精神科医はな

こんにちは😃関東圏の精神科医です。中でも認知症は診療歴長いです。外来、入院、訪問診療を…

精神科医はな

こんにちは😃関東圏の精神科医です。中でも認知症は診療歴長いです。外来、入院、訪問診療をしてます。助けになって、助けられて、お互いさまになりたいです^ ^!お散歩しながら写真を撮るのが趣味です🌸

最近の記事

アモキサン難民

うつの患者さん、すごく多いですね。お年よりにも沢山います。 お年寄りが若きし頃にうつ発症して、その頃処方されて服薬していた薬って大体決まっていて、処方も効けば変更なくずーっと服薬してる方がほとんど。 なので、何十年服薬した薬が今更販売中止になればパニックですよ。 アモキサン販売中止のお知らせ (以下ファイザーHPより) “この度、弊社が販売する医療用医薬品「アモキサンカプセル」及び「アモキサン細粒」(以 下、本製品)におきまして、発がん性のリスクがあるとされるニトロソアミ

    • 昔より少ない?境界性人格障害

      30年ほど前は境界性人格障害の患者さんは時々いた。私たち治療者は境界性人格障害の患者さんをボーダーと言って病棟で担当医になったら、「面談してください。不安なんです」と呼び出されたりして、ものすごく忙しく、辛い思いをすることを覚悟していた。 この障害は「今すぐ来てくれなきゃ、死ぬから」と激動の表現とともにどうしても他人を振り回したくなる病気である。芸能人にもそれらしい振る舞いをする人もいて、あの人もかあ、と思った事もある。 見捨てられ不安 境界性パーソナリティ障害の方は一

      • 119番に電話

        救急車が無料でなくなるということ 定額徴収制 私もやはり普段の保険料負担額の割合に関わらず、一律一定額徴収した方がいいように思う。もし、救急車で搬送された病院に入院や要検査、要通院であれば返還となる制度に整える。ただでさえ救急車を呼ぶかはためらうけど、7700円であれば呼ぶのをためらわない症状の軽い人や無料タクシー代わりに使う人に一定のストップがかかるはずである。 搬送の内訳 ざっくりいうと、救急車を呼ぶ半分が高齢者で、半分は軽症である。という事実である。私の経験上、

        • トイレはさっき行ったばかり

          怒られてるおばあちゃんがいます。『もう、さっき行ったばかりじゃない!』 いわゆる頻尿です。男の人ならよくあります。前立腺という膀胱の出口にある臓器が大きくなって尿の出口を圧迫するからです。少しずつしか出ないので、残尿感もあって、『トイレ、トイレ』になります。 女性は膀胱炎の場合があります。尿道口と肛門が近くて汚れやすいからです。細菌感染した膀胱が刺激されるんですね。 そして加齢と認知症です。認知症だと排尿の中枢や神経が弱ったり、認知障害でトイレの場所、服の脱ぎ着がわから

        アモキサン難民

          人生で2番目に悲しいこと

          みなさんは人生で1番悲しいことはなんですか?私は大切な家族が苦しんだり亡くなることです。 今まで沢山の患者さんをみていて、2番目に悲しいだろうなということを見つけました。 小さい頃から優しかったお母さん、認知症になって、だんだん色々な事が分からなくなって、息子さんのことがわからなくて、ものすごい形相で「あんた誰?泥棒!出てけ!」と言われたと。その息子さんの奥さんが相談に来ました。小さい頃は辛い時には頭を撫でてくれる、何かする時には「大丈夫」って言ってくれた。そんなお母さんで

          人生で2番目に悲しいこと

          引越しはするべきでなかった

          若い頃はチャレンジでネット環境があればどこでも行ける! でも、今暮らしている家、家の間取り、同線、環境、近所の人、その価値は認知症の患者さんにとって守ったほうがいいものと思ってます。 高齢お一人暮らしの80台お爺さんです。 若い頃は働いてはいるものの、家にはあまりお金を入れず、子どもとも関わってくれる父親ではなかったそうです。わがままで家族にはよく思われてはいませんでした。 奥さんは亡くなって、子ども達は家を出て行きました。 でも、そんな親でも子どもは時々は様子を見に行って食

          引越しはするべきでなかった

          ウチのおばあちゃん

          おばあちゃん80代、ご家族に連れられて来院。認知症かどうか気になって外来にいらっしゃる事があります。 大抵は、テレビで認知症の特集をやったあとです。 初診時は身長、体重、頭の画像検査いくつかの心理テスト(知能に関連した長谷川式認知症スケール、MMSEなど)をします。 診察では歩行、表情、服装、会話のやりとり、動作を総合判定します。 穏やかなおばあちゃんだなぁ、の瞬間でいくつかの病気を考えます。 頭の画像を見ます、凄い萎縮… 海馬が薄くなりすぎて脳の中に浮かんでいるようです

          ウチのおばあちゃん

          入浴に5時間 

          強迫症(強迫神経症) 強迫症の若い患者さんです。入浴に5時間かかります。 まず、入浴の準備に部屋から立ち上がる足の左右、常に細部、一つ一つに確認しながら入浴へ向かいます。 次にお風呂場までの歩行数確認、ドアノブの回し方、タオルの位置、全てが決まっています。なので時間がかかる。 もの凄い疲弊感があります。数日に1度は疲労で寝込んでしまいます。 とても真面目な方でそれ以外は問題がない、優しく気遣いもあって。 でも発症してから徐々に確認する項目が多くなって学校に行けなくなりました

          入浴に5時間 

          認知症新薬レカネマブ

          患者さんのご家族から、レカネマブの事を聞かれる事がとても多くなりました。商品名はレケンビです。 期待の認知症新薬!というテレビなどのメディア広報のおかげでしょう。 レカネマブの最後の語尾 〜マブは抗体薬ということを示しています。 元々抗体は、例えばIgGやIgMという抗体なら細菌を破壊する武器としてヒトが免疫として持っているものです。

          有料
          100〜
          割引あり

          認知症新薬レカネマブ

          幻の同居人

          認知症の患者さんに時々あるんです。 大抵は、家の中にいます。 「赤い洋服を着た小さな子どもが何人かいてね、遊んでる。怖いこともしないし、ただ遊んでるだけ。」 認知症の中でも、アルツハイマーやレビー小体型認知症でわりとよくあるパターンです。 こういった幻覚や妄想は本人が怖がっている時以外は何も治療はしません。 (幻の同居人は)は別の部屋にいて後から来るよ、と言う事が多いです。 時々、目の前にいる事もあります。 「一緒に今、ここにいる、○○ちゃん昨日は熱が出て大変だったね。」と

          いつまで働くのか

          産業医の講習会に来ています。外来に休職診断書をもらいにくる人があまりにも多いし、介護うつのご家族も多いです。 色々と勉強になります。 国は定年を一年ずつ延ばしています。。 しかも同じ仕事でも、ある時期から給与は減っていきます。まあ、ある程度好きな仕事で、 あんまり早く定年して趣味もないし、お金も心配だし、話す相手でもいれば、それはいいかもしれませんが、個人差が大きいでしょう。 10年後には定年70歳だったりして?

          いつまで働くのか

          食べ物窒素死の責任

          特養で誤嚥死、賠償命令2500万円まず亡くなった方とご遺族にご冥福をお祈りいたします。 呼吸の通り道 食べ物を口に入れて飲み込む時、ごっくんてしますよね、この食べ物は口からのどの奥の咽頭という空間を通り、 食べ物の通り道か、空気の通り道かに分かれます。

          有料
          100〜
          割引あり

          食べ物窒素死の責任

          デパス依存症

          まだまだ暑いですね、家にずーっといたい〜と思いつつ仕事に行く準備(化粧とか着替えとか、アクセサリー合わせ、バッグの中身、熱中症対策)をしてるうちに気持ちが上がってきます。 そして、人と話す。やっぱり元気が出るんです。 仕事以外では私は嫌いな人には極言はなしかけません。嫌われても構わないと決めています。 外来をやっていると1、2年に一回はみるのが、このデパス依存症です。ジェネリック医薬品ではエチゾラムとお薬手帳に書いてあると思います。 何十年前に販売されてから、かなり効果が

          デパス依存症

          夏とセーター〜自宅熱中症

          訪問診療 精神科訪問診療に出かけることもあります。真夏の日はかなりの体力を使います。 訪問診療は、歩けないとか、落ち着いて外出が出来ないなど、定期的な通院が困難な患者さんの家や施設を医師が行って診察するシステムです。そんなに高度な検査や処置は出来ませんが、基本的なお薬の処方、心電図などの検査や、点滴、が行われています。今では至る所を走ってる診療車、車体には診療所の名前や電話番号が書いてあります。 基本、内科の訪問診療は看護師さん、医師ドライバーさんの3人で回ります、開業

          有料
          100〜
          割引あり

          夏とセーター〜自宅熱中症

          認知症って

          初めまして😊認知症診療をメインに働く精神科医です。今の状況やこれからの世界のことを発信していきたいって思うアラかんのエッセイです♪ 病院には医師、看護、介護などの若い医療関係者や学生さんが数週間程度で見学したり、実習に来る事があります。彼らは将来的には小児科や外科希望で働きたいけど、数カ所は救急や精神科などの他科で実習することは、必修だったりする。 外来でも、孫がおじいちゃん、おばあちゃんに付き添いで来ることも多くなった。 80代の認知症の患者さんだと、その方の子は60代、