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エッセイ

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文章をまとめています。 トピックは、様々です。 意識の状態の良いときに生まれてくる、呼吸の通った文章を残せるようにと思っています。
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He

私に、世の中における「差別」の存在について、具体的に考えるきっかけをくれたのは、

中学2年の時に出会った、J先生だったと思う。

英語のALTの先生だった。

アメリカのテネシー州の出身で、当時まだ23歳。大学を出たばかりで日本に来ていたようだった。

肌の色の黒い人だった。

とても優しい先生だった。

私は、彼のおかげで、英語が大好きになった。

山間の小さな田舎町。

なだらかにふくらんだ

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呼吸と精神状態とは、連動している

呼吸と精神状態とは、連動している

現代においてわたしたちの呼吸は、とても浅くなっています。

早く結論が知りたい。

早く自分の望むものを手に入れたい。

結局のところ、どうなのか?

etc…。

若い頃、私は本を読むことが一つの習慣でした。

おこづかいで本を買って読むようになったのは、高校生の頃のこと。

大学生になり、一人暮らしをさせてもらうようになった私は、その時間の多くを本を読んで過ごしました。

その頃よく読んでいた

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他者はわたしの"答え"を知らない

他者はわたしの"答え"を知らない

なにか1つの"正しい"答えがあって

それに合わせる(または達する)ことのできない

自分が"ダメ"なんじゃなくて

自分の答えは自分しか知らないし

自分の好きなことや在りたい在り方も

他の人とは違うのだから

また

自分に責任をもつことができるのは

自分しかいないのだから

"自分らしさ"を

否定されたり

"矯正"される

必要はない

不作為の魅力

不作為の魅力

表現者というのは、野蛮だ。

なぜなら、彼/彼女の基準はあくまで自分にあるから。

自分の心に極力忠実であろうとするのが、表現者だ。

はっきり言って、自分にしか興味がない。

しかし、ここで「自分」と言った場合、そこには彼/彼女にとっての世界が内包される。

彼/彼女の心に映ったものをそのままに、抽出する。

その手段は様々だ。

文章、詩、絵画、音楽、ダンス、演劇、

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構造を見る

構造を見る

院生の頃の仲間に

"黒人"の留学生がいたけれど

彼は言っていた

"奴隷貿易も、自分の利益のために仲間を売る裏切り者がいなければ、成り立っていない。

黒人差別は、黒人社会内部の問題でもある"

その通りだと思う。

彼らは、人民を"my people"と言いながら、売り飛ばした

そこにあるのは、権力構造

今のこのご時世における日本の"お偉方"も同じかも

"中心"と"周縁"は、

宇宙に

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わたしの最も印象に残っている小説ベスト3

わたしの最も印象に残っている小説ベスト3

をあげさせていただくと、

1. "こころ" 夏目漱石

2. "悲しみよこんにちは" フランソワーズ・サガン

3. "ノルウェイの森" 村上春樹

となるかな、と思います。

今は、小説は読むことはありませんが、学生の頃よく読んでいました。

人の自我や心についての描写という点では、小説というのは最強の媒体の一つといえると思います。

ほとんど独白のような感じで語られる語り口は、リアルで、ノル

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表現

表現

ジャズやヒップホップの、素敵な表現に比べたら、

"真面目さ"や"正しさ"の中に自分を収めようと努力して書いた文章の表現なんて、

なんてつまらないんだろう、と思ってしまう。

彼らの表現は、凄く哲学的だ。

普通にサラッと、もの凄いことを言っている。

それはきっと、彼らの人生そのものから紡ぎ出された音楽だから。

音楽やダンスとかといった形でしか表現することのできないものを、彼らは抱えている。

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文学のことばの掬いとるもの

文学のことばの掬いとるもの

"表現"ということについて考えるとき、

今、わたしはあらためて、

"文学"の言葉の魅力というものを、

感じています。

"小説"という形式や、"詩"のもつ力。

"文学"をただ、フィクションとして、"実用的でないもの"という評価をする人も少なくないとおもうけれど、

その形式のなかでこそ、表現できるものもある。

また、なにを"現実"として認識するか、ということについても、実際には、100人

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分離と融合

分離と融合

愛し合う2人は、

同じ顔をしている。

それはたぶん、互いを本当に愛しているから。

相手の一部を2人は持ち合っている。

第三者の入り込む、余地はない。

内部と外部。

一方。

至近距離にいるのに、大声で話す人達もいる。

彼らは外部に対し、関係説明的。

ポーズを取っているかに見える。

相手を威嚇しているようにも、見える。

ヨガは、2元の世界を超える、

というけれど、

きっと同じ

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生まれては消え、消えては生まれ

生まれては消え、消えては生まれ

朝、林の中を散歩して、

四角く区切られた

人間の建造物のなかの世界にもどってくると、

がっかりする。

自然は

ものも言わず

静かに

ただ

そこに佇んでいる

あの高い山々が隆起してできたのは

何百万年も前とか。

この空に向かって真っ直ぐに伸びる樹木だって

数百年は生きているかもしれない。

一方のわたしたちは

たかだか

100年くらいの生命。

人間が霊長類の長だなんて

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自分しか知らない

自分しか知らない

危機的な状況になればなるほど、

本音が物を言うようになると思います。

いわゆる無意識の領域を、意識が制御しようとすることはできず、

だからヨガなどでは、その無意識の領域への働きかけを行います。

"人の"ではなく、あくまでも働きかけることができるのは真の意味においては自分だけです。

一番大切なのは、自分の心に正直に生きることだと思います。

自分しか、自分の答えを知りません。

白い手

白い手

危機に追い込まれることが、真実への目を開かせる

こういうことが、確実にあると思います。

生きていれば、

大変なことはたくさんあると思う。

でも、

今までわりあい幸せに暮らしてこれた人、あまり色々なことに疑いをもつことなく、「世の中とはこういうものだ」と生きることができてきた人は、

世の中の構造とか、

人のもの凄い悪意とかに自覚的でない人が多いかもしれません。

逆に、

ひどい状況を

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利き手・利き足・利き目・利き耳と脳の関係

この前、どうにも背中が痛くて、整骨院に行きました。

"マスクで耳痛いの治します"

この前ここにあげた駅ナカの整骨院です。(しっかり営業に引っかかってますね笑)

自分でヨガで色々やりましたが、自分でできることの限界というのはやはりあり…(皆さんをガッカリさせてしまうかもしれませんが😢)

鍼治療をしてもらいました。

鍼は、2年くらい前に初めて受けました。

背中に打っ

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ブックカバーチャレンジ7日目(最終日):天才、創造性と狂気

ブックカバーチャレンジ7日目(最終日):天才、創造性と狂気

期間空きましたが(5/10より)、緊急事態宣言も解除になりましたし、最終日の投稿をいたします。

今日ご紹介させていただくのは、

岩波明"天才と発達障害"2019.4, 文春新書 です。

この本では、筆者は、芸術家や科学者、政治家、数学者、作家など歴史上の国内外の偉人の特異性について記述しています。

モーツァルト、アインシュタイン、ヴィトゲンシュタイン、源義経、ルーズベルト

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