【富士山お中道を歩いて自然観察】12 ミヤマハンノキの窒素利用
遷移初期は、土壌がなく、栄養が乏しい。特に窒素は、雨水にわずかに含まれるだけで、これを根から吸収する一般の植物の成長は大変遅い。
しかしミヤマハンノキは、根に共生する放線菌(窒素固定細菌の一群)が、大気中に80%も含まれる窒素を吸収して作ったアンモニアをもらうことで窒素を得ることができる。その代わりに放線菌は、ミヤマハンノキから光合成産物の炭水化物(糖類)をもらって生活のエネルギー源としている。この両者のような関係を相利共生という。
虫食いだらけのミヤマハンノキ6月の開葉