ブラジル移民とかくれ念仏
『【編集復刻版】仏教海外開教史資料集成』(2009年/不二出版)という本がある。これは日本仏教の海外布教についての資料を蒐集し、解説したものであり、ハワイ編、北米編、南米編のシリーズが刊行されている。
本書収録の『伯国仏教篤信功労者名鑑』には、鹿児島や熊本からの移住者も紹介されており、片っ端から読んでみると、人吉や鹿児島の地の真宗禁制について言及されてる方が5名いらっしゃった。
列挙するに、
と、なかなか頻繁に「かくれ念仏」について紹介されている。
当時のブラジルで、日本仏教在家信者のリーダーのような方々に、かくれ念仏に対する認識があったことの意味は大きい。
上記の真宗禁制地の渡伯者のなかで、山下齊二さんについての記事を全文抜粋する。少々長くなるが、大変鋭い指摘を含んでいて重要である。
なお、(※)は私の註である。
なお、より詳しい考察や、大谷派のブラジル開教と鹿児島の開教の類似性、また、古代の日本における仏教の布教や聖徳太子に関してなど、雑多なトピックを交えたレジュメが、当派、九州教学研究所鹿児島分室の機関誌『栴檀樹』(2022年発行)に収録されています。機会があればぜひご笑覧ください。