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物理学と数学

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物理学と数学、哲学の話題です。
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2021年3月の記事一覧

素粒子と場

素粒子と場

複合粒子、原子のことから。原子核の周りを電子が回っており、物質の元となる。原子核は陽子と中性子、中間子からなる。素粒子には物質を作るフェルミオンと、力を伝えるゲージボソンがあり、ヒッグス粒子等がある。フェルミオンには、クオーク(6種)とレプトン(電子、ニュートリノ等)がある。ゲージボソンには、光子(電磁相互作用)、グルーオン(強い相互作用)、ボソン(弱い相互作用)がある。ここで、各粒子の「相互作用

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素粒子の標準模型

素粒子の標準模型

電磁気力の仕組みは、19世紀の後半にマクスウェルによって解明された。それに対して強い力と弱い力の仕組みがわかったのは、1960年代から70年代にかけてのことです。何世代にもわたって多くの物理学者が知恵を出し合った結果、3つの力を全て説明できる理論が完成し、その成果をまとめたものが素粒子の標準模型と呼ばれる。

強い力と弱い力

強い力と弱い力

電磁気力。原子をくっつけて分子を作ったり、また分子を集めて一つの塊とし、日常生活で触れる様々な物質を作るのも電磁気力である。机が硬いのも、椅子に座ることができるのも、机や椅子の中の分子が電磁気力でまとまっているからです。

基本的な現象

基本的な現象

「物理的な場で生じる最も基本的な現象は、振動である」(「素粒子論はなぜわかりにくいか」吉田伸夫より。以後、教科書と呼ぶ)につい

振動

振動

「物理的な場で生じる最も基本的な現象は、振動である」(「素粒子論はなぜわかりにくいか」吉田伸夫より。以後、教科書と呼ぶ)につい

ヒッグス粒子

ヒッグス粒子

「強い力」と「弱い力」について知る必要がある。新たに発見された(2012)ヒッグス粒子の意義を理解するには、この二つの力について知る必要があるからです。この二つの力を理解することで標準模型がすっきりとわかり、その最後のピースであるヒッグス粒子発見の意義も納得していただけると思います。

閉じ込めのエネルギー

閉じ込めのエネルギー

陽子や中性子の質量のほとんどがクオークを閉じ込めるエネルギーなのですから、当然、原子そのものものの質量も、ひいては、私達の身の回りの物質の質量のほとんどがこの閉じ込めのエネルギーに由来していることになる。

クオーク

クオーク

陽子や中性子の質量のほとんどがクオークを閉じ込めるエネルギーなのですから、当然、原子そのものものの質量も、ひいては、私達の身の回りの物質の質量のほとんどがこの閉じ込めのエネルギーに由来していることになる。

放射平衡

私の遠い記憶によると、プランクの発見したプランク定数とは、元は空洞放射の実験による発見にある、と読みました。詳しくは省きますが、空洞放射は黒体放射の実験的な手段であることがわかりました。一定温度の壁に囲まれた空洞内で、壁と熱平衡の状態にある電磁放射のことですが、ブリタニカは、「定在波」ではなく「放射平衡」と記している。
「まわりの壁は放射を放出したり吸収したりして,空洞内部に放射平衡の状態が現れる

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放射平衡

私の遠い記憶によると、プランクの発見したプランク定数とは、元は空洞放射の実験による発見にある、と読みました。詳しくは省きますが、空洞放射は黒体放射の実験的な手段であることがわかりました。一定温度の壁に囲まれた空洞内で、壁と熱平衡の状態にある電磁放射のことですが、ブリタニカは、「定在波」ではなく「放射平衡」と記している。
「まわりの壁は放射を放出したり吸収したりして,空洞内部に放射平衡の状態が現れる

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天気

私、気付いたんですが、いわゆる学術系の読み物は、よほどでないほど、書かなくていい。ちょうど良い機会でない限り。ところで私も、天気のことは気になるようになりました。吉田さんには叶いませんが。吉田さんは、楽器を取り扱うお仕事ということで、湿度など、注意なさっているのでしょう。

視覚

視覚について考えた場合、外在的には、恐らく物理的な対象と、物理的な光学現象があるだけであり、それを色彩という感覚に置き換えるのは、人間の感覚能力である。光学的な情報は視覚細胞によって微弱な電気信号に変換され、この電気信号が視覚的な色彩の感覚をもたらす、と言われる。それは最初の光学的情報を基にしているだろうが、それとは全く質の異なる情報である。

相互作用的な知

私達は確かに直感によってしか対象を知覚できないのだが、もう一つ、対象に働きかけ、それとの相互作用において対象について知る、という方法も持っている。例えば分かり易い例では、ただ林檎を眺めることと、林檎を叩いてその音を聞くこと、との間には、或る違いがある。後者は林檎に対して或る働きかけをしており、林檎やそれを取り巻く物理的な環境が、それに対して或る反応を示している。つまりそれは相互的な作用である。さら

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物〜純粋に抽象的な存在

物が存在する場合、それは私達にとって純粋に抽象的なもののはずである。知覚は実在を何らかの形で反映しているはずだが(例えば光学や生理学等によって説明されるであろうような形で)、しかしそれでもそれらの像は、やはり一種の印象、仮像に過ぎない。だから、実在を具体的なイメージ・感覚(視覚像、触覚、嗅覚、…)として映すのは人間の知覚能力なのであり、実在自身は、私達にとって本来的に抽象的な存在と考えるべきだろう

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