さほど意外ではない「豚がかわいそう」というリアクションが多かったので、当たり前のことを今日は話そうと思う。

私たちが食べている “肉” は、元々は動物である。

“元々” とあえて強調している理由は、多くの人が
「肉は肉であり、豚でもなければ牛でもなければ、もちろん鶏でもない。」
と、無意識に思っているだろうと予想するから。

私は、そんなつもりは無かったけど
「肉は肉」だと無意識に思っていたことに気付かされた。

子豚を運び出すところから食べ切るまでの間
不思議と「かわいそう」という感情はなかった。

そこは、感覚ではなく理屈での
「肉は元々、動物の姿をしていた」という認識があったからだと思う。

「この子の命を私なりに満喫しよう」

そんな気持ちで１日過ごしていたかな。

だから、

腹に野菜を詰めて縫ったし

火炙りでじっくりと焼き上げたし

姿形がなくなるまで解体したし

肉がなくなっても、骨を煮出してスープにしたし

最後は頭蓋骨かち割って、脳みそも食べた。

グロい？　エグい？　残酷？　最低？

驚きなんだけど、
”魚が切り身の状態で泳いでる” と思っている子が、マジでいるらしい。

（多分、「魚の形した魚」もいれば、「切り身の形した魚」もいる。みたいな感じだと思う）

それに驚いてたけど、蓋を開けたら私だって同じだった。

スーパーに並んでいる肉が、

「動物の姿で野原を歩き回ってた」とも感じられないし、

「生まれてから死ぬまで、狭い古屋でただ生かされていたかもしれない」

って言うのも、感覚としてリアルなものにならない。

さすがに、バラ肉が草原を歩いてるとは思わないけど、

「バラ肉として最初から存在している」ってな感じの感覚でいたし

仔豚を焼いて食べた今だって、感覚は日常に引き戻されている。

私たちは、”元々動物の形” をしていた “肉” を

切ったり、焼いたり、煮たり、漬けたり、乾燥したり、煙で炙ったり
度々、食わないで捨てたりしているワケだ。

こんなこと言うと

「私たちだって残酷なことしてるんだから、てめーら可哀想とか言ってじゃねーよ」

と言いたいみたいに思うかもしれないけど、そうじゃないの。

私と価値観を共有できない人はたくさんいるし、そう言う人は別にそれで良い。

「別の世界で各々楽しくいきましょう」ってスタンスだから。

ただ、事実を事実として理解することは、
自分の人生において、とてもプラスになる思うから文字にしているの。

（だから、互いがより良いマインドセットになるための議論をする気がないなら、

自分の正義感を埋めるためだけのくだらないコメントはしないでね。

人の家に石投げるのと一緒だよ。）

料理は、「生存するための行為のひとつ」としてでなく

楽しさとか、幸福感を与えてくれる、欲深き人間たちにとっての最高の遊び。

それが出来る有り難さとかをシンプルに実感して、協力してくれる命に感謝しといたら、それで良いと思うんだわ。

だから私はこれからも肉を食うし、生き物だと認識してもらいにくい野菜も食う。

来月末にはまた、豚を丸焼きにするし、その周りでキャッキャはしゃぐ。

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