青木 隆行

地域工務店特化型経営コンサルタント 売上高8倍にした工務店経営20年の経験を活かしたコ…

青木 隆行

地域工務店特化型経営コンサルタント 売上高8倍にした工務店経営20年の経験を活かしたコンサルティング ・収益改革・社長力強化・事業承継 ・オリジナルセミオーダー住宅 ・分譲&注文住宅のハイブリッド化・多角化 経営アドバイザー(MBA) 新建ハウジング『チカラボ』連載

最近の記事

『InstagramやPinterestでいい家は建たない』と顧客に言えていますか?

SNS隆盛の時代、家造りに関わる多くの情報をInstagramをはじめとする多くのSNSから入手することが出来ます。地域工務店もSNSによる自社紹介や広告による販売促進が主流になりつつあります。紙媒体での広告費はデザイン料と配布コストで数百万円になる事がザラですが、Instagramからだと月15~20万円で充分というケースが多いですね。画像撮影や家具の設営費をかけたとしても、1月当たり50万円程度になると思います。特に地域工務店の場合は自社営業エリアに絞って広告配信出来るの

    • 工務店経営者はチェルシーを買おう。

      靴の王道と言えばイギリス靴。イギリス靴の王道と言えばエドワードグリーン。その中でもビジネス靴の基本と言えばこのチェルシーというモデルです。私は、このチェルシーを地域工務店の経営者に購入いただきたいと考えています。 http://www.edwardgreen.jp/ ビジネスシーンでもスニーカーを履いている人が増え、革靴を履いている人が少なくなっているものの、チェルシーは王道靴として是非お持ち頂きたい逸品です。ひと昔前に流行したサントーニなどのイタリア靴や根強い人気を博す

      • 地域工務店のアフターメンテナンスを考える

        地域工務店にとってアフターメンテナンスは地域からの信頼を獲得するためにも大変重要な仕事です。工務店経営者の倫理観が最も出やすいところでもあります。多くの地域工務店経営者がアフターメンテナンスを重視する気持ちはあるものの、なかなか思うようにいかない、OB施主が満足するところまでいかないのは何故なのでしょうか。 これはズバリ、アフターが出来るほどの利益が取れていないからに他なりません。当然ですがアフターメンテナンスは人件費や体制の構築などにお金がかかりますので、その原資となる利

        • 地域工務店のブランドポジションを考える

          2022年の秋口頃から注文住宅の受注が思わしくないという声をちらほら聴くようになっています。春先少し調子を取り戻した工務店さんの話を聞くこともありますが、住宅コロナバブルの終焉と共に、本格的な着工減が待っているかのかもしれません。 現在、地域工務店の多くは業績の維持・成長のために自社の強みを活かした策を実践しています。 1.コンセプトハウス(セミオーダー住宅・企画住宅)の開発 2.自社分譲地の開発 3.分譲住宅の販売 4.自社所有の賃貸住宅 5.住宅フランチャイズへの加盟 6

        『InstagramやPinterestでいい家は建たない』と顧客に言えていますか?

          次世代を見据えた地域工務店の収益化策

          2022年後半から住宅・工務店業界の減速が取り沙汰されています。大手ハウスメーカーの業績は11月単月ではやや持ち直し感はあるものの、概ね昨年対比マイナスとなっています。(新建ハウジングより抜粋) 地域工務店の動向でもこの流れは強く感じています。昨対比10~20%程度の受注・売上の減少を見込んでいる経営者は多いのではないでしょうか。以前から申し上げている事ですが、コロナによるちょっとした新築バブルは終わりを告げ、今後のやや厳しい市場環境に対応できる筋肉質な経営が求められるでし

          次世代を見据えた地域工務店の収益化策

          ハイブリッド工務店のススメ

          ハイブリッド工務店(中高級コンセプトハウスのススメ) 冬の寒い時期になりました。気温が0℃を下回るような日が続いています。併せて光熱費の高騰など、家計を圧迫するような事態も起こっています。安心快適な生活を確保するには、高い住宅性能による快適な家づくり・ランニングコストを考えた家づくりが求められる時代になったとも言えます。住宅のどこにコストをかけるかという観点では、やはり性能に関わるところを充実させる事が重要になってきていると痛感します。耐震性能や断熱性能が高い家づくりは素材に

          ハイブリッド工務店のススメ

          人口減少時代の地域工務店経営

          2020年からコロナが始まり、それに伴ってウッドショック・マテリアルショックが起こりました。住宅の販売価格は坪単価で10~15万円ほど上がり住宅市場が冷え込むことが予想されましたが、逆に住宅着工棟数は増え市況は活況を呈しました。コロナ禍であまり大腕を振って言えないと思うのですが、住宅メーカーはじめ工務店においても過去最高クラスの好業績を残した企業は多くあります(住宅着工棟数の増加は下記野村総合研究所のレポートからも見て取れます)。 好業績を残した住宅会社の特徴としては ①デジ

          人口減少時代の地域工務店経営

          スキルと理念共感の両立

          地域工務店アドバイザーという仕事をしていると、年代別の人員構成がひょうたん型になっているケースをよく見る。40代中盤から50代の社員と20代、という構成で30代が極端に少ない。ベテラン組は一定のスキルがあるもののどうしても体力は衰え始め行動力が落ちる。逆に20代は体力はあるがスキルがない。労働時間の制約が厳しくなっているなか、仕事も限定されてスキルアップの機会を失っているケースも見かけるし、スキル以上の難しい仕事を任せられてもベ教えてくれる人がおらず、一種の閉塞感を感じる事も

          スキルと理念共感の両立

          地域工務店に必要な4要素

          19年間の地域工務店の経営経験、さらに3年間の地域工務店向け経営アドバイザーとしての経験を通じて、地域工務店に必要な4つの要素を考えてみました。 1.独自性(オリジナリティ) どんな業界でも独自性(または差別化要因)は必要です。しっかりした経営が出来ている企業で何となく成り立っているケースはありません。ただ、地域工務店は独自化のネタが出尽くしている感は否めませんし、独自性だと思っていても模倣困難性が低いケースが多いのが実情です。こんななかで自社の独自性を高めていく方法とし

          地域工務店に必要な4要素

          高性能住宅は基本。+ライフスタイル型

          いま住宅業界は材料高・人手不足に金利上昇懸念など多くのマイナス材料があります。コストアップへの心配がある一方で住宅性能の強化にかなりウェイトが置かれています。住宅性能表示制度からの性能評価に始まり、特に断熱性・耐震性における議論が活発になされており、年間に建つ住宅の1/4は住宅性能評価がなされる時代になりました。私は建築士ではありませんが、地域工務店向け経営アドバイザーとして、また住宅業界に長く身を置くものとして耐震等級3・UA値最低0.46を最低スペックとするようにお薦めし

          高性能住宅は基本。+ライフスタイル型

          地域工務店のデジタル化

          前回に続き地域工務店のデジタル化について考えてみました。今回は『基本に立ち返ってみよう』『進め方とポイント』という観点からお伝えしようと思います。 1.『基本に立ち返ってみよう』 デジタル化と言っても、仕事は人がするものです。どれだけ良いデジタルツールを導入しても情報入力が出来ていなかったり正確な情報が入っていなければ意味がありません。例えば施工管理ソフトに最新版の図面を入れ忘れて手直し工事が出てしまったなどがそうです。まず最新版の図面どれかを社内の誰もが理解しておかなけ

          地域工務店のデジタル化

          地域工務店あるある デジタル化の罠

          【ポイント】安易にシステムを導入しても、必ずしもデジタル化になる訳ではない ※ここで言うデジタル化とは『業務にデジタルツールを活用する事で既存業務を効率化する事』と定義します。 1.中小工務店の現状 地域の中小工務店業界でも確実にデジタル化の波が来ています。人材不足への対応・業務効率化・生産性向上といった観点から不可避の課題ですが、その浸透スピードとレベルは企業によって大きく異なります。しかもそれは決して企業規模の大小ではなく、ずばり経営者のデジタル化に対する意識が大きく影

          地域工務店あるある デジタル化の罠

          長期安定化戦略『日本的経営のススメ』(2/2)

          前回につづき、日本的経営の観点から、地域工務店の長期的安定経営の意義や重要性を考えてみます。具体的な手法についても盛り込みました。  前回述べたような日本的経営を地域工務店が推進するにあたっては、地域への愛着と倫理観を持った経営理念の実践がポイントであると考えています。そして地域密着・地域貢献、コミュニティ形成と長期的観点からみた経営はまさにその中心的な実践方法になります。 【POINT】 ➡「地域への愛着」と「理念経営」の実践が日本的経営=長期安定経営を生む 地域に愛

          長期安定化戦略『日本的経営のススメ』(2/2)

          長期安定化戦略『日本的経営のススメ』(1/2)

          今回は地域の工務店にとって「日本的経営」がなぜマッチしていて、どのような部分が業績を安定させるベースとなるのか。またそもそも「日本的経営」とはなにか、解説をしていきたいと思います。今回が概論、次回でより実践的な内容をお伝えする予定です。 【POINT】 ➡「日本的経営」はゼブラ経営・ステークホルダー資本主義の原点  高い信頼度で受注を得てきた。土台にあるのが「日本的経営」 地域工務店経営者の皆さまは、自社の業績やブランディング・デザイン・性能といった事と同等かそれ以上に、

          長期安定化戦略『日本的経営のススメ』(1/2)

          住宅会社・家造りの選び方基準を第三者目線で考えてみた。

          家造りをするにあたって、住宅会社選びには多くの選択肢がある。大手ハウスメーカーや地域のビッグビルダー(大規模工務店)、高品質な家造りをするアトリエ系工務店に少人数で家造りをしている大工工務店などである。住宅会社はいくつかの基準で分けていくと実はかなり多くの業態に細分化できる。選択基準としては企業規模・家造りの考え方・価格帯・デザイン・性能・人など様々である。これらにタイミングやご縁なども踏まえながら総合的に住宅会社を選ぶ。 近年はインターネットの普及などで専門的な知識や情報

          住宅会社・家造りの選び方基準を第三者目線で考えてみた。

          地域工務店の財務戦略 2/2

          【今回のPOINT】決算書は開示できるようにしておこう!その理由は?  過去、私自身の銀行マン~工務店経営を経て、やはり工務店は粗利益確保が大変重要な要素になると考えています。工務店に限ったことではありませんが、特に地域に根差した工務店のような業態は「事業の継続性」がカギになります。例えば創業当初は勢いで成長をしたとしても、収益性が低い場合には思ったほど自己資本がつくれず、安全性に不安を抱えるケースもあるでしょう。また収益性が低い事で社員に充分な給与が出せない(良い人材を集

          地域工務店の財務戦略 2/2