J1昇格が消えて、悔しさと幸福感を感じたワケ【Short Letter】
試合終了の笛が鳴った直後、私はスマートフォンの千葉vs京都の試合速報サイトを何度も何度も更新しました。
DAZNの画面では甲府の選手達の笑顔が見えましたが、私は勝利の喜びに浸る間もなく、サイトの更新を繰り返しました。
0-0のままスコアは動きません。試合速報には「GOOOOOOAL!」という虹色の文字も表示されません。
狂ったようにサイトを更新していると、ついに画面に「後半終了」の文字が表示され、直後に「試合終了」になりました。
2021シーズン。
ヴァンフォーレ甲府のJ1昇格の夢は、最終戦の一つ前の試合で消えました。
3位甲府が勝ち2位京都が負けることで、昇格の可能性は最終節まで残るはずだったのです。
甲府はアウェイで山口に勝利。しかし京都が千葉と引き分けたため、最終節で甲府が勝ち、京都が負けても順位が入れ替わることはなくなりました。
「あー京都昇格かー」
私はスマートフォンを放り投げて、天を仰ぎました。
「甲府、駄目け?」
台所にいた母が聞いてきたので、私が「来年もJ2」と答えると「ほうけぇ……(そうなんだ)」と母の声もトーンが落ちました。
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