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【イベントレポート3】6/24ダダ漏れ!しゃべくり先生談議

第3回目のイベントとなった、「ダダ漏れ!しゃべくり先生談議」。

教員経験のある6人が、2人ずつペアになって教育についてゆるくしゃべろうと言う企画で、前回前々回の記事は既にまとめました!

今回は、元小学校教員でオランダでイエナプランを学んだキタバくんと、元中高教員でフィンランドの学校でインターンをしてきた私の2人でお話をする会。自分が登壇したイベントのレポートを自分で書くのは少々恥ずかしいですが(笑)、まとめる中で気付きもたくさんありました^^

内容は主にそれぞれの国の教育について紹介する感じになったかなぁと思います。次回はそこからもう少し深めて、海外の教育を知った上で、私たちはどう生きるのか?と言うテーマで話ができたら面白そうだなと思いました。

*プロフィール*

キタバ(北林和樹)
散歩ばかりする人。
NPO法人サニーサイド。保育士、小学校教員、コミュニティマネージャー、訪問介護スタッフ、性教育講師などを経験する。現在、オランダで行われているイエナプラン教育に基づいた学童‘’学童つくし‘’のスタッフをしている。
なおちゃん(建石尚子)
児童発達支援・放課後等デイサービスの児童発達支援管理責任者。社会福祉士。
中高一貫校での教員生活の中で日本の学校教育に疑問を持ち、退職後はフィンランドやデンマークを訪問して国内外の教育を学ぶ。現役教師へインタビューをして、先生たちの本音を記事にまとめることが好き。すべての人が自分に合った教育が受けられる社会をつくりたい。


ー 今の仕事に就いた理由は?

なお(私):児童発達支援と放課後等デイサービスは教育業界って言うよりかは、福祉業界って言われると思うんですよね。でも私の中では、教育と言う分野に含まれている感覚の方が強くあります。

学校は誰もがアクセスできる場所であり、学びが保障された場所だと思うんですよね。そうであるはずなのに、教員時代は、その中で苦しんでいる子がすごく多いことに私自身も苦しみました。一人一人に合った教育が必要だと思っていた一方で、集団の中では1人の先生が全員を見なくてはいけなくて、どうしても管理的になる側面がありました。

学校の中で一番苦しんでいる人って誰だろう?と考えていった時に、行き着いた先が発達支援だったんですよね。学校だったら、学習指導要領があってこの学年だったらこれを学ぶ、と決まっているけど、発達支援は一人一人の子どもに合わせられる。その部分はとてもしっくりきました。

キタバ:僕も教員になって1年目の時、一人一人を大切にしたいという思いが強くありました。学校の先生としての役割は全体に教えたり伝えたりすることが多いと思うんですけど、実際に授業をしていて「あ、あの3人は理解してないな。」と思っても、それを置き去りにして進めていけないといけなかったんですね。それが、毎日めっちゃしんどかった。

ある程度に同じにして進まないといけなかったし、それが学校の役割なのかなと感じていました。でも、人間ってそもそも違うじゃないですか。それを認めずに同じにしようとしている。そこが僕には合わなかったんだと思います。

ー 海外の教育を学びたいと思った理由は?

キタバ:教員になって最初の頃は、毎日4時間くらいしか寝てませんでした。「なんでこんなにしんどいんだろう?」って考えた時に、先生らしい先生になろうとしていることに気付いたんですよね。「この人生は、僕の人生じゃない。」と思いました。先生という役割を演じるのではなくて、“自分らしい”かつ“先生”って出来ないだろうか?と考えるようになりました。

イエナプランが大切にしていることの一つに「オーセンティシティ」という考え方が合って、「自分らしさ」や「本物であること」という意味です。先生や子どもも、自分らしくあることを大切にしながら教育を行っていこうという考えがあって、ここにヒントがあるのでは?と思ってオランダで学ぶことを決めました。

実際にオランダで学ぶことで、ヒントとなるものはたくさん見つけましたが、一番良かったのは、現地の文化を体験できたことだと思っています。

日本にずっといる人と海外に行ったことがある人とでは、考え方が根本的に違うなと感じることがあります。海外経験がある人だと、「そういうのもありだよね」ってナチュラルに受け入れられる気がするけど、ずっと日本にいる人だと「それっておかしくない?」ってなりがちなんですよね。やっぱり、知らないから。オランダ人なんて、全然サラダ食べませんからね(笑)胡瓜しか食べなくて、本当に野菜を食べない。「大丈夫?」って思うけど、実際平均寿命は日本とほとんど変わらないんですよね。

なお:私は、過去にPISAで有名になったことがきっかけでフィンランドの教育に興味を持ちました。単純に、北欧っていい教育してるんじゃない?っていうイメージが強かったですね。

本当は大学4年生の時に行こうと思っていたんですけど、旅費が高かったし、私自身が何を見たいかがわからない状態で見に行っても気付きが少ないだろうなと思って、結局その時は行きませんでした。いつかこの先、行くタイミングが来たら、行こうと思っていました。

実際に行ってみると、フィンランドの学校は結構ゆるい雰囲気でしたね。先生は授業に10分くらい遅刻してくるし、5分くらい早く終わったりもする。授業中に先生が自分のFacebookを見せて雑談をしたりもしていました。校則もないし、生徒指導をするよりも先生は授業にフォーカスしている印象でした。

ー 海外では、保護者とはどのように関係作りをしていますか?

キタバ:オランダは飛び出す自由、日本は引っ込む自由、と言われていて、オランダは宗教的にも政治的にもめっちゃ偏っているのがいっぱいある感じなんです。各学校はそれぞれのビジョンを掲げていて、そこに保護者が同意して子どもが通うんですね。公立学校の数は3割で、私立学校が7割です。どの学校のビジョンにも当てはまらない場合は公立学校に通うことになります。

入学したけど合わない場合は、学校と保護者や子どもで話し合いを重ねていくけど、それでも合わなかったら別の学校を提案する場合もあります。

なお:フィンランドはほとんどが公立学校ですね。地元の学校に行く子どもが多く、“この学校がいい学校”というよりは、“どの学校もいい学校”という感じです。

保護者との連絡手段としてはWilma(ウィルマ)というシステムが使われていて、それを使って出欠を確認したり、先生からは宿題や持ち物のお知らせ、成績や学校での様子を保護者に伝えることが出来ます。逆に保護者からも学校関係者とWilmaを使って連絡を取ることが出来ます。

ー 先生たちはどんなモチベーションで働いているのでしょうか?

なお:フィンランドの先生は、授業の時間だけ学校にいればいいんですね。大体14時くらいにはみんな退勤していました。夏休みは2ヶ月半あってその期間は丸々お休みです。他にもクリスマス休暇とかいくつかの連休があって、現地の先生は自由な時間が多いことも魅力の一つと言っていました。給料は平均より少し高いくらいみたいです。

キタバ:オランダでは先生たちのストライキが多いですね。給料は日本より良いですが、「もっと給料上げろー!」という内容のストライキです。でも、フェスみたいな感じで、みんな楽しんで参加している感じです。


ー これから教員になる学生さんへアドバイス。どんな心がけで働いたらいい?

なお:自分ができてなかったなって思うことを含めて言うと、「どっぷり浸からないこと」かな。仕事は大変かもしれないけど、どこか違う視点を持った人との繋がりもあった方がいいような気がします。一つの仕事にどっぷり浸かってしまうと、どうしても視野が狭くなってしまします。色んな繋がりがあると、そこで何らかの気付きがあったり、本音を出せたりすると思います。

キタバ:僕は、めっちゃ挨拶を頑張っていましたね。校長先生とか保健室の先生、事務室の方にも出勤後と退勤前に挨拶して回っていました。それを1年間やりました。そうすると、何かでミスをしても「キタバだしいいか」ってなる(笑)

あとは、出来ないことは素直に言う。そうすると、「大丈夫?助けようか?」って言ってくれたりします。溜め込んで失敗するより、誰かに頼るのが良いと思います。

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ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

最後に

アンケートを一部ご紹介します。どのメッセージもとても嬉しい…!

世界の教育の良さ、だけでなく、こういうところもあるよという裏の面も知れてよかったです。また、そのいろんな要素を日本に落とし込むときにそのままではなく、日本の良さを活かしながら、と話を聞きながら考えられたことも単純な報告会ではなくて、ここは学びの時間だなと感じました。
とても深い時間となりました。こうして家にいてもサードプレイスを感じられるオンラインという場が自分には大事だなと感じました。いろんな経験をしている人がいて、いろんな視点から日本の教育をよくしようとしている。そのことが嬉しかったし、自分は何が出来るだろうとワクワクしました。
ダダもれしてくれてありがとうございます笑(^^)/
三日間を通して、6人とも自分の生き方と子どもたちへどう働きかけていくかを、リンクさせているんだな~と感じました!そして、私自身、それを大事にしているので、聞いていて共感することばかりで嬉しかったです!!
そして、6人とも既存の日本の教育現場を経験しているからこそ、海外やいろいろなところと比較して、「ほんとうに子どものためになっていることってなんだろう~」と疑問を持ち続けているところがいいなあ、と思っています!


教員経験のある6人が集まり、2人ずつのペアになっておしゃべりをするイベント3回が終了しました。

このイベントを通して感じたのは、結局、私たち大人が自分らしく生きることややりたいことを思いっきりやって生きるのが、子どもにとっても良いことなのでは?ということでした。

色んな教育の手法はあるけれど、「どんな教育をするか?」よりも、「私たちがどう在るか?」を大切にしていきたい。

最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。