マガジンのカバー画像

富士山お中道を歩いて自然観察

36
富士山の中腹を巡るお中道は火山荒原や森林を横切りながら歩ける遊歩道です。富士スバルラインの奥庭〜5合目駐車場までのお中道の自然を生態学的な視点で解説します。 週1、2回の更新で、…
運営しているクリエイター

#スバルライン

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年10月20日

富士山の黄葉と紅葉富士山は黄葉・紅葉の季節となりました。 今年の秋は、例年になく暖かな日…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年7月20日

梅雨明け! 登山シーズン突入関東・甲信地方が梅雨明けして数日後の7月20日、スバルライン奥…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年5月2日

春を待つ富士山4月26日にスバルラインが、今季初めて全線開通しました。越冬した植物の様子を…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年11月8日

晩秋のお中道10月中旬に7合目以上は真っ白になった富士山ですが、11月になって暖かい日が続き…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年10月16・17日

黄葉・紅葉の季節秋も深まり、カラマツの黄葉も見頃となりました。ただ、風当たり・日当たりの…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年9月27日

夏から秋へ大勢の登山者でにぎわった登山シーズンも終わり、本格的な秋を迎えようとしているお…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 持ち歩き版&A3版マップができました!

カラマツやダケカンバの新緑が美しい季節となりました。 これからの時期はお中道の両サイドでは花が咲き乱れ、ハイキングにおすすめの時期になります。 多くの方の富士登山の気運も高まっていると思います。 5合目駐車場に直行するのではなく、手前の奥庭駐車場バス停で下車して、登山の足慣らしにお中道を歩いてみてください。 さて、マガジンで連載をしていた「富士山お中道を歩いて自然観察」の内容をPDFにまとめました。 というのも、お中道ではスマホの電波が不安定、または通じないので(202

【富士山お中道を歩いて自然観察】18 森のとろろ昆布 

植生遷移が進むと、コケ・地衣ともに、より乾燥に弱く暗い場所を好む種類に替わる。終点の5合…

【富士山お中道を歩いて自然観察】17 常緑広葉樹の越冬 

お中道に生育する広葉樹で、冬でも葉をつけたままなのはハクサンシャクナゲとコケモモだけであ…

【富士山お中道を歩いて自然観察】16 ぐにゃりと曲がったダケカンバ

ダケカンバが遊歩道にせり出すように曲がって生えている。なぜだろう? お中道の東より(5合目…

【富士山お中道を歩いて自然観察】15 紅葉と黄葉。 しかし例外も・・・

紅葉と黄葉落葉樹は秋になると、クロロフィルの分解が始まり、葉柄のつけねに離層が形成され始…

【富士山お中道を歩いて自然観察】14 光環境と形態変化

ハクサンシャクナゲの場合お中道を歩いていると、多様な生育場所でハクサンシャクナゲを見るこ…

【富士山お中道を歩いて自然観察】13 表層雪崩

表層雪崩は、冬、雪の表面だけに被害をもたらす。水分の少ない軽い雪が多量に降り積もると、積…

【富士山お中道を歩いて自然観察】12 ミヤマハンノキの窒素利用

遷移初期は、土壌がなく、栄養が乏しい。特に窒素は、雨水にわずかに含まれるだけで、これを根から吸収する一般の植物の成長は大変遅い。 しかしミヤマハンノキは、根に共生する放線菌(窒素固定細菌の一群)が、大気中に80%も含まれる窒素を吸収して作ったアンモニアをもらうことで窒素を得ることができる。その代わりに放線菌は、ミヤマハンノキから光合成産物の炭水化物(糖類)をもらって生活のエネルギー源としている。この両者のような関係を相利共生という。 虫食いだらけのミヤマハンノキ6月の開葉