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エクセルで「おはなしめいろ」を作ってみた

 昨日、リツイートでこんなツイートが回ってきた。

 迷路をたどっていくと、出口にたどり着くまでが一つの物語となっており、行き止まりルートに行くとおかしな話になる(この場合は正規ルートの物語もおかしいが)。
 調べたところ、これは「おはなしめいろ」と言うらしく、元々はおもちゃ作家で児童書作家の杉山亮氏が考案したものらしい。

 これを見て、物書きの血が騒いだ。「これを作ったら絶対楽しい!作りたい!」と思った。童話でなくとも、趣味で応援しているサッカークラブについて書けたら、どんなに楽しいことか。
 しかし迷路なんて一度も作ったことがないので、とりあえず迷路ジェネレーターで、適当に迷路を作って文字を当てはめてみることにした。

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 が、早々に挫折。
 何せ、もともと文字数が限られているので、自由に文字を当てはめることができない。しかも分岐点の先が一文字しかないところがあり、これではどんなに頑張っても文章が思いつかない。

 そこでエクセルに頼ることにした。

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 セルの幅と高さを同じ値にして正方形を作り、そこに正規ルートとなる物語を一文字ずつ打ち込んでいく。ただ直線的に書くだけでは面白くないので、適当にくねらせて迷路っぽくしていく。

 ただし数字を打ち込むと数値として認識されて、文字が半角となり右揃えになるので、あらかじめセル全体を選択して【ホーム】タブの【数値】の【標準】と書かれている▼を押し、【文字列】をクリックする。すると数字を全角で入力しても、半角右揃えになることがない。
 あとはエラーチェックが働き、セルの左上に緑のマークが表示されることがある。最後にスクショする際に邪魔になるので、その時は同時に表示される【!】マークをクリックして【エラーチェックオプション】を開く。

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 【エラーチェック】の項目から【次の色でエラーを示す】の▼をクリックし、あまり目立たない白っぽい色にしておくと良い。エラーチェックそのものをオフにしてしまうと、後でエクセルの本来の使い方をする際にエラーチェックが働かず、困ることがあるかもしれない。

 あとはオートコンプリートもオフにしておく。「ん」と書いた文字の下に「ン」と入力しようとすると、勝手に「ん」になってしまうあの機能だ。

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 【ファイル】タブをクリックし、一番下の【オプション】を開く。あとは【詳細設定】から【オートコンプリートを使用する】のチェックボックスからチェックを外して【OK】を押す。これでオートコンプリートはオフになる。

 ある程度文章を書いたら、罫線も適当に引いていく。

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 罫線は【ホーム】タブの罫線マークの▼をクリックし、【線のスタイル】から太字を選択。その後、【罫線グリッドの作成】をクリック。カーソルがペンのマークになるので、セルの線に合わせてクリックまたはドラッグすると罫線が引ける。

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 時々「ここはネタを繋げられそう……!」と思ったら、分岐してみる。
 面白いネタがあれば、どんどん正規ルートから繋げて行き止まりルートを沢山作る。行き止まりが多い方が読んでいる人も楽しい。

 文章を迷路に合わせるか、迷路を文章に合わせるか。ここが一番の悩みどころ。私は頑張って文章を迷路に合わせてみた。最初は「さんぺーさんが雪だるまを作った」にしたが、文字が足りなかったので「さんぺーさんが雪だるま作りに励む」としてみたらピッタリ。
 この「ピッタリ」という感覚がおはなしめいろ作りの醍醐味だ。迷路の枠に文章が文字数にピッタリはまった時はたまらなく気持ちが良い。迷路を文章に合わせることも必要だが、どうにか頑張って文章の文字数を迷路に合わせれば、そのような快感が味わえる。ボキャブラリーが必要だと思うかもしれないが、何度も考えれば自然と言葉は出てくるものだし、漢字をひらがなにするだけでも文字数は稼げる。

 画像が必要だったら、迷路の一部に画像を挿入するのも手。

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 ただしあまりにも画像が大きすぎると手抜きの印象を与えるので、小さめサイズを心がけよう。

 仕上がりは綺麗な四角形になることを意識する。どこか飛び出ていると見栄えが悪くなり、クオリティは下がってしまう。
 最後に【挿入】タブの【図形】から矢印の図形を選んで、入り口と出口に矢印のマークを付ける。仕上げにセル全体を選択し、【ホーム】タブの【フォント】項目から【塗りつぶし】の▼をクリック、白を選択してセル全体を白く塗りつぶせば「おはなしめいろ」の完成!
 あとはスクショして画像として保存。

 完成品がこちら。

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【5月17日 追記】

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 第2作を作ってみた。
 1作目は直線が多かったので、よりくねらせた。ストレートに読むより、くねくねさせて一文字ずつ文字を追っていった方が面白いことに気付いた。
 第3作はさらに直線を少なく、より入り組んだ迷路にしていこうと思う。

◆◆◆

 ネタが複数個あればどんなジャンルでも作れる。
 また意外と簡単で面白く、SNSにアップすればリツイートやいいねがもらえることは間違いないので、ぜひトライしてみてほしい。

 最後に「おはなしめいろ」ツイート主じゃがりきん氏と、何より「おはなしめいろ」という素晴らしい迷路を発案した杉山亮先生に最大級の感謝を。

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