(中央情報局)と濃密な関係を結んでいるという記事がもっとも印象に残っている。CIAはアメリカの対外諜報機関としてその名が知れ渡っているが、そのCIAが映画の製作過程に深く関わり、自らの肯定的イメージを作り上げるよう暗躍しているという。信用してない雑誌に書いてあったら都市伝説か陰謀論としか思えなかっただろう。CIAの諜報員が登場し活躍する映画を数え上げるとキリがないのは確か。有名なところでは『ミッション:インポッシブル』シリーズや『アルゴ』。映画の制作側としても本物のスパイ機関が関与してくれたほうが「リアリティ」を持たせられていいのかもね。あと何だかんだいって「お上」と良好な関係を作っておくことは保身上有効だ。どう控えめに言ってもCIAはやばい集団(優秀かどうかは別として)。チリのアジェンデ政権やイランのモサデク政権など、政府にとって不都合な外国政権の転覆にCIAは過去何度も協力してきた(協力というより主導といってもいいかも)。そんなやつらに誰も睨まれたくない。この組織の歴史をざっと知るのに有用なのはティム・ワイナー『CIA秘録 その誕生から今日まで(上下)』(文藝春秋)。いまはイスラエルの諜報機関「モサド」のほうに興味がある。このあとどうしようか。文圃閣に行きたい。それまでに雲古をぜんぶ出さないと。このごろケツの穴が痒いんだ。とくに寝る前とか。先週の長い下痢で肛門の粘膜がただれたのかも知れない。飯食おう。昨夜買ったネギを炒めます。一束(三本)160円。世界はきょうも滅びたがっている。底辺にへばりついている屑どもの悲鳴が聞こえる。俺はまだ首を吊りたくない。マクマリー有機化学。神々の乳首。ラクダの鎖骨に口付けをするのはまだ早い。論理的に堕ちよ。

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