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【イベントレポート2】6/17ダダ漏れ!しゃべくり先生談議

前回のイベントに引き続き、2回目となった「ダダ漏れ!しゃべくり先生談議」。

今回は、日本語教師や英語教師として国内外で活躍してきた経験を持ち、現在は学童や保育に携わるあゆみんと、小学校教諭として様々な分野で活躍する大人をゲストとして学校に招き、教育現場に巻き込んでいくくっしーのトークです。

同じ「教育」の分野でありながら、対象年齢や違う場所を現場として持つ2人。それでも教育の本質は共通しているのかも、思えるようなイベントでした。2人がお話した内容の一部を紹介します。

* プロフィール *

あゆみん(澤田あゆみ)
アメリカ、メキシコ、日本で日本語教師をしてからの日本の中高での英語教師に。でも自分の学びの場が作りたくてフリーになろうとしたものの…
今は学童で毎日何ができるか?楽しいか?を考えながら小学生と保育園の子たちと遊んでます!

くっしー(楠本美央)
育休中の現役小学校教員。学生時代に仲間とカフェを作った経験から体験的な学びの重要性を実感。一般企業に勤めた後、教員になる。校内に先生以外の多様な大人を巻き込むのが好き。
「子どもが主役」「凸凹でOK」をモットーに、誰もが安心できるクラス作りを目指している。


ー 子どもが自分らしくあってほしい、と思った経緯は?

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あゆみん

あゆみん:子ども達と関わっていると、「将来のことばかりで、今を生きていないな」と感じることがありました。良い学校に入るために塾に通って勉強していて、今を生きていない子どもを育ててしまっていることが問題だなと感じた経験があります。

私が勤務していた中高では、中学受験をして入学してきたらそこから力を抜いていても大学まで行けてしまうんですね。だから、みんな最低限の努力しかしない。それがすごく嫌でした。でも、みんな幼い時から「将来のために」と周りの大人に言われて育ってきてるから、今を無駄に生きてるんじゃないかと思いました。大学生になってから就職先を考える時の選択肢を見ていると、会社の名前で選ぶような学生もいました。「あなたは何がやりたいの?」と聞いても、やりたいことや好きなことがない人が多かったんです。


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くっしー

くっしー:私は公立小学校での経験しかないので、そこでは将来のためにみんながみんな塾に通うような環境ではありませんでした。でも、子ども達が自分らしくいられる場を作ってあげられていたかな?と思うと、そこは疑問です。先生の前でだけ良い子にしていた子もいたんじゃないかな。

未来のために頑張りなさいって言うより、「そのままの姿を見ているよ」とか、良い悪いではなくて「あなたがいてくれて良かった」とかそう言うメッセージが伝えていきたいです。そうすることで、子どもは肩の力を抜くことができるんじゃないかなと思います。


ー 具体的にどのように子どもと関わっていましたか


あゆみん:誰でも得意不得意ってすごくあると思っってて。でも、凸凹があるから社会って成り立つんですよね。自分ができないことをできないって言える環境を、私は作りたいなと思っています。私自身、何でもかんでもできるわけじゃないし、助けてほしいこともあります。それを素直に言える環境を作ったり、子ども達にはそれが言える人になってほしいなと思っています。そして、助けてくれたら「ありがとう」って言える人たちを作れたらいい。

くっしー:性や多様性の話とかは、改まって授業でやるよりも、ちょっとした会話に中で「体は男の子だけど、心が女の子の人もいてね」という話をしたりはしてました。

あとは、教員である私と子どもの1対1の関わりの中で見えることも大事にするけど、子ども同士の関係から見えてきた部分も大切にしていました。凸凹は隠したくないから、色んな場面で見つけたその子の個性をみんなに伝えたりもしますね。もちろんネガティブなこととか、言われたくないことは事前にその子に確認します。

集団の中で見えるその子らしさを大事にしたいと思っていて。意外とそういう空気って元々子どもの方が持っていたりして、私の方が「こうあるべき」と言う考えにとらわれないようにしないとなと思ったりもします。

とは言え、学校はこうあるべきって言う風習はあるので、そこで色んな立場の大人に学校に来てもらって、教員の立場では言えないことを話てもらったりもしていました。「これはおかしい」「なんか変」って思うことは悪いことではないんだって子ども達自身が思えるように、というのを意識していました。

あゆみん:子どもにとって、親や先生以外の第三者に出会うっていう経験はすごくいいと思います。親や先生だけとの関わりだと、どうしても窮屈さが出てくる。

第三者が出てくると、その家庭の当たり前が外に出ると当たり前じゃなかったり、色んなことを学べますよね。親自身も、第三者との関わりによってその子のそのままを見てあげることができると思います。

ー 子どもの自分らしさをそのまま受け止めるために、大人にできることは


あゆみん:子ども達にとって一番身近な大人って、親以外だと先生とか子どもに関わる人立場の人だと思うんですね。その人達が「楽しい!」って思って生きてないといけないなと思います。そう言う立場の人たちが子どものロールモデルになるので、大人が「辛い。しんどい。」って言っていたら、子どもは大人になりたくなくなってしまうと思います。
だから、私自身は毎日楽しく生きたいなと思っていて、それが私にできることでもあります。自分のやりたいことを毎日全力でやる。

くっしー:親の立場であれば、衣食住を守ってあげることと愛情注ぐことで、もう十分かなと思います。小学校の先生の立場だと、やっぱり学ぶことが面白いって思ってもらえるような授業をすることじゃないかな。学校は小さな社会なので、お互いに認めあえるような環境をつくることも大切だと思います。

ー 今回のコロナによる休校で感じたことは


あゆみん:休校中に、どこにも行けない状態になった時に、一番怖いなと思ったのは家庭の中のギスギス感です。子どもが家にいたら、親はテレワークをすることも難しいと思うんですね。それは子どもにとってもしんどいことだし、離れられる場所があることは大切だと思っています。だから、私が働いている学童はずっと開所していました。

くっしー:私は今育休中で学校にはいない立場なので何もできずにいましたが、近所の小学校の子達の様子はすごく気になっていました。でも育休中で何もできなかった。1つやったこととしては、小学生のお子さんがいる近所の友達に、「小学生の宿題を見ますよ。」と連絡したことです。

親御さんの声や教員の声をSNSで目にすることもあって、両方が私にとっては自分ごとだったので、一緒に考えていかなきゃないけないなというのはすごく感じました。

ー あゆみん、くっしー、ありがとうございました!

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最後に


イベントの後には、アンケートやメッセージで色んな方から嬉しいコメントをいただきました。その一部をご紹介します。

今回も面白かったです。学校現場で実際に働いてる先生ならではの視点は、親のそれとはやはり少し違うので、色々勉強になります。
それぞれが先生として、誠実に、伝えたいことに取り組んでいることに心打たれました!
今日も楽しかったです。多様性の話、ありのままでいいという話、先週から繋がっていますね。
みおちゃんの先生としての誠実さに心打たれたし、子どもに嘘はつけない、全力で大人が楽しく生きるあゆみさんにも共感しました。

次回は6月24日(水)に開催。イエナプラン教育に基づいた学童‘’学童つくし‘’のスタッフをしているキタバくん(北林和樹)と、発達支援の仕事をしている私(建石尚子)のトークです。

最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。