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【カラダ】体幹を強くする - ② 骨盤について

「骨盤」という言葉も部位も聞き馴染みのあるものになりました。しかし、間違った認識が広まっています。

骨盤は、すでに知っている人も多くいると思いますが、一つの骨ではなく、複数の骨(腸骨、仙骨、寛骨、恥骨)から成り立っている塊を部位として表しています。仙骨に左右はありませんが、それ以外の腸骨、寛骨、恥骨には左右があります。ですので、動きは僅かですが左右バラバラに動きます。今回は体幹を鍛えるというざっくりとしたテーマなので、これらの細かい動きの解説は省いています。


体幹を強くする
 ① 体幹とは何か?
→② 骨盤の動きについて
 ③ 股関節の動きについて
 ④ 腹筋について
 ⑤ 背筋について


「骨盤を動かす」ことの正しい認識

骨盤がどのように動いているか知っていますか?
「前傾、後傾、側方挙上でしょ?」
と思った方。それだけでは不十分です。試験では合格しても、実践ではあまり役に立ちません。こういった中途半端な知識で骨盤を動かすと、とっても効果が出るか、全く効果が出ずに腰痛を発症させるかの、どちらかになってしまいます。

下の図を見てください。

<図1-1>から矢印の方向に<A>を押しても<B>を押しても、同じような結果(図1-2)になります。
しかし、結果は同じように見えますが、最初の位置から移動した位置とを比較をすると異なることがわかります。
<図1-3>は<A>を押した結果です。
<図1-4>は<B>を押した結果です。

空間の中に<図1-1>で示したようは長方形しか存在しないのであれば何も問題はありません。しかし、その長方形の上下に他の物体があると結果に大きな違いが出ます。

<A>を押すと、赤い物体が<図2-2>のように傾き、青い物体にはあまり影響がありません。
<B>を押すと、青い物体が<図2-3>のように傾き、赤い物体にはあまり影響がありません。

黒の長方形=骨盤
赤い物体=大腿骨(太ももの骨)
青い物体=腰椎
として、考えてみます。

<図2-2>は、大腿骨(太もも)側から骨盤を動かした状態です。腰椎には影響がありません。この動き方は体幹を強くします。
<図2−3>は、腰椎側から骨盤を動かした状態です。大腿骨(太もも)には影響がありません。この動かし方は腰痛を引き起こします。

骨盤の前傾

<A>と<B>のプッシュ方向が変わっても同じです。
<図3-2>は、大腿骨(太もも)側から骨盤を動かした状態です。腰椎には影響がありません。この動き方は体幹を強くします。
<図3−3>は、腰椎側から骨盤を動かした状態です。大腿骨(太もも)には影響がありません。この動かし方は腰痛を引き起こします。

骨盤の後傾

正面から見てみます。

黒の台形=骨盤
赤い物体=大腿骨(太ももの骨)

腰椎は描いていません。
<図4-2>は左の大腿骨(太ももの骨)が斜め上方に骨盤を突き上げています。この動きは体幹を強くします。
<図4-3>は右側にある腰椎周辺の筋肉が、骨盤を引っ張り上げています。この動きは腰痛を引き起こします。

骨盤の側方挙上

動きの目的

体はエネルギーを伝達しています。
骨盤周辺だけに着目すると、力のエネルギーは以下のように伝達されます。

エネルギーは大腿骨→骨盤→背骨に伝達されている

このことから「骨盤を動かす目的は、背骨をコントロールすることである」ことがわかります。*もちろん、骨盤の働きの目的は他にもあります。


骨盤の動き

骨盤の動きをただの前傾、後傾、側方挙上と覚えてしまうと、動きの起点と背骨への影響が含まれません。そこが問題です。

骨盤を動かすことで背骨をコントロールします。
骨盤を動かすことで、力のエネルギーを背骨に伝えます。

骨盤は「股関節を支点」に回転させるように動かし、背骨に力のエネルギーを伝えます。これは前傾、後傾、側方挙上全てにおいて同じです。

【前傾と後傾】
*後傾では、骨盤の全面から背骨の全面(内臓側)にエネルギーを伝えます。背が低くなるのは間違いです。

【側方挙上】
わかりやすいように、フラダンスのようなステップにしました。


まとめ

体幹が強くなると、実は、体は効率よく働きとても楽になります。体幹が弱いと体は効率が悪く働き、無理がかかるために痛みが出たり、疲れやすくなったりします。

個人的な考えですが、遠い昔、車も自転車もなく、電気機器もない時代は、全て人の手(体)で行わなくてはなりませんでした。効率良く体を動かさないとケガをしたり、病気になったりするため、結果、働けなくなり生きていけなくなりました。
今の時代はどうでしょうか。効率よく体を使わなくても、病院があり、治療院があり、誰かにどうにかしてもらえます。社会保障もあるため、働けなくなって生きていけないことは無くなりました。

良い意味での安心感と、悪い意味での甘えが体幹を弱くしている原因の一つだと思います。
一度体幹を強くすれば、その体の方が圧倒的に楽です。だから維持することが苦になりません。ですが、怠けた体から体幹を強くするには頭を使って認識を正し、鍛える必要があります。労力が必要です。

今回の内容が理解できないとしたら、それは私の書き方の責任です。
ですがもし「理解できるけど、やるのは面倒だな」と思ったとしたら・・・


次回は、骨盤に影響を与えている股関節について解説します。

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株式会社りとるジム
カラダとココロのメンテナンス
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