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幻の同居人

認知症の患者さんに時々あるんです。
大抵は、家の中にいます。
「赤い洋服を着た小さな子どもが何人かいてね、遊んでる。怖いこともしないし、ただ遊んでるだけ。」
認知症の中でも、アルツハイマーやレビー小体型認知症でわりとよくあるパターンです。
こういった幻覚や妄想は本人が怖がっている時以外は何も治療はしません

(幻の同居人は)は別の部屋にいて後から来るよ、と言う事が多いです。
時々、目の前にいる事もあります。
「一緒に今、ここにいる、○○ちゃん昨日は熱が出て大変だったね。」と甲斐甲斐しくお世話している様子のこともあります。
私は「大変ですね、」と返します。
その患者さんの顔は穏やかで幸せに満ちたいる。
本当にその方にとって、幻の同居人はいます。周囲のご家族や介護される方にもそんな時には同じ気持ちになっていただくのが一番良いです。
「いないよ!」は信頼関係が崩れます。

私達の世界は現実でしょうか、夢幻でしょうか、その境界線はどのように脳内で動いているのでしょうか、興味深いです。



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